• このエントリーをはてなブックマークに追加
マンガのはじまり:その31(1,673字)
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

マンガのはじまり:その31(1,673字)

2023-05-15 06:00
    近藤日出造は、戦争直後に郷里上田に無事帰還し、しばらくは平穏に暮らしていた。しかし何もすることがないのと出身地であるにもかかわらず田舎の暮らしに馴染めなかったので、数ヶ月後に菅生定祥に手紙を書き、東京に戻ってもいいかと打診した。すると、なんと菅生はすでに「漫画」誌を細々とながらも再開しており、すぐに戻ってきてまた編集を頼みたいという。

    そこで近藤は妻子を郷里に残したまま勇躍上京し、西荻窪にある弟子の塩田英二郎宅に仮住まいしながら、漫画家及び編集者生活を再開するのだ。

    しかしながら、近藤のこの活動はしばらく迷走を続けた。というのも、近藤は元々保守派の人間だったのだが、戦後の世の中の急な左傾化ですっかり調子が狂ってしまったのだ。そうして世を儚み、厭世的になった。GHQや政府が信じられず、緩やかなアナーキストとなっていった。

    ところで、これは近藤も含め多くの人が誤解しがちなのだが、戦中の陸軍はけ
    この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。
    ニコニコポイントで購入

    続きを読みたい方は、ニコニコポイントで記事を購入できます。

    入会して購読

    この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。

    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。