もしも教室に生徒の半分以上が来ていなかったら、それでも教師は登校している生徒の為に粛々と授業を進めるのだろうか。それとも授業どころではないと登校しない生徒ひとり一人の言葉に耳を傾けようとするのだろうか。

 僕が登校している生徒の立場だったら「来ない奴らなんて放っとけばいい」と言うかもしれない。けれどそんなに僕を「みんなが揃って初めてクラスなんだよ」と咎める子もいるかもしれない。あなたならどうだろう。そして自分が不登校生徒の側だったとしたら―――。

 ひとつ一つに耳を傾ければ、不登校の子供たちの中にも多様な声があることが分かるだろう。先生が嫌い。授業についていけない。クラスに馴染めない。風邪をひいた。家の手伝いがある。親が弁当を作ってくれない。教材費や給食費を払うお金がない。そもそも学校に行く理由が分からない。勉強なら家でだってできる―――そう、勉強だけなら家でだってできるのだ。だからこそ