子供が成長するためには、子供自身が器を広げなければならない。
器を広げるためには、彼らがこれまでの方法では対処できない新たな問題に遭遇し、悩んだりもがいたりしなければならない。なぜなら、人間の器というのは、悩んだりもがいたりするときに広がるからだ。

では、子供に悩ませたりもがかせたりするためにはどうすればいいか?
それは、親が子供に憎まれたり嫌われたりすることである。
では、どうすれば憎まれたり嫌われたりすることができるのか? あるいは、子供の器が広がるよう、上手に憎まれたり嫌われたりするためにはどうすればいいのか?
ここからは、そのことについて考えてみたい。


子供に悩ませたりもがかせたりする最良の方法――それは、子供の言うことを理解しない――ということである。「理解しない」というのは、子供の言うことに対して「無理解になる」というのと同時に、「コミュニケーションを通じさせなくさせる」という