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戦後マンガの誕生
終戦後、日本を覆った二つの状況があった。
一つは、物資の不足。
戦後の政治的、経済的な混乱により、日本では戦中以上に物が不足するようになってしまった。終戦直後は食料までもが不足し、都会に暮らしている人々は郊外まで買い出しに行くのを余儀なくされるほどだった。
おかげで、人々の生活は困窮した。こうした状況はおおよそ五年くらい続いた。
もう一つは、娯楽の不足。
戦時中、日本では戦場で戦っている兵隊さんに失礼、あるいは不謹慎ということで、ほとんどの娯楽が禁止されていた。そのため、人々は五年に及ぶ禁欲生活を余儀なくされた。
そのことの反動と、戦争が終わったことの開放感から、人々は砂漠の民が水を求めるように、娯楽というものを渇望したのだ。
特に、遊びたい盛りの子供たちが娯楽を欲した。そのため、それに呼応した子供向け娯楽ビジネスが勃興していった。
まず、紙芝居が流行した。紙芝居は、最も
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