こんにちは。マクガイヤーです。
前回の放送「腸管免疫と腸内フローラ」は如何だったでしょうか?
久しぶりの科学回だったのですが、評判が良くて嬉しいです。
なるべく間を空けずにまた科学回をやりたいところです。
○6/30(木)20時~
「最近のマクガイヤー 2016年6月号」
いつも通り、最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
その他、いつも通り、最近面白かった映画や漫画、気になったトピックについて、まったりとひとり喋りでお送りします。
○7月5(火)20時~
「ピクサー続編映画の光と闇(仮題)」
7/16よりピクサー期待の新作映画『ファインディング・ドリー』が公開されます。
本作は『ファインディング・ニモ』の13年ぶりの続編です。
ピクサーが作る映画とその続編には、傑作もあれば、駄作もありました。
そこで、ピクサー過去のシリーズ作品を振り返りつつ、「ピクサーの続編とはなにか?」について考えたいと思います。
○7月末(日程未定)20時~
「最近のマクガイヤー 2016年7月号」
いつも通り、最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
詳細未定。
番組オリジナルグッズも引き続き販売中です。
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思わずエナジードリンクが呑みたくなるヒロポンマグカップ
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さて、今回のブロマガですが、前回の放送「腸管免疫と腸内フローラ」の訂正というか付け足しというか、補講のようなことに書かせて下さい。
もくじ
・腸内細菌のバランスについて
・ウシの腸内細菌について
・マクガイヤー流便秘解消法とおすすめ食材
・ラーメン二郎と下痢
【腸内細菌のバランスについて】
腸内フローラ中の細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類にざっくり分けて説明されることがあります。
健康な人ではこれらの割合が善玉菌:約15~20%、悪玉菌:約10%、日和見菌:約70~75%になっていると言われています。
善玉菌は醗酵・分解により食物繊維から乳酸や酪酸などを生成して身体に良い作用を示す菌、悪玉菌は二次胆汁酸やニトロソアミンなどの発がん物質(や発がん促進物質)を生成して身体に悪い作用を示す菌のことです。
で、日和見菌は、これまで「健康な時はおとなしくしているが、身体が弱ると腸内で悪い働きをする菌」と説明されていましたが、放送では、「まだ機能がきちんと分かっていない菌」と説明しました。
ちょっと付け足しますと、悪玉菌が優勢となると、悪玉菌の影響を受けて、身体に悪い影響を与えるようになる菌も存在します。「日和見」という名づけられた所以ですね。
しかし、きちんとした機能が分かっていない菌も多いのです。現在培養可能な腸内細菌は全体の30~40%足らずといわれています。相同性検索で遺伝子の機能を推定しても、その遺伝子がきちんと発現し、同じような機能を働かせているとは限りません。エビデンスが無いのです。
また、本当に悪玉菌が身体に悪影響しか与えない菌なのか、という問題もあります。悪玉菌が身体にとって不要な菌なら、免疫能によって排除され、0%である状態が「健康」な筈ですが、健常者の腸内には必ず悪玉菌があり、善玉菌の方が僅かに多いというバランスをとっています。
理由の一つとして、悪玉菌の一つであるウェルシュ菌などがいないと肉類中のタンパク質を分解できないというものがあります。悪玉菌は栄養の吸収に役立っているのです。
また、善玉菌を刺激して活性化したり、体内に侵入してきた他の病原性菌を攻撃するという役割もあります。
そんな中、これまで日和見菌の範疇に入っていたバクテロイデスの一種に、肥満を抑える働きがあることが分かりました。
科学技術の発達に伴い、今後もこれまで役割が不明だった菌の機能や、意外な役割が判明していくことでしょう。
「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3分類はあくまでも一般向けの用語で、専門の研究者がこの単語を使うことはまずないのですが、今後もこの分類も見直しを迫られるかもしれません。
【ウシの腸内細菌について】
放送でお話しした通り、クワガタもウシもパンダも、地球上のほとんどの動物が細菌と共生しています。
特に、草食動物は食物繊維を分解する細菌を胃に持ち、それら腸内細菌が作り出す様々な栄養素を利用しています。
栄養学でいう三大栄養素をご存知でしょうか?
・炭水化物(糖質や、その糖質がたくさんつながった食物繊維など)
・タンパク質(アミノ酸がたくさんつながったもの)
・脂質(脂肪酸、グリセリンなどがつながったもの)
の三つのことです。
雑食であるヒトの場合、この三つをバランス良く摂取するのが大事です。
ところがウシの場合、四つある胃の中では、腸内細菌の働きにより、炭水化物である食物繊維を分解して、タンパク質の原材料であるアミノ酸や、脂質の一種である脂肪酸を多種・大量に発酵・合成しています。ヒトの腸内細菌もある程度合成しているのですが、これほど多種・大量ではありません(ヒトの胃は一つなので、当たり前といえば当たり前ですが)。
炭水化物は炭素・水素・酸素原子から構成されているのですが、アミノ酸を合成するために不足する窒素は、ウシの体内でタンパク質が分解された時に作られるアンモニアが肝臓で尿素として無毒化され、この尿素が唾液中に分泌されることで供給されます。
だから、牧草しか食べてないウシでも、あんな肉の塊のような巨体に成長し、それを維持していけるわけですね。
【マクガイヤー流便秘解消法とおすすめ食材】
実はですね、自分も便秘に悩んでいた時期がありました。高校や大学時代の頃です。
今思えば、自由にウンコできなかったのが原因だと思います。
便が直腸まで運ばれると、直腸の神経が刺激され、それが大脳に伝わることで便意を感じることになります。
しかし、便意を感じているのにも関わらず排便を我慢していると、直腸の神経が鈍くなり、便秘になってしまいます。便の水分が失われ、硬くなることも便秘に拍車をかけます。これが「直腸製便秘」です。
ただ、研究室に入って、いつでも好きな時間にトイレに行けるようになると、便秘はウソのように治りました。
最近は一日に3~4回ウンコが出る有様です。朝・昼・夕食、そしておやつを食べた2、30分後に便意を感じるのです。少し過敏すぎるのかもしれません。
そんな自分も、時々便秘になるのですが、そんな時は野菜を多く摂るようにしています。
放送の最後、「何を食べるのが良いですか?」という質問に対して、「とにかく色んな野菜をいっぱい食べろ! ヨーグルトは少しでも良いから毎日食え」と答えましたが、ちょっと漠然としすぎていたかもしれません。
おすすめ食材を挙げるなら、さつまいもなんか良いですね。さつまいもには水溶性と不溶性の食物繊維が同じくらい含まれている、バランスの良い食材です。
さつまいもは、ふかすなり焼くなり調理する手間がかかります。また、一年中八百屋やスーパーに並んでいるわけではありません。
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