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第294回 夏といえばの怖い話・奇妙な話のウラガワ(3)
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第294回 夏といえばの怖い話・奇妙な話のウラガワ(3)

2021-08-31 23:45

    オンナのウラガワ ~名器大作戦~
    第294回 夏といえばの怖い話・奇妙な話のウラガワ(3)

    ◆もくじ◆

    ・夏といえばの怖い話・奇妙な話のウラガワ(3)

    ・最近の志麻子さん 
     映画『遊星王子2021』に出演 8/27から公開中!
     【配信版】月刊オメ★コボシ 9月号  9/22(水)開催
     『プロが解決!オトナLab.』でお悩み募集中
     『でえれえ、やっちもねえ』角川ホラー文庫より発売中
     万年アクリルカレンダー再販中
     TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中

     カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
     MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

    ・著者プロフィール

    ===

    夏はやっぱり怪談、怖い話を楽しみたい!

    ぞっとする、夫婦にまつわる2つの怖い話をお届け。
    五十を過ぎようやく安定した生活を手に入れた千春は、夫となった純一に話していないことがある。
    また、純一も千春に話していないことがあって……。
    洋子は、同い年の夫の隆と、二十五年以上の結婚生活を幸せに送っていた。一人息子の元気も素直な良い子である。だがある日、インターフォンを鳴らした男が伝えてきたこと、見せてきた画像は、思いもよらないことだった……。

    バックナンバーはこちらから↓
    http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

    2014年11月~19年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
    2020年1月「愛しい南国の怖い話のウラガワ
    2月「ひきつづき東南アジアの怖い話のウラガワ
    3月「どこか心残りの別れのウラガワ
    4月「未経験な世の中のあれこれのウラガワ
    5月「「あの人実は」「あの人やっぱり」のウラガワ
    6月「アマビエ的なものや人のウラガワ
    7月「怖い話をエンタメとして楽しみたいウラガワ
    8月「どこか楽しめる怖い話のウラガワ
    9月「エンタメとして味わいたい人の怖さのウラガワ
    10月「いい大人なのに未経験のウラガワ
    11月「まだ猶予があるのかもという気分のウラガワ
    12月「私なりに引っかかる物事のウラガワ
    2021年1月「ゆるく共存していくことを考えさせられるウラガワ
    2月「いつの間にか入り込む怖いもののウラガワ
    3月「もはや共存するしかないあれこれのウラガワ
    4月「変わらぬもの、変わりゆくもののウラガワ
    5月「子どもっぽい大人、大人になっても子どもな人のウラガワ
    6月「ドライになり切れないウェットな物事のウラガワ
    7月「ホラーの夏なので怖い怪談実話なウラガワ


    ※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

    2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
    2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

    ===

     子どもの頃から、八月といえば真夏で夏休み真っただ中で、さらにテレビや雑誌で怪談特集もしてくれて、ウハウハな季節だった。怪談に取って代わられたのが新型肺炎だ。これも怖い話ではあるが、怪談に不可欠な情緒がない。

     という怒りで今月は本来の怖い話を書いてきたつもりだが、なんとなく怖い怪談というより奇妙な話になってしまったか。今月のラストもそんな、もやもやした話になるか。

                        ※

     中古ではあるが、念願の庭付き一戸建てに引っ越せた。千春は五十を過ぎ、ようやく安定した生活を手に入れた。磨き上げたキッチンに立つだけで、満たされる。

     近所では若々しい奥さんと見られる千春が、崩壊した家庭に生まれ育ち、家出して路上で暮らしたこともあるなど、今の友人知人は誰一人知らない。三度の離婚を経たが、今の夫の純一は初めての殴らない男で、定職に就いている人だった。

     五十近くなって風俗店勤めが難しくなった以前に、千春は体も壊していた。近所の病院に通ううちに、売店の雇われ店長と親しくなった。

    「体が良くなったら、うちでバイトしたらどうかな。いつも、人手不足なんですよ」

     その店長が純一で、四度目の夫となったのだ。婚姻届けは純一が出しに行き、結婚式もしなかったので、本当に当人同士の結びつきだった。

     二人は過去や経歴を嘘で塗り固めてはいないが、かなりのところを黙っていた。

     
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