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Vol.079 結城浩/熱いバトル/再発見の発想法/Q&A - 大学をまちがえた/
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Vol.079 結城浩/熱いバトル/再発見の発想法/Q&A - 大学をまちがえた/

2013-10-01 07:00
    Vol.079 結城浩/熱いバトル/再発見の発想法/Q&A - 大学をまちがえた/

    結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2013年10月1日 Vol.079

    はじめに

    おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。

    朝晩めっきり寒くなりましたが、昼間は逆に暑いくらいです。 もう10月ですものねえ……。

    先日、以下のようなおもしろいページを見かけました。

     ◆「もし地球に「土星のような輪があったら」世界の各都市から見える風景」
     http://japan.digitaldj-network.com/articles/18372.html

    「地球に土星の輪があったら」という発想もすばらしいのですが、 それを実際に視覚化してしまうところがすごいですね。

    上記の紹介ページからたどってYouTubeの動画を見ると、 土星の輪があったとしたら、各地からどのように見えるかが、 わかりやすく説明してありました。緯度によって見え方が違い、 ある場所では空にまっすぐ立つ直線のように見え、 またある場所では帯のように見え、 さらには地球の影によってゆがんだ形のように見え……と、 たいへん理系心と想像力を刺激されました。

    「もし○○だったら」という一つの仮定から、 こんなに豊かなものが生まれるのですね。

     * * *

    別の話。

    ちょうど一週間前、CodeIQで出題していた「ナムドット問題」の〆切がきて、 解答者へ評価のフィードバックと解説を送りました。

     ◆CodeIQへ挑戦しよう!
     http://www.hyuki.com/codeiq/

    びっくりしたのは挑戦者が「ちょうど256人」だったことです。 プログラマにとっては256というのは切りの良い数なのです。 なぜなら、8ビットで表現できる数がちょうど256個あるから。 言い換えれば256は2の8乗(2×2×2×2×2×2×2×2)だからです。

    問題文は52行からなる文字列をもとにして、 途中の破損している20行を復元するというものでした。 正解にたどりついたのは挑戦者256人の半分弱、121名でした。 送ってくださったみなさんの感想を読んでいると、 それぞれに楽しんでくださったようで、うれしいです。

    今回の問題も、いつも結城が出す問題と同様に、 複数の解き方・複数の考え方が可能なようにアレンジしています。

    おもしろいもので、人間は一つの方法で答えがでると、 違う発想で新しい答えを出すことがなかなかできないのです。 さらには、自分の考えた一つの方法で答えまでたどりつくと、 「その方法がもっとも自然でわかりやすい」という錯覚も起こすようです。

    そのため、結城が解答者に送る解説には、 他の方が問題に取り組む様子や、解決にいたった道筋も書くようにしています。

    そうすると、それを読んだ解答者は、

     「なるほど、こんなふうにも考えられるんだ!」

    と驚きつつ楽しむことができますよね。 特に、問題を解くためにたくさん頭を絞った後ですから、 他の人の答えをちらっと見ただけですぐに「なるほど!」と理解することができます。 拙著『数学文章作法 基礎編』の第6章にも書きましたが、 問題に答えようとして活性化した頭なら理解できることがあるものなのです。

    何人かの方から「結城さんはCodeIQで出題している問題を本にしないのですか」と 問い合わせをいただきました。ぜひ、本にしたいんですよ! いろいろ準備をして、進め方を考えているのですが、 なかなか時間をそちらにかけることができずにいます。

    書きたいことがいつもたくさんあるのはしあわせなことですね。 がんばってせっせと本を書かなくちゃ。

     * * *

    別の話題。

    Twitterでよく「数学ガール」を検索するのですが、 ときどき「数学科だから数学ガール読む」というツイートと、 逆に「数学科だから数学ガールは読まない」というツイートと、 その両方のパターンを見かけます。 どちらのお気持ちも、少しわかります。

    「数学科だから数学ガールは読まない」という方は、 おそらく「数学科なんだから、啓蒙書ではなく専門書をがっちり読まなくては」 という心意気でおられるのだと思います(念のために書いておきますが、 結城はもちろんそれを批判しているわけではありません)。

    そうしたら数学科を卒業なさったある方(@wed7931 さん)が、 以下のようなツイートをなさっていました。

     数学科卒業後に「数学ガール」が発売されて、
     最近読んだ自分としては、「在学中に読んでおきたかった」という感想。
     でも、在学中なら、「数学科だからこそ、数学ガールは読まない」って言ってる気がする。
     https://twitter.com/wed7931/status/382529253213888513

    なるほど、なるほど。 なかなか難しいものですね。 いずれにしても、多くの方が「数学ガール」に関心を寄せてくださるのは、 とてもありがたいと思っています。

     * * *

    刊行された『数学ガールの誕生』には公立はこだて未来大学の先生方との ディスカッションが収録されています。 先日、未来大の先生から、 「未来大の生協ではこんなふうに『数学ガールの誕生』が宣伝されてます!」 と写真が送られてきました。

     ◆公立はこだて未来大学生協

    BVE8tT6CcAAXGU3.png

    POPの中には、

     「数学ガールの結城浩と公立はこだて未来大学・教授陣との熱いバトルが始まる」

    というアオリ文句が書いてあります……楽しいですね!

     * * *

    cakes(ケイクス)は「数学ガールの秘密ノート」をWebで連載しているサイトです。 先月(2013年9月)ケイクス一周年ということでした。 結城の毎週の連載は今週で第49回になります。一年は52週ですから、 ケイクスのほんとうに初期の段階から連載を継続してきたことになりますね。

    先日、ケイクス一周年の企画のために『数学ガールの秘密ノート/式とグラフ』に サインをしに行ってきました。おそらく読者さんへのプレゼントになると思います。 ケイクスさんは、一年前の連載開始時に打ち合わせしたオフィスよりも ずっと広いところに引っ越しをなさっていました。 プラットホームを開発しているところもちらっと見せていただいたのですが、 若い人がたくさん熱心に議論&開発をしており、たいへん活気のあるオフィスでした。

    CodeIQさんにしろ、ケイクスさんにせよ、 結城がお仕事で関わった方や会社が盛り上がっているのは、 とてもうれしいものですね。 微力な私でもちょっぴり貢献できたかしら……と、思ってしまいます。

     * * *

    さて、そろそろ結城メルマガを始めましょう。 今回のメインコンテンツは技術評論社Software Design誌とのコラボ企画、 「再発見の発想法」です。 PDFでお送りしますので、ダウンロードしてお読みください。

    それではどうぞお楽しみください!

    目次

    • はじめに
    • 再発見の発想法 - Critical Section(クリティカルセクション)
    • Q&A - まちがった大学に来てしまった
    • 次回予告 - 数学文章作法
     
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