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始めて1年半で見えてきた有料メルマガ(ブロマガ)の実態と本質(2,879字)
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始めて1年半で見えてきた有料メルマガ(ブロマガ)の実態と本質(2,879字)

2013-12-16 06:00
    有料ブログというのはなかなか難しい。
    何が難しいかといえば、「価値を構築」するのが難しい。

    ぼくの有料ブログは、環境的にはかなり恵まれている方だと思う。
    先日も、ニコ生の公式番組で対談させていただいた秋元康さんが、ぼくの個人番組にもサービスで出演してくれ、しかもNMB48の無料鑑賞券までプレゼントしてくれた。
    もちろん、この番組にはドワンゴ会長の川上量生さんも出演してくれている。こんな恵まれた有料ブログの書き手はなかなかいないだろう。

    それにもかかわらず、会員数は伸び悩んでいる。
    さっきみたら、現在のところ561人だった。
    この人数だと、ぼくのところに入ってくるお金は、いろいろに差し引かれて月額25万円前後となる。そして、それだけならいいのだが、ニコ生の運営費が、スタッフの賃金や出演者の出演料などで月々15万円ほどかかるため、利益というと月々10万円というところだ。
    「利益」というか、そもそも月間で23本のコラムを書き、2時間のニコ生を毎週放送し続けているから、それへの対価が10万円ということになるだろう。

    これを高いか安いかで見れば、安いといわざるをえない。
    テキストの原稿は、他の媒体で書いたらもう少しもらえるし、出演は、テレビだったらたった1回で同じかそれ以上にもらえる。
    講演となると、もっと高い報酬をいただける。また本の印税は、これはヒットしたらという前提つきだが、労働時間に対する収入という意味では比べものにならないくらい大きい。

    つまり、有料ブログは、経済的な収支という意味では、今のところかなり厳しい状況にあるのだ。これが他の仕事とバランスするには、会員が少なくとも1000人、余裕をもって3000人まで増えてほしいところなのである。
    しかし、これまで1年半にわたってさまざまな努力を積み重ねてきた中で、「3000」というのがいかに難しい数字か、いやというほど思い知らされた。今の時代、個人のテキストメディアに3000人もの人を集めるというのは、本当に至難の業なのだ。これはぼくだけではなく、多くの人が苦戦しているところなのである。


    しかし、それでも、ぼくは有料ブログを書き続けている。
    理由は色々あるが、最も大きいのは、そこでさまざまな体験や経験、知識を得られるということだ。

    一番は、「勉強できる」ということなのである。
    例えば、有料ブログの運営が至難の業だというのも、これもやってみなければ得られない知識である。ニコ生出演と原稿料の対価が月々10万円で厳しいなあと実感するのも、これもまた知識である。ニコ生の運営費が月々15万かかる(スタジオや設備代を入れるともっとかかっている)というのを知るのも、これもまた知識である。
    そうして今では、ニコ生というものにもかなり詳しくなった。どのように放送すればどのような影響があるというのも、色々分かってきた。

    そういう知識や経験が財産だと思っているので、今は頑張っているのである。
    ぼくは、今は「投資の時期」だと思っている。身を粉にして自分の体をはじめ、時間や労力やお金やアイデアを投資することにより、知識や経験を得ているのだ。それが、いつの日か役に立つのではないかという勘を頼りに、苦しい中で頑張っているのである。

    ただし、頑張っているというのはもちろんぼくの都合で、これは有料会員のみなさまには何の関係もないことである。それは、会員の方々が月々840円をお支払いになる理由には結びつかない。ぼくが黒字だろうが赤字だろうが、会員のみなさまに提供するサービスの質に、それが連動してはならない。

    ――そのように考えて、ぼくはこの有料ブログを続けてくる中で、少なくともいくつかの優位性は作らなければならないと思った。今は競争社会を避けようもないので、その中で勝ち抜いていけるポイント、つまり何らかの要素で一番にならなければ、サービスとして継続できないのではないかと考えたのだ。

    そこで、少なくとも以下の3つで一番になろうと企図した。
    それは――
    1.真面目さ(とにかく誠実に、マラソンランナーのようにひたひたと、定期的に配信する、し続ける)
    2.クオリティを担保する(面白い記事を書き続けること。これは、ぼくが比較的得意とするところでもある)
    3.実験(とにかくいろんなことをやり続ける。変化する。挑戦し続ける)
    この3つの優位性を築いて、内容でも遜色のないものを出し続けようとしたのである。

    自己評価ではあるが、以上の3つは、1年半の間に担保し続けられたかと思っている。
    ところで、ぼくは自己評価をとても重視する。なぜかといえば、ぼく自身、これまでの45年の人生の中で、評価者(目利き)としての能力を高めることと、自分を客観的に見ることの能力を高めてきたからだ。それについては、自分が得意とするところなのである。

    その中で、例えば先日「かぐや姫の物語」を見たのだが、そのとき、ぼくの目利きとしての評価は「この作品は1000年残る傑作だ」というものだった。それで、そのことを率直に記事に書かせていただいた。
    あるいは、「ドラッカー」や「ヘヤカツ」というのも、そういう目利きの能力で読み取り、本として出版した。そうしたところ、大きな反響を得たことで、自分の目利きの能力については、ある程度自信を得ることもできた。

    そういうふうに、ぼくは自分の目利きの能力を今では信用し、その目でもって自分のブロマガを客観的に見ているのである。そうして、その取り組みは十分に評価できると思っているので、内容については、自信を持つことができているのだ。

    そうした中で運営を続けてきたのだが、ここにきて、有料ブログというものの実態というか、その本質というのが、新たに分かってきた。これは、つい最近まで気づかなかったことなので、分かったときは、「そうなんだ!」と驚かされたことでもある。

    それは、さきほどの文章の中で、「頑張っているというのはもちろんぼくの都合で、これは有料会員のみなさまには何の関係もないことである」と書いたのだが、実は、それは大きな誤りだったのだ。
    有料ブログの本質というのは、ぼくの頑張りのようなものを、会員のみなさまにも伝え、それを含めた関係性を構築していくことで、どんどんと内側に巻き込んでいかなければならなかったのだ。

    今の時代のコンテンツは、コンテンツそのものを売っていたのでは商売にならない。それよりも内側に巻き込んで、そのことの体験を売っていく必要があるのだ。ぼくの有料ブログでいえば、ぼくだけが育てるのではなく、会員のみなさまと一緒に育て、大きくしていく。そうして、その苦労や喜びを、共有していく必要があったのである。

    長くなったので、この続きはまた明日書きたいと思う。 
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