オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第295回 歳を取れば大人になれるわけではないウラガワ(1)
◆もくじ◆
・歳を取れば大人になれるわけではないウラガワ(1)
・最近の志麻子さん
『プロが解決!オトナLab.』でお悩み募集中
『でえれえ、やっちもねえ』角川ホラー文庫より発売中
万年アクリルカレンダー再販中
カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中
・著者プロフィール
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大人の雰囲気が漂う季節である秋。
いつしか都会も地方も、若く見られることが自慢や褒められることとなったが、とはいえその加減はなかなか難しい。
歳をとれば大人になれるわけではないというエピソードをお届け。
「俺って、熟女も好きなんだよ~」とのたまう中年や初老の男性は……。
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2014年11月~19年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2020年1月「愛しい南国の怖い話のウラガワ」
2月「ひきつづき東南アジアの怖い話のウラガワ」
3月「どこか心残りの別れのウラガワ」
4月「未経験な世の中のあれこれのウラガワ」
5月「「あの人実は」「あの人やっぱり」のウラガワ」
6月「アマビエ的なものや人のウラガワ」
7月「怖い話をエンタメとして楽しみたいウラガワ」
8月「どこか楽しめる怖い話のウラガワ」
9月「エンタメとして味わいたい人の怖さのウラガワ」
10月「いい大人なのに未経験のウラガワ」
11月「まだ猶予があるのかもという気分のウラガワ」
12月「私なりに引っかかる物事のウラガワ」
2021年1月「ゆるく共存していくことを考えさせられるウラガワ」
2月「いつの間にか入り込む怖いもののウラガワ」
3月「もはや共存するしかないあれこれのウラガワ」
4月「変わらぬもの、変わりゆくもののウラガワ」
5月「子どもっぽい大人、大人になっても子どもな人のウラガワ」
6月「ドライになり切れないウェットな物事のウラガワ」
7月「ホラーの夏なので怖い怪談実話なウラガワ」
8月「夏といえばの怖い話・奇妙な話のウラガワ」
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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ/ソウルの新愛人のウラガワ/風俗嬢の順位競争のウラガワ/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ/「大人の夏休みの日記」なウラガワ/その道のプロな男たちのウラガワ
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夏が若者の季節なら、秋は大人の季節の雰囲気が漂っている。
私なんかまさに人生の秋の真っただ中、もしかしたら晩秋か初冬にさしかかっているかもしれない。自分を若いとはいわないが、幼稚かもしれない、とは思う。
私が幼い頃は、岡山の田舎町に住んでいたこともあるかもしれないが、歳相応に落ち着いている人が良しとされた。歳より上に見られることは、賢くてしっかりしていると、むしろ自慢にし誉められることだったような。
いつから、都会も地方も、若く見られることが自慢や誉められることとなった。とはいえその加減はなかなか難しく、あまりに年齢とかけ離れた格好や言動をすれば若作りと笑われ、ときにはイタい勘違いと謗られもする。
というのをテーマにしてみる九月。全編、登場人物は仮名で、やや脚色もしてある。
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ときおり、ざっくり同世代、つまりアラフィフやアラカンの中年や初老の男に、
「俺って、熟女も好きなんだよ~」
などといわれるときがある。それは私を口説いているのではなく、軽いリップサービスのつもり、ちょっとしたお愛想や気遣いらしいが。
いわれて、まぁうれしい、私にもワンチャンあるかしら、とはならんわ。二十代、三十代前半くらいまでの男にいわれたら、それこそご機嫌取りとわかっていても、ちょっとドキッとしたりはするけどな。
「ちょっと待て。熟女も好きって、あんたもオッサンやんけ」
同世代の男にいわれたら、ムッとはしないがポカンとしてしまってたんだわ。そんな彼らは、二十代女性と対等に交際できると思い込んでいるのが常だ。
今夜は合コン、なんてはしゃいでたりするけど、それってパパ活っていうんじゃ、と突っ込みたくなるのは、それこそ大人の女として黙っておいてやるがな。
最近やっと、彼らの胸の内がわかってきた。こういうこという同世代の男って、マジに自分を若い男だと思い込んでいるのね。
シンプルな答えであったが、それがわかったときは、けっこう虚を突かれた。
だから私と同世代、なんなら私より年上なのに、ボクちゃん若いから熟女にも憧れますよ、なんて真顔でいえてしまうのか。
ちなみにこういうオッサン(と、あえていってしまう)の、職種や年収は様々。
若作りと財力で、本当に若い女をゲットできるオッサンもいる。ただのそこらのオッサンでしかない見た目と、ここだけは若者並みの薄い財布で、私のようなオバサンとも互いに目を逸らし合うオッサンもいる。
さて、ぎりぎりとはいえまだ三十代の富士本さんは、私から見れば若い男だ。医者の息子で、本人も医者。イケメンといっても、まったくの冗談やお世辞にはならないくらいの見た目でもある。つまり、モテる要素は揃っている。
学生時代から彼女は途切れなかったが、今一つ結婚にまでは進まない。というのも、若い金持ちイケメンを自負する彼は、まだ落ち着きたくないのだ。
彼女達は煮え切らない富士本さんに、「私もいつまでも若くないから」と去っていく。
そんな冨士本さんが、ある地下アイドルを好きになった。アヤちゃん、まだ十九歳。固定客はついているが、地上波のテレビにはなかなか出られない。