オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第125回 冬を生きながら春を待つ女達のウラガワ(2)


◆もくじ◆

・冬を生きながら春を待つ女達のウラガワ(2)

・最近の志麻子さん
 TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
 1/22(日)「オメ★コボシ37」開催
 3月に台北ツアーが開催
 「岩井志麻子のおんな欲」連載中
 「岩井志麻子の千夜玩具物語」連載中
 カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
 MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

・著者プロフィール

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東南アジアを愛する岩井さん。
常夏の国で出会った、冬を生きながら春を待つ女達について綴ります。

ベトナムのホーチミンで暮らす、駐在員夫人の蓮子。
裕福で優雅な生活のはずなのに、いつもぐでんぐでんに酔っぱらって男性に絡んでいる。
不倫・浮気願望ばりばりなのだ。
岩井さんの愛人Vと三人で飲んだとき……

バックナンバーはこちらから↓
http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

2014年11月「「そんなプロもありか」な人達のウラガワ​
12月「「殺人者」たちから聞いたウラガワ
2015年1月「「大人の冬休みの日記」なウラガワ
2月「「大人の冬休みの日記のつづき」なウラガワ
3月「ベトナム愛人との旧正月のウラガワ
4月「春の喜怒哀楽のウラガワ
5月「韓国人夫の失踪届けを出したら……のウラガワ

6月「ホラー作家まわりの怪異のウラガワ
7月「異国の夏休みのウラガワ
8月「そろそろ怖い目に遭う予感のウラガワ
9月「秋風に謎めく過去のウラガワ
10月「人生の秋を生きる女達のウラガワ
11月「「結婚」に振り回される女達のウラガワ
12月「出版業界の仕打ちのウラガワ」ほか
2016年1月「会えなかったけど気になる女たちのウラガワ
2月「接点がないのに気になる人たちのウラガワ
3月「嘘をつかずにいられない人たちのウラガワ
4月「春のおかしなお便りの数々のウラガワ
5月「距離感のおかしい人たちのウラガワ
6月「台湾から連れてこられたある女性のウラガワ
7月「大人の夏の観察日記のウラガワ
8月「大人だからわかる怖い話のウラガワ
9月「『志麻子のヤバモンGO』なウラガワ
10月「取り返せない夏の思い出のウラガワ
11月「常夏の国で生きる女の秋のウラガワ

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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

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 2002年の年明けに初めてベトナムへ行き、今も続いている愛人Vに出会った。彼との出会いは、本当に私の人生および人生観を変えた。

 彼との性愛を書いた小説が賞をもらって映画化もされたし、それ以降は私の書くものも性愛をテーマにした作品が多くなった。そして、南国を舞台にすることも増えた。

 ベトナム以外の南国にも興味を持ち、最近はベトナムへは台湾経由で行くようになった。
 来年3月には、岩井志麻子と行く台湾ツアーなんてのも予定されている。

 先月は、真夏の国にいながら秋を生きる女達、といったテーマで書いたが。今月は、常夏の国で冬を感じさせながらも春を待つ女達、というのをテーマにしている。

 現地の女達は本人を特定しづらいのでけっこうありのままに書いているが、日本人を登場させるときは仮名にして設定や人物造形を変更、脚色しているのをおことわりしておく。

                    ※


 ホーチミンに暮らす蓮子さんは、「いいね~、すべてに恵まれて」と誰もがうらやましがる境遇にあった。

 都内の裕福なお家に生まれ育ち、有名女子大を卒業する頃にお坊ちゃまエリートとお見合い結婚。夫とともにヨーロッパに渡り、パリとロンドンで娘と息子を産んだ。
 その後も海外の各地を転々とし、数年前からベトナムはホーチミンに駐在。
 五つ星ホテルみたいなセキュリティーも付属施設も万全のマンションで、数人のメイドさんにすべて家事はまかせ、お子さん達は現地の日本人学校に通う。
 童顔でぽっちゃり気味だが、洗練された高価なものを身に付けて物腰もお上品で優雅だから、全体的にいい女の雰囲気を漂わせている。

 しかし。私はけっこう前から蓮子さんとは知り合いなのだが、いつ会っても彼女は日本人駐在員向けの高いバーでぐでんぐでんに酔っぱらって、日本人男性客にからんでいた。
 もしくは、日本人も含めて外国人観光客ばかりのレストランやカフェで、日本人男や白人男を逆ナンしようと酒を勧めながらデレデレしているかだ。

 この描写ですでにいろいろ気づかれただろうが、蓮子さんは日本人もしくは英語の通じる白人がいる値段の高い店しか行かず、現地のベトナム庶民とは交わろうとしない。そして不倫、浮気願望ばりばりだ。