おはようございます、マクガイヤーです。
先日のニコ生放送「『グウェンプール』と『スクイレルガール』とアメコミ翻訳上級編」
は、如何だったでしょうか?
御代しおり先生に興味深いアメコミ話を色々聞かせて頂き、大変有意義な放送になりました。
でも一番印象に残ったのは、しおり先生のTシャツですね。さすがや!!
自分もそろそろ、放送の衣装をTシャツに戻そうかと思っております。
マクガイヤーチャンネルの今後の予定は以下のようになっております。
○12月23(土)20時~
「最近のマクガイヤー 2017年12月号」
・最近の日馬富士
・『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』
その他、いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
○ 12月29日(金)18時~(いつもと時間が異なります。ご注意下さい)
「Dr.マクガイヤーのオタ忘年会2017」
例年お楽しみ頂いている「オタ忘年会」。2017年に語り残したオタク的トピックスやアイテムについて独断と偏見で語りまくります。
・コミケ
・ゲーム
・おもちゃ
・????
今のところ、以上4トピックについて語る予定です。
ちなみに過去の忘年会動画はこちらになります。
2016年
2015年
2014年
2013年
○1月6日(土)20時~
「古谷実とバケモノ」
1993年に『行け!稲中卓球部』でデビューした古谷実は、自分のような90年代に多感な時期を過ごしたアラフォー世代にとって特別な漫画家です。
オタクな友達もサブカルな知り合いもヤンキーなクラスメイトも、全員『行け!稲中卓球部』を読んでましたし、『僕といっしょ』や『グリーンヒル』もほぼ同じような読まれ方をされていました。注意深く読んでいた読者以外には気づかれなかったのです、古谷実の心の底には「怪物」や「バケモノ」に象徴される何かが棲んでいることを……
ほとんどの取材やインタビューを断っている古谷実はいったいなにを考えているのか、2010年代以降『ヒミズ』や『ヒメアノ~ル』、『わにとかげぎす』といった作品が続々と映像化され再び注目されている理由などついて、解説したいと思います。
○1月20日(土)20時~
「最近のマクガイヤー 2018年1月号」
いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
詳細未定
・また、12/31(金)20時より「山田玲司のヤングサンデー」に出演する予定です。
『魔法少女まどか☆マギカ』について語り合う予定です。もしかすると年越し放送になるかもしれません。
お楽しみに!
・コミケ出ます。
3日目東リ25bです。山田玲司先生率いるヤンサンと同じ卓です。
『大長編ドラえもん』解説本を売る予定です。
Facebookにてグループを作っています。
観覧をご希望の際はこちらに参加をお願いします。
https://www.facebook.com/groups/1719467311709301
(Facebookでの活動履歴が少ない場合は参加を認証しない場合があります)
さて、今回のブロマガですが、前回や前々回のニコ生でも話題にした映画『ジャスティス・リーグ』の悪役の出身地、フォース・ワールドとそのクリエイターであるジャック・カービーについて書かせて下さい。
●映画『ジャスティス・リーグ』の「不発」
先日公開された映画『ジャスティス・リーグ』を皆さんはごらんになったでしょうか?
はっきりいって、そんなに面白い映画ではなかったわけですよ。
映画の面白さと興行収入は別物ですが、興行収入的にも期待されていたほどではなく、親会社であるタイムワーナーは『ジャスティス・リーグ』が「不発」であったと認識してDC映画上層部を交代させています。
https://ciamovienews.blogspot.com/2017/11/Justice-League-Friday-Box-Office.html
や、『マン・オブ・スティール』や『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』に比べれば面白かったですよ。ただ、同じアメコミヒーロー映画でも、『アベンジャーズ』をはじめとするマーベル作品や、同じDCヒーローというコンテンツを使っている『レゴバットマン ザ・ムービー』や「DCアニメイテッド・ユニバース」の『ジャスティス・リーグ』や『バットマン・ザ・フューチャー』の方が何倍も面白かったのです。
その原因は幾つもあります。スーパーヒーローの私生活をみせる描写が少ないこと、笑いやしっとりさせる描写も少ないこと、戦闘シーンに工夫がないこと(「荒野でガンガン殴り合っているだけ」というポッドキャストでの町山さんの表現には笑いました)……などが挙げられますが、最大の原因は悪役であるステッペンウルフが絵に描いたような「悪役」で、何の魅力も無かったからではないでしょうか。最後のおまけ映像で出てきたルーサーやデスストロークの方がよほど印象的で、これからの展開にわくわくしさえします。
●「ダークサイドのために!」
ただ、注意深くみていると、倒されるために出てきたようなステッペンウルフの方にもそれなりの事情があったり、設定されていたようなのですよ。
たとえばステッペンウルフは「ダークサイドのために!」と何度も口にします。
「これでやっと帰れる」みたいな台詞もあります。マザーボックスを集める理由は、どこかに帰るためのようです。
ここら辺は、アメコミに詳しい人ならピンとくる描写でしょう。DCユニバースには「フォース・ワールド」と呼ばれる時間の流れの異なる異次元世界で、善神ハイファーザーが率いる惑星ニュージェネシスと邪神ダークサイドが率いる惑星アポコリプスが争いを繰り広げるという「ニュー・ゴッズ」というシリーズがあります。ステッペンウルフはこのうちダークサイドの配下として登場するキャラクターなのです。
