オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第160回 捨ててもいいじゃないかのウラガワ(1)
◆もくじ◆
・捨ててもいいじゃないかのウラガワ(1)
・最近の志麻子さん
12/16(土)「オメ★コボシ40」開催
太田出版よりイヤミス『嘘と人形』発売中
角川ホラー文庫より『現代百物語 不実』発売中
TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
「岩井志麻子のおんな欲」連載中
カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中
・著者プロフィール
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あっと言う間に12月。
今月のテーマは、「捨てる」です。物を捨てる、恋人を捨てる、過去を捨てる……。
岩井さんがある時点までどうしても捨てられなかったのは「本」。
その中には、読みたくて買ったのではない、いろいろなところから贈呈されてくる本もある。
なかなか捨てられなかったが、あるとき「人生を変えた」本に出会った。
(送られてきて良かった本もご紹介!)
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2014年11月~15年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2016年1月「会えなかったけど気になる女たちのウラガワ」
2月「接点がないのに気になる人たちのウラガワ」
3月「嘘をつかずにいられない人たちのウラガワ」
4月「春のおかしなお便りの数々のウラガワ」
5月「距離感のおかしい人たちのウラガワ」
6月「台湾から連れてこられたある女性のウラガワ」
7月「大人の夏の観察日記のウラガワ」
8月「大人だからわかる怖い話のウラガワ」
9月「『志麻子のヤバモンGO』なウラガワ」
10月「取り返せない夏の思い出のウラガワ」
11月「常夏の国で生きる女の秋のウラガワ」
12月「冬を生きながら春を待つ女達のウラガワ」
2017年1月「自分を重ねてしまう若者たちのウラガワ」
2月「冬に聞いた奇妙な怪談のウラガワ」
3月「春のさなかに聞いた怖い話のウラガワ」
4月「木の芽時な人達のウラガワ」
5月「五月だけどさわやかになれない人たちのウラガワ」
6月「面識なしでも喜怒哀楽を喚起する人々のウラガワ」
7月「ほんのり怖い人達のウラガワ」
8月「真夏なのに秋の予感な有名人たちのウラガワ」
9月「私が見たテレビの中の人のウラガワ」
10月「大人だけど枯れるには早い人たちのウラガワ」
11月「年下韓国人夫とのアジア旅のウラガワ」
※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。
2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ/ソウルの新愛人のウラガワ/風俗嬢の順位競争のウラガワ/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ/「大人の夏休みの日記」なウラガワ/その道のプロな男たちのウラガワ
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ついに今年も終わりか~。でも私は十二月に誕生日があるから、一つ歳を取るという新しい月でもあるのね。本人は古びていくばかりだが。
ともあれ、師走。クリスマスに忘年会、いろいろにぎやかな月だ。新年を迎える準備もある。ずぼらな私も、大掃除しようと決めて結局は小掃除てな感じになるのも恒例。
断捨離って言葉が流行ったのは、いつ頃からか。確かに、不要なものを捨てるのって心もすっきり片付く。しかし女性誌のけっこうな定番ネタとして、
「一番捨てたいものは何かとアンケートを取ったら、ダントツで『夫』だった」
というのがある。私は今のところ、二度目の今の夫を粗大ゴミにするつもりはないけれど。捨てるもの、不要なものって物品には限らない。
そんな今月は、「大掃除でなくても、これは捨てよう」というテーマでお送りする。
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私は職業が作家になってしまったほどだから、もちろん本が好きなのであるよ。親も趣味が読書で、物心つく頃から家にたくさんある大人の本も読んでいた。
離婚して一人で上京することになった際も、結婚生活十年でたまった本はすべて子ども達にと置いてきた。もちろん子ども達も、本好きとして育った。
何も持たずに上京し、初めて一人暮らしの部屋を借りた日、何をおいても真っ先に本棚を買った。当時、金も友達も何もなかった私には、本は最大の楽しみで拠り所だった。
ホラー大賞をいただいて初めてハードカバーの単行本を出してもらい、その本棚に納めた瞬間、これで自分は作家としてやっていけるとも信じられた。
賃貸ではなく初めて自力で家を買ったときも、まずは本棚を増やした。いつか一つの本棚すべてを、自分の著作で埋め尽くしたいと思った。
そんな私だから、古くなった服や靴、使わない家電やダメ男などもばんばん捨てられるのに、本は一冊も捨てられなかった。
狭い賃貸の部屋で本棚が一杯になると、段ボールに詰めて岡山の実家に送った。実家の本の量はすごいことになったが庭に物置もある一軒家だから、相当しまう場所はある。
しかし今の分譲マンションに十五年も暮らせば、かなり本で圧迫されるようになった。さすがに週刊誌や漫画雑誌は、ため続けてもどうにもならないので古新聞と一緒に処分できるが、どうしても単行本や文庫本はできないのだ。
その中には、私が読みたくて買ったのではない本もけっこう含まれている。
いろんな出版社から、贈呈本がよく届けられるのだ。あと、担当者から資料として送られてきたりもする。それはありがたいことだし、読みたかった本なら心躍る。
見知らぬ著者のまったく興味がないジャンルの本だと、「いつか読むかも」と、とりあえず本棚にはしまうが、そのまま一行も読むことなく十年の歳月が流れたりするのだ。
さて。多くの人に、「人生を変えた一冊」というものがある。この本で人生観が変わった、この本によって将来を決めた、この本を読まなければ私は今の生き方をしていない、それほどまでに影響を与えた本だ。
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