近頃つくづく思うのは、世の中には「すごい」というのが見えやすいものと、見えにくいものがあるということ。そして、「すごい」というが見えにくいものには、「すごい」と見えるような工夫が必要だということ。その工夫――プレゼンテーションこそが、何よりだいじだということ。

若い頃は、そういう工夫を嘘くさく感じていた。中身がなくて外面ばかり取り繕おうとする人を軽蔑し、自分は中身で勝負しようと思っていた。そのため、外見にはあまり力を入れてこなかった。ぼろは着てても心は錦で、むしろ外見に気を遣わないことこそがプレゼンテーションだとすら考えていた。

しかし、世の中はそうなっていなかった。社会に出てから20年かかって、ようやくそのことに気がついた。
中身というのは、まさに中にあるから、外からは見えない。しかし人は、中を見る前に、どうしたって外を見る。そして中を見てもらうためには、まず外見を見て、興味を持ってもらう必要