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発売されなかった2タイトルの正体。『スーパーマリオ』の裏話
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発売されなかった2タイトルの正体。『スーパーマリオ』の裏話

2014-12-12 23:30
    発売されなかった2タイトルの正体。『スーパーマリオ』の裏話


    マリオのプロレスゲーム、やってみたかったな。

    様々なゲームネタを掘って掘って掘り起こすDid You Know Gamingが、またしても 『スーパーマリオ』の裏話を届けてくれました。


    【大きな画像や動画はこちら】

    今回は制作中止となった『スーパーマリオ』関連作品2作品や『ゼルダ』作品、ノコノコやクリボーの秘密トゲゾーこうらの秘密に迫ります!



    ■『スーパーマリオ3Dワールド』よりも大昔に任天堂はプロトタイプを作っていた?

    マリオ3D

    時代がまだ追いついていませんでした。


    2009年に宮本茂さんはWired.comにこう語っておられます

    ---------------------------------------

    『マリオ64』では、キャラクターたちの距離によって画面の大きさが大きくなったり小さくなったりするというアイデアを使って実験をしました。マリオとルイージをあの3Dの世界で走らせてみたのです。
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    この案は結局ハードウェア的な制約により中止になったとのことです。


    ■トゲゾーこうらの秘密

    トゲゾーの甲羅

    トゲゾーもゲーム機の制約


    宮本さん曰く『マリオ』シリーズの開発にとって「ハードウェアの制約が避けがたい最も大きな要素」だそう。『マリオカート64』でゲームのペースを決めることとなったのは、ニンテンドー64のプロセス性能でした。

    そしてそれがトゲゾーこうらの能力にも関わっているのです。『マリオカート64』のディレクターである紺野秀樹さんによれば、元々トゲゾーこうらは先頭を行くプレイヤーを狙い、ゲームのバランスをとるためのアイテムでした。

    しかし64のハードウェアは8カート全てを一度にスクリーン上に表示するには問題がありました。トゲゾーこうらが一番先頭のカートをクラッシュさせた後に他の全プレイヤーたちが追い越していくと、その時にラグが発生するのです

    このため、トゲゾーこうらはプレイヤーの前を行くカートを全てクラッシュさせることで、全カートが一度に画面内に表示される事態を防ぐようになりました。

    マリオカート ダブルダッシュ!!』ではこの制約は存在なくなったため、トゲゾーこうらに羽根がつき、一番先頭を行くカートのみを狙うようになったのです。


    ■クリボーもハードの制約の産物だった

    クリボー

    クリボーがメインではありませんでした。


    『スーパーマリオブラザーズ』のクリボーもまた、そうしたシステムの制約の上でデザインされたキャラクターでした。開発からプレイテストの段階までは、ノコノコがゲームのメイン雑魚キャラでした。最終盤ではクリボーとノコノコが同時に登場しますが、プレイテスト参加者たちにとってノコノコは倒すのが難しい相手でした。

    特にゲームに慣れ親しんでいない人には難しい相手だったので、一度踏むだけで倒せるクリボーが生み出されたのです。しかし十分とはいえないメモリーが足枷となっていました。クリボーはメモリーを節約するために小さくなっており、画像も一つのものを左右反転させてアニメーションをつけています。


    ■ヨッシーも制約のせいでなかなか登場できなかった?

    ヨッシー

    技術的な問題ででれませんでした。


    『スーパーマリオブラザーズ』の後に任天堂は、マリオが騎乗できる恐竜キャラクターとしてヨッシーのアイデアを生み出していました。しかし宮本さんによればNES/ファミコンでこれを実現させるのは「技術的に不可能」だったそうで、SNES/スーパーファミコンの『スーパーマリオワールド』での初登場までそれは実現できなかったとされています。

    しかし実はヨッシーは1993年発売のNES用教育ゲーム『Mario is Missing!』にルイージが騎乗するキャラクターとして登場しているのです。

    この作品はシンプルな作りの上に、NES作品の中でも後のほうで出たタイトルであるため、ソフトウェア・ツールワークスの開発者達はNESのパフォーマンスをフルに引き出すこともできたのでしょう。


