ハックルベリーに会いに行く
ライトノベルの書き方:その25「主体的と他動的のハイブリッド」(1,895字)
「桃太郎」の主人公、桃太郎は、自分のうちから湧き上がってきた「旅に出たい」という衝動に突き動かされ、鬼の征伐を「口実」に旅に出る。しかしながら、いくら口実だからといって、旅に出られたらそれを放り出すようなことを、桃太郎はしない。口実といえども、一旦口にしたことは敢行しようとする。そうして本当に鬼の討伐に行くのである。いうならば「嘘から出た誠」となるのだ。
桃太郎という人物においては、その嘘と誠の境界線が非常に曖昧なのである。そしてその曖昧さは、非常にリアリティがある。どんな人にでも「嘘から出た誠」というのはある。その場をとり繕うために言ったことを、行きがかり上せざるを得なくなるのは日常茶飯事だ。むしろそういう行きがかり上でしたことの方が、自らの運命を大きく動かすことも多い。それだからこそ、桃太郎のこの行動には多くの人が共感できるのだ。
川上量生さんは、ジブリのプロデューサーである鈴木敏夫さ
この記事の続きを読む
ポイントで購入して読む
※ご購入後のキャンセルはできません。 支払い時期と提供時期はこちら
- ログインしてください
購入に関するご注意
- ニコニコの動作環境を満たした端末でご視聴ください。
- ニコニコチャンネル利用規約に同意の上ご購入ください。