「教育」の目的が何かといえば、それは「成長」を促すことである。
では、成長とは何か？
その「概念」が定まっていなければ、教育もおぼつかない。
そこでここでは、「成長とは何か？」ということの概念を掘り下げていきたい。
そうすることで、成長を目的とする教育がいかに為されるべきか――を考えていく。


成長とは何か？
人間には、成長が必要とされる。それは、体の成長もそうだが、心の成長もそうだ。成長しなければ、人間は生きていくのが難しくなる。
ということは、裏を返せば「人間は未熟な状態で生まれてくる」ということである。心身ともに不完全な状態で、この世に生を授かる。人は、そのまま生きていくには「不都合」な状態で、生まれてくるのだ。

そのため、成長というものを考えるとき、「子供は不完全な状態である」という前提が、まず必要となる。もっといえば「子供というのはダメな存在だ」というふうにとらえることが必須なので