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マンションを買った。
資金は、「もしドラ」の印税の残りで賄った。支払いは現金だった(といっても、まだ全額払ったわけではなくて、手付け金を払っただけだが)。
用途は、自宅用ではなく資産用だ。買って、人に貸す予定なのである。
なぜ資産用にマンションを買ったかといえば、それはもう「生きる」ためだ。というか、文筆業を続けるためだ。
「文筆業」というのは、この先お金を稼げるかどうか、非常に怪しい時代になった。特に、紙の本は、なかなかやっぱりどうしても売れない時代になってしまった。
「もしドラ」を出して以降、ぼくはいくつかの本を出させて頂いたのだが、それなりに売れたものもあるものの、総じて売れ行きはあまり芳しくなかった。
それは、「おまえの本がそれだけの価値しかないからだよ」と言われればそれまでかもしれないが、しかし、紙の本全体の売上はやっぱり確実に下がっているので、ぼくのせいばかりともいえないところはあると思う。やっぱり時代は大きく変化していて、紙の本を売るというビジネスが苦しくなっていることは確かなのだ。
だったら、それに替わって電子書籍の時代が来ているかというと、ぼくはそれにもちょっと懐疑的だ。電子書籍は、紙の本と違って「実物」がないため、なかなか価値を創出しにくい。あるいは、ネットにはただのテキスト情報が溢れかえっているから、そことの競争に勝つのも困難だ。
だから、いずれにしろ紙の本の売上が下がった分を電子書籍が補えるところまでは、なかなかいかないのではないだろうか。
だとしたら、「ブロマガ」はどうなのだろうか?
ぼくは、ブロマガはなかなか面白いと思っている。これは、実際に大きなビジネスになる可能性があるし、ホリエモンや津田大介さんなど、もうなっている人たちもいる。
ただ、ぼく自身が1年間ブロマガをやってきて感じたのは、ブロマガは、単に面白いテキストだけを提供していけばいいというわけではない――ということだ。
それ以外に、「ファンクラブ」的な要素がとても大きい。だから、執筆者が人気者で、ファンに楽しみを提供したり、ニコ生など、他メディアでの展開も欠かせない。
というわけで、これも文筆業の純粋なプラットフォームにはなりにくいのではないか――と、ぼくは考えている。だから、今ぼくがブロマガをやっているのは、純粋な文筆家というよりも、ある種のタレントとして、読者の方に面白さを提供していくためと考えている。ニコ生も、その一環で放送している。
そうして書く内容も、例えばぼくのプライベートに関することを明け透けに書き、読者の方にそれを楽しんでもらう――といったトライアルが必要だ。あるいは、ぼく自身がある種の実験台となってさまざまな活動をし、その報告を通じて、読者の方に有益な情報を提供していく――そんな内容も必要だと考えている。
というわけで、このブロマガでは、紙の本だったら書かないような、ぼくのリアルな生活についても、つまびらかに書いていこうと考えている。それをみなさんに楽しんで頂き、運が良ければぼくのファンになって頂く――あるいはぼくの右往左往や七転八倒を笑いながらも応援して頂く――そんな場になれば嬉しいと考えている。
そこにおいて、ぼくは非常に幸運だったのが、「紙の本」というビジネスの最終列車に乗ることができたことだ。すなわち、紙の本をヒットさせることができたのである。それは「もしドラ」のことなのだが、おかげで、大きな額のお金を手に入れることができた。そのため、そのお金を、これからの執筆活動の基盤として使うことができるている。
