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第183回 怪談の季節! ゾッとする実話なウラガワ(3)
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第183回 怪談の季節! ゾッとする実話なウラガワ(3)

2018-07-31 22:30

    オンナのウラガワ ~名器大作戦~
    第183回 怪談の季節! ゾッとする実話なウラガワ(3)


    ◆もくじ◆

    ・怪談の季節! ゾッとする実話なウラガワ(3)

    ・最近の志麻子さん 
     8/5(日)「オメ★コボシ42」開催
     角川ホラー文庫より『現代百物語 終焉』発売
     夏に某大型映画スピンオフドラマに出演予定
     河崎実監督映画に出演予定
     TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
     「岩井志麻子のおんな欲」連載中
     カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
     MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

    ・著者プロフィール

    ===

    怪談の夏!
    今号は、岩井さん自身が大阪のスナックで体験した、ゾッとするエピソードをお届け。
    繁華街にあるその店は、セクシャルマイノリティが主な客層だった。
    どの客とも楽しく飲んでいた岩井さんだが、一人だけちょっと苦手な人がいた。
    大ちゃんと呼ばれるその男のことを、岩井さんはゲイだと思っていたのだが……。


    バックナンバーはこちらから↓
    http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

    2014年11月~16年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
    2017年1月「自分を重ねてしまう若者たちのウラガワ
    2月「冬に聞いた奇妙な怪談のウラガワ
    3月「春のさなかに聞いた怖い話のウラガワ
    4月「木の芽時な人達のウラガワ
    5月「五月だけどさわやかになれない人たちのウラガワ
    6月「面識なしでも喜怒哀楽を喚起する人々のウラガワ
    7月「ほんのり怖い人達のウラガワ
    8月「真夏なのに秋の予感な有名人たちのウラガワ
    9月「私が見たテレビの中の人のウラガワ
    10月「大人だけど枯れるには早い人たちのウラガワ
    11月「年下韓国人夫とのアジア旅のウラガワ
    12月「捨ててもいいじゃないかのウラガワ
    2018年1月「命や生きることについて考えたウラガワ
    2月「人はなかなか変わらないのウラガワ
    3月「きれいに卒業できない女たちのウラガワ
    4月「新たな出会いの不気味なウラガワ
    5月「良い季節でも人は病むウラガワ
    6月「『有名な男の女』だった二人のウラガワ


    ※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

    2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
    2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

    ===

     子どもの頃から七月が待ち遠しかったのは、夏休みもさることながら大好きな怪談の季節だからだ。夏というのは六月から八月だが、なんとなく私の感覚では六月はまだ前哨戦、八月はもう終盤戦、なんたって七月が準決勝や決勝戦なのだった。

     今はテレビや映画を待たなくても好きなときにDVDも借りられるし、古今東西の動画も自宅でいろいろ検索して鑑賞できる。それでも私は、七月の身近な実話怪談が好きだ。

                        ※

     大阪の繁華街にあるその店は、一見するとどこにでもあるスナックに見えた。私と同世代のママは、いかにも大阪のオバちゃんといった見た目で、よく笑う楽しい人だ。

     ただ、この店は一風変わっていた。女好きの男、カップル、そういった客もいないことはないが、ほとんど見かけない。

     ゲイにレズビアン、性同一性障害、男女どちらとも愛しあうバイセクシャル等々、セクシャルマイノリティ略してセクマイという、性的少数派ばかりが客なのだ。

     ママ自身は異性愛で、二度の離婚歴があって今は独身。大柄で、くっきりした彫りの深い男顔。元々のハスキーボイスに加えて酒と煙草で喉が荒れ、男みたいな声だ。服装も原色使いで派手派手しく、正真正銘の女なのにしょっちゅうニューハーフに間違えられる。

     だから若いときは開き直って、ゲイバーでバイトしていた。そのときゲイ達と仲よくなり、セクマイの人達との人脈ができた。だから独立して自分の店を持ったとき、かつての客達がこっちに来てくれるようになったのだ。

     私は年に何度か大阪に行くが、そのときは必ずママの店に寄る。そしてどの客とも楽しく飲むのだが、一人だけちょっと苦手な人がいた。

     ママにも他の常連客にも、大ちゃんと呼ばれていた。最初は大ちゃんもゲイかと思った。小太りで小柄で、あまり表情が変わらない丸顔の一重まぶた。

     童顔といえば可愛らしい響きで大ちゃんも可愛いと思われそうだが、なんというか年齢不詳といった方が近い。何を考えているかわからない、静かな不気味さが漂っていた。後から知るが、彼も私と同世代だった。

     初めて会ったとき、彼は私をテレビで見て知っているといい、カウンター席に座っていた私の後ろに回ると、いきなり胸を揉んできた。
     そのときママは他の客としゃべっていて、大ちゃんの行為を見てなかった。
     
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