第22回 この際なんで、友人とのカネの貸し借りについてなんだも~ん
あなたは、「友情」を信じますか?
オレは、半信半疑だ。
《※編集部注:なんだそれ? こういう書き出しの場合、信じるか信じないか、どっちかだろ(笑)。まぁいいや、それで?》
60年以上も生きていると、実際に友人に裏切られたことがあるからである。
人との関係性でいうと、オレの基本は「善人説」に立つが、せちがないこの世、他人をよーく観察すればするほど「悪人説」に立たざるをえないことも多い。
《※編集部注:以前にも同じ突っ込みをしたと思いますが、「せちがない」は「世知辛い」だと思われ。当然の如く、原文ママ》
オレは、過去、「親友」と思っていた二人の友人から手痛く裏切られた。
二人ともカネを貸したのに、いまだに返してくれるわけでもなく、音信不通になっている。
Mというヤツなんて、貸したのが100万円近い額だったというのもあるが、返済を迫ると電話番号を変更、住所まで変えてしまった。
肝心なことは、カネの額うんぬんではない。
たとえ、千円でも返す意思を示してほしいのだ。
カネが返ってこなくとも、年賀状に「今年こそは、いくばくかのお金を返そうと思っています」など、ちゃんと忘れていないで気にしてくれているんだなと示してくれれば、こっちも友人に裏切られた思いをしなくて済むのである。
たったの100万円で友情を裏切って平気でいる、そいつの生きる姿勢に頭にくるのだ。
それも、そいつの信条が若い頃から「人を平気で裏切るヤツをオレは一番憎む」というヤツだったゆえに、よけいにそのいいかげんさにあきれ果ててしまう。
逆の友人もいる。
30万円ほどをIという友人に貸していた。
それも、カネがなかったオレは、サラ金から借金して貸した。
そいつは、小さな編集プロダクションを経営していたが、結局、倒産してしまった。
倒産を聞かされた時点で、貸した30万は返ってこないとあきらめていた。
オレも事情がわかるだけに、催促もしなかった。
だが、1年後、そいつは毎月5万円を振り込んでくれて、半年後に完済した。
そいつを知る別の友人から、ガードマンをしながら、誰もが嫌がっていた編集仕事を請け、借金を返済するために、かなり無理をしたらしかった。
その話を聞いて、オレは胸が熱くなった。
Mのことがあったから、よけい嬉しかった。
Mみたいなヤツだけじゃないんだ。
正直、「友情」をもう一度、信じてみようと思った。
この際なんで、友人とのカネの貸し借りについてのアドバイスを贈ろう。
《※編集部注:どの際?》
●友人とのカネの関係で悩むことがイヤなら、一切、他人とはカネの貸し借りをしないこと。
●カネをどうしても貸すとき、向こうが要求した額の3分の1を貸し、貸したお金は「あげた」と考えること。
●カネをどうしても借りるとき、自分が借りたい額の半分にすること。もし、それだとどうしても足りないときは、なるべく分散して借りて、一人の友人に負担させないように努力すること。
●借りた金を返すときは、必ず1割以上の利子をつけて返すこと。
●借りた金はなるべく早く返す。そのコツは、収入があったら、まず、借金返済を優先すること。
このアドバイスも、実は高校時代からの親友Kの助言がもとになっている。
オレがいままで、それなりに他人に頼ることなく自立して生きてきた底流には、ガキの頃の「いじめ」と「担任の先生の裏切り」が大いに関わっていると思う。
「友情」をアホみたいに信じないのも、その辺にあるのだろう。
まず「いじめ」について。
小学2〜3年生の頃だった。
オレをイジメたのは、3〜4年上の近所の3人の「お兄ちゃん」達だった。
そんなに悪ガキではなかった。
ごくごく普通のガキだったと思う。
彼らにしたら、年下のオレを軽くからかっていただけだろう。
でも、やられるオレはたまらんかった。いまのガキなら自殺したかもしれないほどの、むごいイジメだったと思う。
普段は年下のオレのめんどうをみてくれていた。
まあ、それもあるから、オレもイジメられてもついていったのだろう。
でも、いざ、イジメが始まるとそれは執拗だった。
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