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 あじさいは淡い色の花よりも、それを引き立たせる濃い緑の葉の方が好きだ。淡い美しさを持った女性らしい女性の隣りで、元気に笑っている日に焼けた女の子みたいな。生命力が強そうに見えるからだろうか。思い起こせば昔から好きになるのはいつもそういう女の子だった。子供の頃、母が病弱で
(おかげ様で今は病気ひとつせず健在ですが)床に伏せるたびに家の中の雰囲気が暗くなったことが心の片隅に影を落としているのかもしれない。