1990年かそれより少し前辺りから、新しい「若い女性」というものが出てきた。80年代前半は松田聖子に代表されるかわいい「ブリッコ」が若い女性としてほとんど唯一の価値だった。顔がまずいと「ブス」と呼ばれ、それだけで社会における価値は大きく下落した。まだ今のような女性に対する人権意識は社会の中になかった。わずかに男女機会均等法が施行されたくらいだ。

「かわいくなければ女じゃない」という価値観は当時の世間を覆い尽くしていた。だから顔がかわいくない女性と、たとえかわいくてもその価値観に賛同できない女性は隅っこで小さくなっているほかなかった。

しかしそうした価値観に徐々にカウンターが現れ始めた。「顔だけが女性の価値ではない」という声がそこここに表れ始めたのだ。その端緒は「Olive少女」ではなかったか。

Olive少女は松田聖子に代表されるブリッコ少女へのカウンターとして生まれ、広まっていった。では