娘にごはんを食べさせるのをやめた。今までは決まった時間に椅子に坐らせ、エプロンをつけ、目の前に置いたごはんをスプーンで掬って、あるいは手掴みで食べるのを促すなどしていたのをぜんぶやめた。僕らが食べるときに同じようにローテーブルに娘のごはんを置いて「ごはんだよ」と伝えるだけ伝えて、あとは放っておく。近寄って来ては見ているだけの時もあるし、味噌汁の具を手掴みで食べていることもある。僕らのごはんに手を伸ばして食べるときもある。スプーンで食べようとしてどうしても上手に食べられず、それでも食べたいと思うときは僕か妻にスプーンを差し出す。そうやって頼まれたときだけようやく食べさせてやるようにした。