――といっても、その面白さを文字で紹介するのは難しい。なぜなら、それは実に「映像的な面白さ」だったからだ。
「映像」というのは、静止画ではなく「動画」という意味である。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」は、動画としての面白さが破格の作品なのだ。
「破」の「動画としての面白さ」の秘密に、使徒の持つ「コア」の存在がある。
使徒というのは、どれも「コア」という赤い球体を、その体の中心に持っている。使徒は、このコアを破壊すると倒せる――というロジックになっている。逆に、コアを破壊しない限り、倒せない。その他の部位をいくら攻撃しようと、倒れてはくれないのである。
だから、使徒を倒すためにはこの「コア」を破壊する必要があるのだけれど、そういうロジックを構築しておくことが、動画を面白くすることに大きく寄与しているのだ。