Vol.108 結城浩/数学文章作法 - 推敲を終えるとき/二週間note(ノート)を使って/参考書の集め方/

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2014年4月22日 Vol.108

はじめに

おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。 いかがお過ごしですか?

 * * *

いよいよ今週『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』が刊行になります。 サイン本は少し先行販売になりますが、 『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』は都内書店では4月23日ころから、 それ以外では4月24日ころから店頭に並ぶようです。 日付は書店さんの状況により前後しますので、詳細は各書店さんにご確認ください。

それにしても、この「丸い三角関数」をWeb連載していたのは、 昨年2013年3月〜5月のこと。一年経ってようやく書籍にすることができました。 感激です。ずっと応援してくださっているみなさんに感謝です。

cakesでのWeb連載は10回ごとに書籍化を考えていて、 春と秋に刊行していく予定でいます。 そろそろ秋の刊行に向けて第四弾の「数列の広場」(仮題)を原稿整理していかなくては。

仕事があるのはありがたいこと。読者さんがいらっしゃるのはうれしいことです!

 * * *

結城はCodeIQというサイトでITエンジニア向けに問題を出しています。 前回の《暗号解読クリプタン問題》は難易度を誤って解答者が極端に少なくなってしまいました。

幸い、現在進行中の《スペーストーキー問題》は順調に挑戦者が増えて、 現在347名になりました。多数の参戦に感謝します。

興味深いのは、前回に比べて今回の問題が極端に易しく感じられるためか、 多くの挑戦者が、

 ・何か引っ掛けありそう。
 ・これで終わりのはずがない。
 ・さらに何かがあるはず。

というつぶやきをしているということ。 みなさま、疑心暗鬼です。

出題者である結城は、ヒントになりそうなことは言えないので、 引っ掛けがあるともないともコメントしませんが、 みなさんが同じようなつぶやきをしているのを興味深く読んでいます。

結城が問題を作るときには、 解答者が誤解をしないようにかなりしっかり問題文の推敲・校正をします。 公開にあたって問題文の編集作業をする人はいないので、 結城が書いた文章がそのまま挑戦者に届きます。 ですから、うっかりミスは御法度。 結城のミスがたくさんの方の多大な時間を奪ってしまうことになりかねないからです (ちょうど今日お送りする「数学文章作法 推敲編」に通じる話です)。

問題の意味を誤解させないように明確に書いていながら、 楽しく読めて、問題を解いているときも味気なくないようにし、 しかも、問題として成立する難しさを持つ……というのは、 言うは易く行うは難しというものです。

でもそれに毎回チャレンジするのが結城は大好きです。

CodeIQでの出題は何ともいえない知的刺激に満ちています。

いつも「次はどんな問題にしようかな!」と楽しく考えているのです。

実はプログラミングの世界には「競技プログラミング」というジャンルがあり、 世界中でいろんなサイトが「競技プログラミング」を開催し、 オリンピックさながらの対決が行われています。

CodeIQで結城が出題しているのはそういう対決 (いわゆる、ガチンコ対決?)とはちょっと違っていて、 かなり「ゆるい」問題かもしれません。 プログラミングを始めてそれほど日が経っていない人でも、 まずは参加して楽しみ、解答して学べるように心がけています。

今回の《スペーストーキー問題》の〆切は、2014年4月28日(月)。

もしあなたがプログラミングをする方なら、 チャレンジしてみませんか?

 ◆CodeIQ《スペーストーキー問題》
 https://bit.ly/spacet

 * * *

さて、そろそろ結城メルマガを始めましょう。

今回は「数学文章作法」をPDFでお送りします。 第8章「推敲を終えるとき」です。

それから「文章を書く心がけ」のコーナーでは、 新しいサービスnote(ノート)を二週間使ってみての感想。 ノートは実際に「売れる」ものなのかという話題です。

そして「Q&A」のコーナーでは、 執筆する際の「参考書の集め方」についてお話しします。

それではどうぞ!

目次

  • はじめに
  • 数学文章作法 - 推敲を終えるとき
  • 二週間note(ノート)を使ってみて - 文章を書く心がけ
  • Q&A - 参考書の集め方
  • おわりに