このフォース・ワールドを創造したのは、以前のブロマガでも紹介したジャック・カービーです。だから、バットマンの映画にボブ・ケイン、 ビル・フィンガーが、スーパーマンの映画にジェリー・シーゲルとジョー・シャスターがクレジットされるように、映画『ジャスティス・リーグ』のエンドロールには“forth world crated by Jack kirby”と、しっかりクレジットされているわけです。一人だけなのは、ライターとペンシラーの両方(更にエディターも)を担当したからです。
●ジャック・カービーのオリジン
ジャック・カービーはユダヤ人であり、東欧からの移民二世です。同じく東欧ユダヤ人の移民二世であるスタン・リーの本名がスタンリー・マーティン・リーバーであるのと同じく、ジェイコブ・カーツバーグという、いかにもユダヤ人っぽい本名を持っていました(後に、本名もペンネームに合わせて改名します)。
カービーは1917年に生まれましたが、彼が育ったニューヨーク市マンハッタン区のロウアー・イースト・サイドは、今は高級化が進んでいますが、伝統的には移民や労働者階級が多く住み着く地区でした。特にユダヤ人コミュニティが有名で、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』もここを舞台としています(一方で、スタン・リーはアッパー・ウエスト・サイトに住んでいたりします)。
絵が得意だったカービーはフライシャースタジオでアニメーターとして働き始めますが、スタジオがフロリダを移転したのを機に転職し、コミックを描き始めます。カービーがジョー・サイモンと組んで1940年に描いた『キャプテン・アメリカ』は最初のヒット作です。皆さんご存知のキャップがリアルタイムで第二次大戦が行なわれているヨーロッパに乗り込み、ヒトラーをぶん殴ったりするコミックですが、真珠湾攻撃が1941年だったことに留意する必要があります。つまり、『キャプテン・アメリカ』が発表された1940年は、まだアメリカが第二次大戦に参戦前であり、ユダヤ系アメリカ人であるカービーとサイモン(「シモン」の姓を持つこの人も、いかにもユダヤ人っぽい名前です)がユダヤ人迫害政策をとるナチス・ドイツへの反感とアメリカ参戦への期待をこめて描いたのが『キャプテン・アメリカ』だったのです。その後、カービーもサイモンも徴兵され、カービーはノルマンディ上陸作戦2ヶ月後のオマハビーチに上陸したりしています。
●DCへの移籍と「フォース・ワールド」の誕生
復員後のカービーは、コミック排斥運動に直面するものの、マーベルで『ファンタスティック・フォー』、『ソー』、『アイアンマン』、『Xメン』、『インヒューマンズ』、『ブラックパンサー』といった「スパイダーマン以外ぜんぶ」といっていいほどのキャラクター創造に寄与します。いわゆるゴールデンエイジにおける旧来のコミック的スーパーヒーローに、パルプSF的設定を盛り込んだのが二代目フラッシュや二代目グリーンランタンといったシルバーエイジ期のヒーローの特徴ですが、カービーがマーベルで創造したヒーロー達も同様の特徴を持っています。
ですが、スタン・リーと著作権とギャランティの扱いで揉め、1970年にDCへ移籍します。
DCへ移籍したカービーが描いたのが『ニューゴッズ』『ミスター・ミラクル』『フォーエバー・ピープル』『スーパーマンズパル・ジミーオルセン』の4作――先に名を挙げた「フォース・ワールド」シリーズを描きます。
●北欧神話とフォース・ワールド
「フォース・ワールド」シリーズは、神話とパルプSF的世界観が悪魔合体したような世界観が特徴です。
その昔、古き神々――オールド・ゴッズたちが棲む世界があったのですが、神々の間で最終戦争がおこり、滅びました。その後世界は再生され、誕生したのが新しき神々――ニューゴッズたちの棲むフォース・ワールドです。この世界は滅亡と再生を繰り返しており、”4th world”の名の通り4番目の世界であることが示唆されています。
この「滅亡と再生を繰り返す神話的世界」という世界観は、ラグナロクによる(9つの)世界の崩壊とその後の廃墟からの再生が予め決められている北欧神話の世界観と共通します。カービーの頭の中においては、マーベルで連載していたソーたちの世界がラグナロクで滅んだ後の世界としてのフォース・ワールドを意識していたそうです。
●「協定」と息子交換
新しく誕生したフォース・ワールドでも、善神が棲む惑星ニュージェネシスと、邪神が率いる惑星アポコリプスが苛烈な戦争を繰り広げます。「相容れることのできない善悪二陣営の戦い」という構造は、いうまでもなく様々な神話に普遍的にみられます。
ニュージェネシス率いるイザヤ・ハイファーザーの「イザヤ」は、旧約聖書の預言者から名をとられています。
ジャックブーツを履き、常に手を後ろで組むダークサイドは、ヒトラーやスターリンのようなファシズム独裁者を連想させます。
どちらも、ジャック・カービーのユダヤ人としての立ち位置を反映しています。
戦争に疲弊したニュージェネシスとアポコリプスは”The pact(協定)”と呼ばれる休戦協定を結びます(通常の休戦協定”Armistice Agreement”よりも神秘的な表現となります)。その内容は、ハイファーザーの息子スコット・フリーとダークサイドの息子オライオンを交換することにより、お互いの国へ侵攻することができないよう保障するというものでした。要は中世における人質の代わりとしての政略結婚のようなものなのですが、どことなく「真夏の世の夢」の取替え子を思わせます。
『ニューゴッズ』では、「協定」によりハイファーザーの養子として育てられたオライオンがダークサイドを倒すことが示唆されます。ここには、旧約聖書のモーセや、ギリシャ神話のペルセウス、ローマのロムルスのような、幼い頃に自国から追放された王子が成長して父(のような)王を殺す神話を思い起こさせます。
この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。
座頭市vsプレデターについて一言
https://www.youtube.com/watch?v=NsbVTPftcgs
悪役軍団かいたあとフォースワールド自体もみせるのか!?
ソーの宇宙都市とブラックパンサーの未来都市って使いまわしか!?
ぐらいにしかおもわんけど~