小学校の片隅に小さな植木鉢がたくさん並んでいる。一年生の子供たちが球根を植えたチューリップだ。子供たちは毎日登下校の際に自分の鉢に水をやっている。
「やっと芽が出たよ」
「茎が伸びたよ」
「どうしよう、赤白黄色を離して植えたのにどんどんくっついて来ちゃったよ」
 植木鉢という小さな世界の中で生きている小さな命の成長を見守りながら子供たちは自分自身を成長させている。