Vol.420 結城浩/自宅作業のコツ/数学の魅力は何ですか/成長できない/指数関数的爆発/

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2020年4月14日 Vol.420


目次

  • 自宅作業のコツ - 仕事の心がけ
  • 結城先生にとって、数学の魅力は何ですか
  • 成長できない
  • 指数関数的爆発 - 再発見の発想法

はじめに

結城浩です。

いつもご愛読ありがとうございます。

最近は、結城もずっと家にこもって仕事をしています。

以前は街なかのカフェに出かけて仕事をしていましたが、もうそんな状況ではありませんし、すっかりその習慣もなくなってしまいました。そもそも、お気に入りだったカフェのいくつかはしばらく休業することになってしまいました。

医療関係者はもちろんのこと、社会を支え、ライフラインをキープしている方々には本当に感謝しています。危険な中で作業したり、多くの人に接しなければならない方々が、無事に過ごせるように切に祈っています。

一般人である結城は「家で過ごそう」というメッセージを守り、ソーシャルディスタンスを保ち、日々ていねいに手洗いをし、きちんと眠り、適度な運動を行って自分の健康を保とうと努力しています。医療現場に負担を掛けないために、身体と心をよくメンテナンスし、安定させることを心がけています。

いまは本当に大変な時期ですし、見通しがつかないのは不安なものです。しかし、自分にできることをきちんと見分け、それをこなしていきたいと思っています。

がんばっていきましょう。

* * *

新刊の話。

現在結城は『数学ガールの秘密ノート/複素数の広がり』の初校ゲラを読む毎日です。

大物の修正はあまりないのですが、二百数十個くらいの細かい修正と図版の調整を行っています。

淡々と、粛々と作業は進み、特にドラマはありません。淡々と、粛々と作業を進めます。そんな毎日です。

もともとは五月刊行を予定していましたが、現在の社会情勢と緊急事態宣言にともない、恐らく出版時期にも影響が生じると思われます。はっきりした情報が入手できたところで、Twitterなどでアナウンスしたいと思います。

非常に残念なことですが、しかたがありません。

しかし、自分が現在できるのはきちんと初校ゲラを読むことですから、きちんと初校ゲラを読んでいきましょう!

◆『数学ガールの秘密ノート/複素数の広がり』(アマゾン)
https://www.amazon.co.jp/dp/4815606021/?tag=hyuki-22

◆『数学ガールの秘密ノート/複素数の広がり』Web立ち読み版
http://ul.sbcr.jp/MATH-AFP7o

* * *

セール情報の話。

『第3版 暗号技術入門 秘密の国のアリス』の電子書籍が各電子書店で半額キャンペーンを行っています。

◆暗号技術入門(アマゾン)
https://www.amazon.co.jp/dp/B015643CPE/?tag=hyuki-22

また、結城浩のアイコン「スレッドお化け坊や」をデザインした「Tシャツ」や「トートバッグ」や「パーカー」などが600円引きセールになっています。

◆結城浩のグッズ販売
https://suzuri.jp/hyuki0000/

ぜひ、この機会をご利用ください。

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家で学ぶ話。

「いえで過ごそう」というメッセージが出ています。

それに合わせてさまざまな会社や組織が「家で学ぶ」ための情報を提供していますね。

たとえば、「NHK for School」ではEテレの教育番組や動画クリップをたくさん提供しています。

◆NHK for School
https://www.nhk.or.jp/school/

誠文堂新光社は、「子供の科学」一年分のバックナンバーを無料公開しています。期間が5月6日まで延長されました。

◆子供の科学 - 一斉休校により家で過ごすみなさんへ 子供の科学 無料公開 特設サイト
https://www.kodomonokagaku.com/20200305/

小学館は、学習マンガ「小学館版学習まんが 少年少女日本の歴史」を期間限定で無料公開しています。

◆少年少女日本の歴史
https://kids-km3.shogakukan.co.jp/

また、東京工業大学の加藤文元先生が、「#数学しよう」というハッシュタグで、それぞれの数学の楽しみ方を語り合おうという呼びかけを行っています。こんな時期なので、数学を楽しみましょうという呼びかけですね。

https://twitter.com/FumiharuKato/status/1248989288789716993

◆数学しよう
https://bit.ly/2JYLV3t

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習いごとの話。

そういえば、結城はいわゆる「習い事」ってしたことありません。小さいころに姉がピアノを習うときに自分も習いたいと言ったけど、たぶん予算の関係で却下された記憶があります。特に気にはしていないけど、習ってたらたぶんピアノうまくなってたと思うなあ。

父親は中学校の教師だったから、個人的に教えてもらうことは日常的によくありました。テキストを使って教えるという座学の機会は少なかったけれど、日常の団欒の中でのおしゃべりは、いまにして思えば非常にすぐれた講義がたくさんあったと思います。

そのときの父との対話で得られた感覚は、現在の「数学ガール」執筆に多大な影響を与えていますね。端的にいえば「教師は、何を考え、どこに目を配っているか」を教えられたように感じます。

……という話が好きな方はこちらをどうぞ。教師の父の思い出話がたくさんあります。

◆父から学んだ「教える」ということ
https://mm.hyuki.net/m/med8d57103df4

◆父の思い出- TK-80 -
https://www.hyuki.com/dream/tk80.html

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では、今回の結城メルマガを始めましょう。

どうぞごゆっくりお読みください。