さて、そうしてぼくは、とうとう「もしドラ」を書きあげた。

「もしドラ」を書く過程において最も大きかったできごとは、ラストを変更したことだ。
すなわち、3年前にシノプシスを書いた時は「がんばれ!ベアーズ」に準じて負ける予定だったのを、勝つように変更したのだ。

なぜ変更したかといえば、シノプシスに血肉をつけ、実際のストーリーに落とし込んでいく中で、やがて「これは、ラストに負けたのではつじつまが合わない」と思うようになったからだ。
これで負けたのでは、かえってリアリティを損なう――そんなふうに考えるようになった。