// 週刊金融日記
// 2013年6月10日 第61号
// 恋愛工学で考える内閣支持率
// アベノミクス3本目の矢は飛ばず
// 京橋のグランメゾン
// いつものやり方を貫き通せ
// 他


 こんにちは。藤沢数希です。
 今週はアベノミクスの3本目の矢である成長戦略が発表されたのですが、これがちょっとずっこける内容で、株価は暴落してしまいました。それにしても最近は、株式市場も為替市場も値動きが激しいですね。いつになったらこの乱気流を抜けるんでしょうか。
 それでは、今週号もスキマ時間などに読んでもらえれば、と思います。


1.恋愛工学で考える内閣支持率

 内閣支持率というのは、恋愛工学で考えるとじつによく理解できます。そこで今回は高い支持率が続いた小泉純一郎元首相、支持率が低迷し続けた鳩山由紀夫元首相や菅直人元首相の民主党政権、そして安倍晋三首相の支持率の推移などから、人の心を惹きつけるものとは何か、について考えてみたいと思います。

 まずは支持率が低迷し続けた民主党政権です。彼らはなぜ国民の支持を得られなかったのでしょうか? 民意を汲み取らなかったからでしょうか? ちがいます。僕が思うに民主党政権ほど、民意に熱心に耳を傾け続けた政権はありません。マスコミで、小泉政権による市場原理主義で、なんでも官から民にしたから、日本は格差社会になった、と騒がれると、さっそく小泉政権のシンボルであった郵政民営化を止めて、再び国営化しました。テレビで派遣村が大きく報道され、派遣社員などの非正規労働者がかわいそうだ、という民意が盛り上がってきたら、さっそく有期雇用などを制限する法律を作りました。銀行が貸し渋りをするので、中小零細企業が資金繰りに行き詰まって倒産している、とテレビや新聞で報道されて、銀行はけしからん、という民意が盛り上がると、さっそく国が保証を付けて、銀行がつぶれそうな中小零細企業にお金を貸し続けることを強制しました。福島第一原発事故で、日本中が原発反対ムードになると、さっそく原発ゼロを打ち出して、全原発を停止させました。