ル・コルビュジエとフランク・ロイド・ライトに共通している部分がある。それは「空間の美」を追求しているということだ。だからそれが一つの本質ということもできよう。空間もやはり「美」は重要な目的地なのだ。

ただ、そこに至るまでの二人のアプローチは違う。コルビュジエが「機能美」を追求したのに対し、ライトは「時間の美」を追求した。言い換えると、コルビュジエは「使うこと」を追求したのに対し、ライトは「訪れること」を目指したのだ。

コルビュジエは建築を「使うもの」と規定した。だから「住む」ということにとても適している。これは実際に住んでみなければ分からないだろう。コルビュジエの建築に今でも多くの人が住み続けているのは、住めばそこが魅力的だと分かるからだ。

一方で、ライトの建築は住んでみないとそこが「住みにくい」ということが分からない。ライトの建築に住んでいる人は今では少数だ。しかしそこを訪れる人はたくさ