ブロマガを始める時、ぼくはニコ生は全く念頭になかった。とにかく記事を頑張って書いていけばいいし、そもそも自分はテキストの人間だという思いがあった。ニコ生は、他のブロマガ主がやるものだ、と。
しかしブロマガを初めてすぐ、どうもそうではないらしいと気づいた。ブロマガの最大の特徴は、ニコ生と密接に連動しているところにあるため、他の多くのブロマガ主たちは、ニコ生を主たる集客経路として活用しているのだった。そのため、ニコ生を無視していたのでは、ブロマガを立ちゆかせるのはなかなか難しかった。

そうしてぼくも、ほどなくしてニコ生を始めることを決めた。最初の放送は、場所は事務所の会議室で、カメラは2年前くらいに買った自前のハンディカムを使った。マイクももちろんカメラ内蔵のものだった。

ハンディカム:ソニー HDR-CX370V

しかしこれだと、音を全く拾ってくれないというのが、放送をして初めて分かった。ぼくとマイクとが遠すぎて、声は聞こえないし、雑音は大きいしで、視聴しづらいことこのうえないのだ。
おかげで、最初の放送はひどいものだった。自分でタイムシフトを見返しても、聞いていられなかった。そうしてこの時、ぼくは、ニコ生には「音声」が最も大切だということを思い知らされたのだ。

ニコ生では音が何より重要だった。なぜなら、視聴者には他のことをしながら見る「ながら見」の人が多いからだ。ラジオのように聞いている人が多いのである。そのため、声がクリアーに聞こえることが重要だった。実際ぼくも、他の人のニコ生を見る時は、ラジオのように「ながら見」をすることが多かった。

そこで、今度は事務所にあったちょっと高価なハンディカムを借りて、マイクはニコ生の放送に適した取り付け型のものを購入した。事務所のハンディカムを借りたのは、ぼくのハンディカムには外部のマイクを取りつけられなかったからだ。

ハンディカム:ソニー NEX-VG20
マイク:ソニー ECM-PC60

そうして放送したところ、画像はもちろん、音声の質も格段にあがった。そのため、番組の質そのものも、大いにアップしたのだった。

しかし、今度はまた別の問題が発生した。それはウェブ環境だった。
事務所のウェブ環境は、あまり良くなかった。回線が途切れがちなのだ。ウェブやメールも、時々読み込めなくなる。帯域が狭いのかもしれない。
特に、wi-fiは途切れがちだった。そのため、長いLANケーブルを買ってきて、自分のデスクから会議室までつなげた。しかしそれでも、回線が不安定なためによく切れてしまった。
結局、事務所の回線では切れてしまうことのトラブルが避けられなかったため、やがてぼくの新しい仕事場ができると、今度はそこから放送することにした。そこの回線は安定していたからだ。

新しい仕事場に引っ越したのを期に、ぼくはニコ生のさらなる環境向上を図ろうと思った。
というのも、実はこの頃、ブロマガの放送があまりにトラブルが多いのと、いくら放送しても会員数が増えないのとで、テンションが下がっていたからだ。
やっても意味がないのではないかと勘ぐるようになっていた。それよりも、記事に力を入れた方がいいと考えた。アンチの人が批判コメントを寄せてくることにも、大きなストレスを感じていた。

それで、生放送中に「この放送はもうやめようと思う」と宣言した。ところが、そこで思わぬことが起こった。その放送を見ていた人から「続けてほしい」という要望が数多く届いたのだ。
それは、コメントでもそうだったし、メールをくれた人もいた。実際、抗議の意味で本当にやめてしまった人もいた。それでぼくは、ニコ生が、実は既存会員にとっては重要なコンテンツになっているということを再認識させられたのだ。

ぼくはそれまで、ニコ生は宣伝の場として位置づけていた。だから、新規顧客のためのものかと思っていた。しかしながら、それはむしろ既存顧客が楽しみにしていたのだ。それはそれで、宣伝機能を果たしていないため問題であるともいえるのだが、しかしとにかく、既存の会員の方々にとっては、ニコ生を目的の一つとしてぼくのブロマガをご購読頂いているという現状は、厳として存在していたのである。

だから、ぼくは開き直って「それならいっそ、もっとニコ生に力を入れよう」と考えた。そうして、新しいカメラを買ったのだった。ついでに新しい三脚と新しいミキサーまで買ってしまった。カメラは、後々映画も撮りたいと思っていたので、思い切って最高級品質のものを買った。ミキサーも、ローランドのVR-3という、web動画配信用としては最高のやつだった。

カメラ:ソニー NEX-VG900
三脚:ソニー VCT-VPR100
ミキサー:Roland VR-3

ここで、VR-3を買ってから気づいたのだが、これだと、マイクを複数ミックスすることができた。
それでぼくは、音響環境をさらに向上しようと考えた。これまで使っていたマイクに替わって、ソニー製のワイヤレスピンマイクを2台と、卓上用のバウンダリーマイクを導入したのだ。
バウンダリーマイクは、かなり