これは何の自慢にもならないかもしれないが、ぼくは「もしドラ」が出て以降、お金というお金は、自分の執筆活動の基盤を作ることにしか注いでこなかった。遊興費には全くといっていいほど使わず、その代わり、文章を書ける環境を整えることだけに使ってきた。
なぜかというと、文章を書けなくなることが怖かったからだ。30歳の時、小説を書き続けてお金がゼロ……というかマイナスになってしまい、死ぬ思いをした。そこで、今考えれば当たり前なのだけれど、小説というのはお金がなければ書けないものだというのを、つくづく思い知らされた。
それで、「もしドラ」が売れた際には、もう二度とあんな思いをしなくても済むよう、この先も執筆を続けられるように、書くことの環境を整えることだけに注力してきたのだ。
今回、マンションを買ったのもその一環である。
映画監督のフランシス・コッポラは、「これからは、映画でお金を儲けるのは難しい時代になる」と考えているそうだ。そのため、「もし映画を撮りたかったら、監督自らがお金を出して撮れなければならない」と予測しているらしい。そのため、コッポラ自身はワイン農園を経営し、次回作の予算は、その収益で賄おうとしているというのだ。
ぼくも、本というのはこれからあまり売れない時代が来ると思っている。だから、文章を書き続けたいなら、それ以外の場所でお金を稼ぐ必要が出てくる。
それで、コッポラにならってというわけではないのだが、他の収益を確保しようと思ったのだ。マンションを購入して人に貸すのは、そのためなのである。
そこでここでは、今後、その買ったマンションについて書いていこうと思っている。どんなマンションを買って、それをどう改装して、どのように貸して、どのような収益を上げられたか――などということについて、全てここで明らかにしていく予定だ。
それは、3つの側面をもったコンテンツになるのではないかと思っている。
1つは、マンションの価格や、リフォームの価格などを知る、「経済記事」的な側面。
2つは、リフォームをし、部屋を作っていくという、「文化記」事的な側面。
3つは、ぼく自身のことを綴る、「人物記事」的な側面。
それで、第1回目の今回は、購入したマンションの場所、広さ、価格などをお伝えしたい。
まず、購入したマンションの所在地なのだが、
資金は、「もしドラ」の印税の残りで賄った。支払いは現金だった(といっても、まだ全額払ったわけではなくて、手付け金を払っただけだが)。
用途は、自宅用ではなく資産用だ。買って、人に貸す予定なのである。
なぜ資産用にマンションを買ったかといえば、それはもう「生きる」ためだ。というか、文筆業を続けるためだ。
「文筆業」というのは、この先お金を稼げるかどうか、非常に怪しい時代になった。特に、紙の本は、なかなかやっぱりどうしても売れない時代になってしまった。
「もしドラ」を出して以降、ぼくはいくつかの本を出させて頂いたのだが、それなりに売れたものもあるものの、総じて売れ行きはあまり芳しくなかった。
それは、「おまえの本がそれだけの価値しかないからだよ」と言われればそれまでかもしれないが、しかし、紙の本全体の売上はやっぱり確実に下がっているので、ぼくのせいばかりともいえないところはあると思う。やっぱり時代は大きく変化していて、紙の本を売るというビジネスが苦しくなっていることは確かなのだ。
だったら、それに替わって電子書籍の時代が来ているかというと、ぼくはそれにもちょっと懐疑的だ。電子書籍は、紙の本と違って「実物」がないため、なかなか価値を創出しにくい。あるいは、ネットにはただのテキスト情報が溢れかえっているから、そことの競争に勝つのも困難だ。
だから、いずれにしろ紙の本の売上が下がった分を電子書籍が補えるところまでは、なかなかいかないのではないだろうか。
だとしたら、「ブロマガ」はどうなのだろうか?
