用語説明:【クラウド(cloud)】
クラウド・コンピューティング(cloud computing)の略称。データやアプリケーションなどを、自社や自分自身で保有する手元のコンピューターで保有・管理するのではなく、インターネットの中に置いて使う仕組みや考え方のこと。ネットワークの仕組みを絵で表すとき、インターネットは「雲」の形で表現されることが多いため、「雲のコンピューター」と名づけられた。また、2006年に、グーグルの当時の会長だったエリック・シュミットが「クラウド・コンピューティング」という言葉を講演で使ったことが最初と言われている。
この考え方そのものはかなり以前から構想されていたが、ネットの信頼性向上や、ユーザーがストレスなく使えるブロードバンドの普及などにより環境が整ってきたため、可能になったとされる。
解説
クラウドの利点
従来、企業がデータ管理を行う場合は、自社でサーバーや管理システムを準備し、開発・設計や、保守・管理を行うのが通常でした。これに対し、クラウドサービスは、企業がサービス提供側に利用料金を払うことでインターネット上で同様の仕組みを利用することができるものです。そのため、システム開発・保守や、データ管理の手間を削減できるだけでなく、一般的に自社で用意するよりも大幅にコストを抑える事が可能です。
また、必要に応じて規模の拡大・縮小や中断なども行いやすい点、またクラウドサービス側で常にバージョンアップ等が管理される場合も多く、そのようなサービスではシステムが陳腐化せず、常に最新のバージョンのアプリケーション・ソフトウェアが利用できる点もメリットに挙げられます。
さらに、データをクラウドに保存することで、ユーザーはネットワークに接続すれば、場所を問わず自社のデータにアクセスすることも可能になります。スマートフォンの普及により、常時インターネット接続が可能になった今、クラウドサービスの利便性はより上がっていくものと考えられています。
クラウドの課題
一方でクラウドの問題点として、クラウド提供側のネットワーク障害などによるデータ消失リスクや、倒産、サービス終了等により利用が継続できなくなる可能性が挙げられます。
2012年6月には、レンタルサーバー会社「ファーストサーバ」で5,000社を超える契約会社のデータが消失される事故が発生、クラウドにデータを預けることの危険性が改めて露呈されました。このような事故で企業にとって事業の根幹となる資産であるはずの「顧客データ」や、「予約システム」等を失ってしまうと、日常業務に支障をきたすどころか、経営そのものが不全状態に陥ってしまうケースも考えられます。
また、クラウドサービスはハッカーの格好の攻撃の標的となるため、個人情報を含む顧客情報や経営情報の流出リスクも指摘されています。
クラウドを利用する際には、まずは信頼できるサービス提供会社を選択すること、そして自己責任において適切なバックアップをし、クラウドへの過度な依存状態にならないようコントロールすることが重要です。
ソーシャル・モバイルが加速させた「ビッグデータ化」
「クラウド」を語る際のもう一つの側面として欠かせない点が、ソーシャル・モバイル(スマートフォン)の普及によりデータ量が急激に増大、クラウド上にビッグデータが蓄積され続けているという事実です。現在インターネット上を流れるデータの90%は、なんとこの2年以内に生成されたものであり、2年毎にほぼ倍増、5年後には現在の10倍、10年後には50倍にも膨らむと言われています。
そして、これらクラウドに蓄積されているデータは、従来のコンピューターが得意とする数値的な「構造化データ」ばかりではなく、ウェブページやサーバーへのアクセスログや、ソーシャルネットワーク上のコメント、写真、動画のような、コンピューターが管理できない、処理しにくい「非構造化データ」が大半を占めているとされています。
企業のマーケティングにおいては、従来より管理してきたDBにこれらクラウド上にある自社に関する「ビッグデータ」を統合し、より精度の高いマーケティングプランを設計することが期待されます。また、これらのデータ分析を行える人材の確保が急務となるでしょう。
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イラスト:速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、
デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。
広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!
公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ
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■元記事
http://smmlab.aainc.co.jp/?p=13702
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