岩崎夏海さん のコメント
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「ノーカントリー」は、コーエン兄弟という兄と弟の2人で監督をしている人たちの撮った作品である。そして知っている人は知っているが、コーエン兄弟はこれまで名作ばかりを撮ってきたので、監督としてのブランド価値がものすごく高い。役者にとって「撮られたい監督ナンバーワン」と言っても過言ではない。ほとんどの役者が、コーエン兄弟からの出演オファーを受けたら、たとえギャラが安くても喜んで引き受ける――そんな映画監督なのだ。 なぜほとんどの役者が喜んで出るかといえば、「コーエン兄弟は演技の上手い人しか起用しない」という定評があるからだ。あるいは、「コーエン兄弟は役者の演技を引き出すのが上手い」という評判もある。だから、コーエン兄弟の映画に出ると、役者としての株を上げることができるのだ。その意味でも、撮られてみたい監督なのである。 あるいはもっと純粋に、コーエン兄弟の撮る映画が好きだったり、彼らの映画に対するアプ
『もしドラ』作者の岩崎夏海です。このブロマガでは、主に社会の考察や、出版をはじめとするエンターテインメントビジネスについて書いています。写真は2018年に生まれた長女です。
コメントありがとうございます。
この映画を見た人の多くが、最後の結末に混乱させられます。なぜなら、保安官と犯人が出てくるために、この両者が最後には相まみえて、何らかの解決が図られるはずだという先入観を、多くの人が持つからです。それが裏切られるために、多くの観客は混乱してしまうのですね。そしてその混乱する姿は、映画の中でシガーに混乱する登場人物たちと、実は相似形になっているのです。この映画は、混乱そのものをあざ笑ったり、それに疑問を呈したりするという構造になっているのですね。
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