    ■マリオがアメリカの風景を駆け巡る!キャンセルされたCD-iゲーム

    CD-i

    『Mario Takes America』


    フィリップスのCD-iでも制作されていた『Mario Takes America』という作品は、「Philips CD-i World Magazine」によればインタラクティブなFMVでマリオがアメリカ各地を旅するというものだったようです。

    2014年7月には元開発者がその詳細を明らかにしています。それによれば、フィリップスから依頼を受けたカナダの開発社Cigamに働いていたそうで、Cigamはアメリカ中にチームを派遣し、風景の写真や動画を(ヘリコプターまで使って)撮影したそう。

    しかし、他の任天堂キャラもののCD-iゲームの人気が芳しくなかったためにフィリップスは『Mario Takes America』への出資を停止、Cigamは厳しい状況に追いやられ、結局会社は破産。

    ゲーム開発に関わる資産はカナダ帝国商業銀行のアーカイブの中に今も眠っているらしいです。


    ■キャンセルされた『マリオ』のバスケxレスリングゲーム

    プロレスマリオ

    ガチャピンのごとくマリオもなんでやります。


    もう一つのキャンセルゲームは、『マリオストライカーズ』シリーズでお馴染み、カナダの開発社Next Level Gamesによるもの。元々は『Mario Volleyball』(マリオ・バレーボール)というシンプルなタイトルで企画されていたものの、製作者数が増えていくに従いアイデアも増えて『Super Mario Spikers』という名称に。

    内容はレスリングやテレビのゲーム番組といったものに。プロジェクトに近い筋の匿名の情報元によれば、レスリング要素は同社の別のキャンセルされたゲームプロジェクト『WWE Titans: Parts Unknown』の影響だそうです。『WWE Titans』は、アメリカのプロレス団体WWEのレスラーが出てくるSFプロレスゲームになるはずでした。

    任天堂はこの『Super Mario Spikers』の案を、暴力性を理由に却下したとされています。『スマブラ』にも暴力性はあるのに...とも思いますが、『Super Mario Spikers』のアニメーションを見てみれば、そちらがよりリアル(それに「レスリング」ではなく「プロレス」)なものになっていることがわかります。


    ■『進め! キノピオ隊長』は元々『ゼルダ』ゲームとして開発されていた?

    キノピオ隊長

    キノピオ隊長


    もともと『進め! キノピオ隊長』はリンクを主人公にと考えられていました。この作品のディレクター・平竹晋也さんは、小さなジオラマ世界を舞台にした、ジャンプすることのできないゲームを作れば、コンパクトなステージのパズルゲームができるだろうと考えました。

    『マリオ』作品のキャラクターたちは、ジャンプすることがゲームの目玉にもなっているため合わないだろうということで、リンクを主人公にした技術デモを作成。しかしこれは本物の「ゼルダのジオラマ」を期待して見た宮本さんは困惑し、ゲームだということが明確になり経営陣によりこのプロジェクトは中止に。

    しかし宮本さんはこのアイデアに可能性を見出し、『スーパーマリオ3Dワールド』の世界にミニゲームとして入れ込むことに。その主人公は『スーパーマリオギャラクシー』で初登場したキノピオ隊長が選ばれました。その重いリュックサックがジャンプできない理由として理にかなっていると平竹さんが考えてのキャラ選定のようです。


    登場してます。キノピオ隊長

    『進め! キノピオ隊長』めっちゃカワイイ


    『スーパーマリオ3Dワールド』の後に宮本さんは平竹さんのチームにこれを拡張し、一本のゲームにするよう指示されてできたのが『進め! キノピオ隊長』というわけです。平竹さんは「我々が何年も前に描いていたジオラマのビジョンに宮本さんがついに気づいてくれたと思いたい」と語っておられます。


    The Tale Of Two Canceled Mario Games[via Kotaku]

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    RSSブログ情報:http://www.kotaku.jp/2014/12/the-tale-of-two-canceled-mario-games.html
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