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海鳴りのような轟音で目を覚ました。まだ真夜中だった。眠っている妻と娘を起こさぬようベッドを出る。カーディガンを羽織ってリビングに向かう。水をひとくち飲んで窓の外を見ると暗闇の中で白波が狂乱し、幾度も岸壁で砕け散っていた。風が唸っていた。神々しいうねりがイルカの群れのように絶え間なく押し寄せて来る。強烈な寒波だった。
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