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マクガイヤーチャンネル 第148号 2017/12/6
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おはようございます、マクガイヤーです。

同人誌の原稿がいよいよ佳境に入り、ヘロヘロになっております。

まるで戦争のような忙しさです。

おれ、この戦争が終わったら結婚するんだ……じゃなかった、オナニーするんだ。



マクガイヤーチャンネルの今後の予定は以下のようになっております。


○12月9日(土)20時~

「『グウェンプール』と『スクイレルガール』とアメコミ翻訳上級編」

11月11日にアメコミ翻訳者の御代しおりさん(https://twitter.com/watagashiori)にご出演して頂きましたが、時間がなくて紹介できないアメコミ翻訳ネタが沢山ありました。

また、最近御代しおりさんが翻訳を手がけた『グウェンプール:こっちの世界にオジャマしま~す』『絶対無敵スクイレルガール:けものがフレンド』は、いずれも従来のアメコミのイメージを覆すような作品です。

そこで、再度御代しおりさんをゲストにお迎えし、翻訳アメコミの更なる魅力についてお聞きします。



○12月23(土)20時~

「最近のマクガイヤー 2017年12月号」

『ブレードランナー 2049』

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』

『全員死刑』

『GODZILLA 怪獣惑星』

『エンドレス・ポエトリー』

『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』

『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』

『gifted/ギフテッド』

その他、いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



○12月29日(金)(時刻未定)

「Dr.マクガイヤーのオタ忘年会2017」

例年お楽しみ頂いている「オタ忘年会」。2017年に語り残したオタク的トピックスやアイテムについて独断と偏見で語りまくります。


ちなみに過去の忘年会動画はこちらになります。

2016年

2015年

2014年 

2013年




コミケ出ます。

3日目東リ25b‏です。山田玲司先生率いるヤンサンと同じ卓です。

大長編ドラえもん解説本を売る予定です。



Facebookにてグループを作っています。

観覧をご希望の際はこちらに参加をお願いします。

https://www.facebook.com/groups/1719467311709301

(Facebookでの活動履歴が少ない場合は参加を認証しない場合があります)




さて、今回のブロマガですが、これまで連載してきた「科学で映画を楽しむ法 第5回「『大長編ドラえもん』と科学 藤子・F・不二雄とSF」」の番外編として、『のび太の恐竜』『恋人製造法』の類似点について書かせて下さい。



『大長編ドラえもん』の第一作『のび太の恐竜』はのび太と恐竜のピー助の間の「友情」を描いた名作として知られています。

『のび太の恐竜』が名作であることに異論はありませんが、果たしてのび太とピー助の間にある感情や思いは「友情」と呼んで良いものなのでしょうか?

まず、ピー助がのび太に感じる思いは友情ではなく、子供が親に抱く愛着のようなものでしょう。卵から孵った後はじめてみた動物がのび太だからです。

一方、のび太がピー助に抱く思いは友情ではないでしょう。

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これは、副読本として『恋人製造法』と一緒に読むと分かりやすいです。というのは、『恋人製造法』はその名の通りボンクラ主人公が自分のためだけのクローン恋人を製造する話なのですが、恐竜がクローン恋人に置き換われば、『のび太の恐竜』(特に大長編版の基となった短編版)とほとんど同じ話だからです。


『恋人製造法』の主人公内男は内気でさえない高校生です。彼はほのかな恋心を抱く同級生、毛利麻理になかなか思いを伝えることができず悩んでいました。

そんな内男はある日、裏山で円盤状の物体を拾います。なんとそれは宇宙人の乗る宇宙船でありました。宇宙人の求めるまま、宇宙船の修理道具を提供したり、食料としてカップラーメンをオゴったりする内男。

感謝した宇宙人はお礼としてクローン製造機を内男に手渡し、地球を去ります。内男は苦労の末に毛利麻理の髪の毛をゲットし、体細胞クローンを作ります。

一方、のび太はスネ夫に馬鹿にされたことがきっかけで、苦労の末に恐竜じゃなかったフタバスズキリュウの卵の化石をみつけ、ドラえもんのタイムふろしきを使って孵化させます。

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きっかけは単なる見栄や性欲に基づく「こんなことできたらいいな」という妄想のような欲望なのですが、宇宙人やドラえもんによる超科学テクノロジーがそれを可能としてしまう……という導入部が共通しています。

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また、「居候キャラからの秘密道具の入手」「苦労して素材をゲット」という点も共通しています。もっといえば、これこそが藤子・F・不二雄にとっての生活ギャグSF――「スコシフシギ」な導入部であるわけです。


クローンの毛利麻理は、身体は高校生でも中身は赤ん坊です。泣きじゃくるクローン麻理タソを子供の頃に使っていた玩具であやし、台所からかすめてきた食料を食べさせ、親の目を盗んでお風呂に入れる内男。人目につくと困るので、自室に閉じこめ、外出は夜だけです。いつしかクローン毛利麻理は内男を慕うようになりますが、二人の間にあるのは恋人の愛情ではなく、親子のそれでした。

一方、ピー助と名づけられたフタバスズキリュウは、刷り込み現象によりのび太を親と思い込み、なつきます。食材を台所から盗み出し、自室でこっそり飼育しようとするのび太。しかし、ピー助はどんどん成長し、公園の池に放さざるを得なくなります。

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比較するとよく分かりますが、体細胞クローンや時空を越えて蘇ったフタバスズキリュウといった超科学の力により誕生した生命体が、イノセントな愛情や愛着を主人公に示すこと、それにより主人公が「単なる見栄や欲望→人間的な同情・愛情」といった心理的変化を通じて成長することが共通しています。

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それどころか、「食堂から食べ物を自室に持ち帰る主人公」、「食物の減り方が激しいと母親に問い詰められる主人公」というギャグや「真夜中に人目を避けての触れ合い」というサスペンス混じりの交感も同じなのです。

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全く自由のないクローン毛利麻理に同情する内男。しかも、彼女をそんな境遇に置いたのは自分の責任なのです。様子を見にやって来た宇宙人にも「クローンにも人権はあるんだぞ!」と怒られる。

一方、のび太も狭い押入れに閉じ込めざるを得ないピー助に同情します。これも、のび太自身の責任です。だから、のび太は成長したピー助をスネ夫にみせてギャフンと言わせた後、一億年前の世界に送り返すことをドラえもんに約束するのですが、公園の池に放したところ、「怪獣が出た!」と噂になり、ついに潜水夫による調査がはじまることとなったのです。

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クローン毛利麻理もピー助も主人公との離別に抵抗しますが、

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欲望の対象ではなく、本当に相手のしあわせを願う内男とのび太は、責任をとるべく行動を起こします……


最大の共通点は、子供だった主人公が、か弱いクローンや小動物を育て、責任をとるために哀しみを乗り越え、離別することで「オトナ」になるという構造です。他にも幾つか類似点がありますし、いくつか要素について順序が入れ替わっていますが、重要なのはこの点です。