ぼくは、ブロマガはなかなか面白いと思っている。これは、実際に大きなビジネスになる可能性があるし、ホリエモンや津田大介さんなど、もうなっている人たちもいる。
ただ、ぼく自身が1年間ブロマガをやってきて感じたのは、ブロマガは、単に面白いテキストだけを提供していけばいいというわけではない――ということだ。
それ以外に、「ファンクラブ」的な要素がとても大きい。だから、執筆者が人気者で、ファンに楽しみを提供したり、ニコ生など、他メディアでの展開も欠かせない。
というわけで、これも文筆業の純粋なプラットフォームにはなりにくいのではないか――と、ぼくは考えている。だから、今ぼくがブロマガをやっているのは、純粋な文筆家というよりも、ある種のタレントとして、読者の方に面白さを提供していくためと考えている。ニコ生も、その一環で放送している。
そうして書く内容も、例えばぼくのプライベートに関することを明け透けに書き、読者の方にそれを楽しんでもらう――といったトライアルが必要だ。あるいは、ぼく自身がある種の実験台となってさまざまな活動をし、その報告を通じて、読者の方に有益な情報を提供していく――そんな内容も必要だと考えている。
というわけで、このブロマガでは、紙の本だったら書かないような、ぼくのリアルな生活についても、つまびらかに書いていこうと考えている。それをみなさんに楽しんで頂き、運が良ければぼくのファンになって頂く――あるいはぼくの右往左往や七転八倒を笑いながらも応援して頂く――そんな場になれば嬉しいと考えている。
そこにおいて、ぼくは非常に幸運だったのが、「紙の本」というビジネスの最終列車に乗ることができたことだ。すなわち、紙の本をヒットさせることができたのである。それは「もしドラ」のことなのだが、おかげで、大きな額のお金を手に入れることができた。そのため、そのお金を、これからの執筆活動の基盤として使うことができるている。
これは何の自慢にもならないかもしれないが、ぼくは「もしドラ」が出て以降、お金というお金は、自分の執筆活動の基盤を作ることにしか注いでこなかった。遊興費には全くといっていいほど使わず、その代わり、文章を書ける環境を整えることだけに使ってきた。
なぜかというと、文章を書けなくなることが怖かったからだ。30歳の時、小説を書き続けてお金がゼロ……というかマイナスになってしまい、死ぬ思いをした。そこで、今考えれば当たり前なのだけれど、小説というのはお金がなければ書けないものだというのを、つくづく思い知らされた。
それで、「もしドラ」が売れた際には、もう二度とあんな思いをしなくても済むよう、この先も執筆を続けられるように、書くことの環境を整えることだけに注力してきたのだ。
今回、マンションを買ったのもその一環である。
映画監督のフランシス・コッポラは、「これからは、映画でお金を儲けるのは難しい時代になる」と考えているそうだ。そのため、「もし映画を撮りたかったら、監督自らがお金を出して撮れなければならない」と予測しているらしい。そのため、コッポラ自身はワイン農園を経営し、次回作の予算は、その収益で賄おうとしているというのだ。
ぼくも、本というのはこれからあまり売れない時代が来ると思っている。だから、文章を書き続けたいなら、それ以外の場所でお金を稼ぐ必要が出てくる。
それで、コッポラにならってというわけではないのだが、他の収益を確保しようと思ったのだ。マンションを購入して人に貸すのは、そのためなのである。
そこでここでは、今後、その買ったマンションについて書いていこうと思っている。どんなマンションを買って、それをどう改装して、どのように貸して、どのような収益を上げられたか――などということについて、全てここで明らかにしていく予定だ。
それは、3つの側面をもったコンテンツになるのではないかと思っている。
1つは、マンションの価格や、リフォームの価格などを知る、「経済記事」的な側面。
2つは、リフォームをし、部屋を作っていくという、「文化記」事的な側面。
3つは、ぼく自身のことを綴る、「人物記事」的な側面。
それで、第1回目の今回は、購入したマンションの場所、広さ、価格などをお伝えしたい。
まず、購入したマンションの所在地なのだが、
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コメント
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この企画は凄く面白くなりそうな予感がぷんぷんします。展開が楽しみです。
岩崎夏海(著者)
>>1
ありがとうございます!
これも試行錯誤の一環ですが、がんばっていこうと思います。
待ってました!この手の企画連載!
明日にでも、~その2を拝読させて頂きたいところです。
確かにすごく面白くなりそうで是非続きが読みたいです!
自分も、もしドラにはほど遠いですが大金が入ってきたので、
こういう話にはとても興味があります。
あと、税金について知りたかったりしますw
とんでもない額払われたのかな〜と。
光量が多い位置に部屋があるので、光が配置しやすそうですね。
岩崎夏海(著者)
>>5
日本の家屋は光とのつき合い方が大切なんですよね。
夏は暑いし冬は寒い。暑い時の日差しはよけ、寒い時の日差しは取り組むような工夫が必要なんです。
もちろん、光の織りなすデザイン的な側面も大きな要素としてあります。