「曲がり角のところで待っててね」と朝、出掛けに娘が言う。 

 曲がり角、というのは校門を出て一本目の角を曲がったところのことだ。友達と一緒ならば家の近くまで自分たちだけで帰って来られるようになった。万一、一緒に帰る人が誰も見つからなかったときのために「曲がり角のところまで迎えに来ていて」と頼んで登校していくのだ。