まるで年末みたいな10連休だった。いや、気候が良い分だけ本当の年末よりのどかな気分だった。時折り冷たい雨もあったけれど、陽光が降り注ぐ日の浜辺はビーチマットに寝転んでビール片手に文庫本を読んでいるだけで、そこに波打ち際ではしゃぐ妻と娘の笑い声が聞こえるだけで、他にはもう何もいらないとさえ思えた。いっそのこと年末は真冬にではなく、過ごしやすい5月にすればいいのにと何度も思ったぐらいだった。