結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2016年1月5日 Vol.197
はじめに
あけましておめでとうございます。
今回は2016年最初の結城メルマガです。
本年もよろしくお願いいたします。
結城はファイル名に日付を使うことが多いのですが、 今年に入って何回も、
2015……おっとっと、違う違う。
もう2016なんだった!
というタイプミスをしています。 今日はすでに三回くらいまちがえていますね。 くりかえし、2015と書きかけて2016に書き直しています。
年が明けても、手はまだ昨年のままなのでしょうか。
* * *
新たな気持ちの話。
新年になると何だか気分が改まる。
新しい何かを始めたくなる。
新年、まずやったのはiPhoneのホーム画面のアイコン配置を整理したことでした。 え、ええと……発想小さいですかね!
でも、意外に、アイコン配置を整理すると気持ちが一新します。 きっと一日のうちホーム画面を眺めている時間が長いからでしょうか。
ついでに、最近使ってなかったアプリを削除し、 使用頻度の低いものをまとめ、適当にアップデートも行いました。
これまでiPhoneの壁紙には、 ニューヨークで撮影したグーテンベルク聖書の写真を使っていたのですが、 すっきりした抽象画に変えてみました。さらに気分一新。
この感覚って大掃除と似ていますね。
* * *
とても嬉しかったツイートの話。
『数学ガール』の中には「フィボナッチサイン」 というハンドサインが登場します。 仲間が1,1,2,3と指を出したら、それに5で応えるというもの。 これはフィボナッチ数列から作ったものです。
このフィボナッチサインをテーマにして、 南部晃史さん(@Ackey_pp)が作成した歌があります。 さらにその歌にUTWorksさん(@u2rks)が動画を作成しました。 それがこちら。
◆【初音ミク】フィボナッチサイン【数学ガール】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm27652317
そして、John114さん(@e_john114)が2015年末の最後の授業で、 生徒さんに数列クイズを出し、 このフィボナッチサインの歌と動画を試聴させたというツイートがこちら。
https://twitter.com/e_john114/status/680198466518159360
授業のたのしい様子が伝わってきて、結城は感激してしまいました。 子供達の声が聞こえそうです。
フィボナッチ数列があって、 結城が『数学ガール』という本を書いて、@Ackey_pp さんが曲を作って、 @U2rks さんが動画を作って、@e_john114 さんが授業で使って、 そして、生徒たちが数学を楽しむ。これがすごく、すごく嬉しい!
* * *
ゲームの話。
何だか気がつくと毎回ゲームの紹介しているみたいですね。
それはさておき、最近のお気に入りパズルゲームはBeat Sneak Banditです。 これは「屋敷に忍び込んで時計を集めてゴールする」というゲームになります。 見張りのガードマンをかいくぐり、時計を集めます。
◆Simogo AB「Beat Sneak Bandit」(スクリーンショット)
設定によれば、Duke Clockface(という名前の敵)が世界中の時計を盗んだので、 それをBeat Sneak Banditが取り返すというゲームのようですね。
パズルゲームというと、隠された謎を解くとか、 画面のオブジェクトを動かして目的の形にするとか、 表示されたもの同士を線で繋ぐとか、 何らかの形で提示されている迷路を通り抜けるとか、 いろんなパターンがあります。
Beat Sneak Banditは、 障害をくぐりぬけてゴールに至るという意味では迷路に近いのかな。 でも、このゲームならではの「ひねり」があります。 それは「リズムに乗ってタップしないと、キャラクタが前に進まない」 という「ひねり」です。
ゲームは最初から一定間隔でビートが刻まれていて、 キャラクタを動かすためには、 それに合わせてタップする必要があります。 ガードマンの横をすり抜けるときも、 急げばいいというものではなく、 冷静で等間隔のタップが求められます。
これがおもしろいのは、ゲームしているうちに、 ダンスを踊っているような感覚になる点。 ビートに乗ってゴールしたときの達成感は格別です。
◆Simogo AB「Beat Sneak Bandit」
https://itunes.apple.com/jp/app/beat-sneak-bandit/id473689550
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「?!」の話。
辞書編纂のお仕事をしている飯間浩明さん(@IIMA_Hiroaki)が、 「?!」と「!?」はどちらが一般的か、というツイートをしていました。
◆「?!」と「!?」はどちらが一般的か。
https://twitter.com/IIMA_Hiroaki/status/675126136830099456
このツイートによれば、
ツイッターで“What's this”を含む過去6時間の投稿を検索してみると、
「?!」は26例、「!?」は8例で前者が多い。
とのこと。また、日本の文章では「!?」が多数派とのこと。
結城も気になったので、自分の原稿を検索してみました。 「数学ガール」と「数学ガールの秘密ノート」二つのシリーズ、 現行の11冊ぜんぶを調べたところ、「?!」は19個で「!?」は12個でした。
眺めた感じでは、登場人物の「疑問の意識」が先に立つと「?!」になり、 「大きな声を出す意識」が先に立つと「!?」のように見えました。 でも、あまりきちんとは使い分けてはいないようです。
なお、これは結城の手元にある原稿ファイルで調べたものなので、 出版される段階で変更や統一されている可能性もあります。 私自身はどちらでなければいけないとは特に思っていないので。
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それでは、今週の結城メルマガを始めましょう。
今回は、ちょっとあらたまった話題が多めかも。
どうぞ、少しずつお読みください。
目次
- はじめに
- 育休の話題から思うこと
- 老人対若者という図式から思うこと
- スター・ウォーズの思い出
- 「結城さんは偽善者です」というメール
- おわりに