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マクガイヤーチャンネル 第178号 2018/7/4
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おはようございます。マツダイラーです。

先日の放送「しまさんとマクガイヤーの推しNetflix」は如何だったでしょうか?

「あらすじじゃなくてみどころを紹介してほしい」というしまさんの言葉や、「この紹介パートが面白ければ町山を超えられるのに」というコメントが刺さりましたが、しまさんの的確な紹介もあって面白い放送になったと思います。


マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



○7月7日(土)20時~「最近のマクガイヤー 2018年7月号」

最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。

・最近の日大

・眉村ちあき

『ハン・ソロ』

『万引き家族』『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』

『宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッド』

『V.I.P. 修羅の獣たち』

『ニンジャバットマン』

『生理ちゃん』

『MSVジェネレーション』

その他詳細未定ですが、いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



○7月28日(土)20時~「ゾイド大特集」

2018年6月より、久しぶりの「ゾイド」新シリーズである「ゾイドワイルド」の展開がアナウンスされています。6/23頃から新しいキットが発売される共に、7/7より新アニメ『ゾイドワイルド』も放送されるそうです。

ゾイドといえば昭和の一期と平成の二期それぞれで大人気を誇ったシリーズですが、いよいよ復活して三期目の歴史を紡ぐことができるのかどうか、メカボニカやスタリアスの頃から親しんでいた自分としては、気が気ではありません。

そこで、これまでのゾイドの歴史を振り返ると共に、ゾイドの魅力について語る放送を行ないます。

今回は主に昭和ゾイドについて語ることになります。

ゲストとして、YouTube動画などで活躍しているじろす(https://twitter.com/jiros_zoids)さんに出て頂く予定です。

虹野ういろう(https://twitter.com/Willow2nd)おじさんもきっとまた出てくれるよ!



○8月5日(日)20時~「ここがヘンだよ! 細田守と『未来のミライ』」

7/20より細田守3年ぶりの長編アニメーション映画『未来のミライ』が公開されます。

細田守といえば、「ポスト宮崎駿」と評されるアニメ監督の一人です。東映動画や日テレとのつながり、スタジオジブリへの「出向」、版権映画での「本家越え」、自身の製作会社の設立……等々、国民的アニメ映画監督候補としての「資格」にも事欠きません。

そして同じく「ポスト宮崎駿」と評される新海誠と同様に、川村元気プロデューサーと組んで以降、作風に変化が生じた監督でもあります。

そこで、これまでの細田守作品や細田作品の特徴を振り返りつつ、『未来のミライ』について解説する放送を行います。

アシスタントとして編集者のしまさんが出演予定です。



○8月18日(土)20時~「俺たちも昆活しようぜ! 昆虫大特集」

7/13~10/8まで上野の科学博物館で昆虫特別展も開催されます。

夏といえば海に山に恐竜、そして昆虫! いま、昆虫が熱い!!

……というわけで、今年の夏のマクガイヤーチャンネルは昆虫を大特集する放送を行ないます。

昆虫に詳しいお友達の佐々木剛さん(https://twitter.com/weaponshouwa)をお呼びして、昆虫の魅力について語り合う予定です。





○Facebookにてグループを作っています。

観覧をご希望の際はこちらに参加をお願いします。

https://www.facebook.com/groups/1719467311709301

(Facebookでの活動履歴が少ない場合は参加を認証しない場合があります)



○コミケで頒布した『大長編ドラえもん』解説本ですが、↓で通販しております。ご利用下さい。

https://yamadareiji.thebase.in/items/9429081





さて今回のブロマガですが、いつも通り前回の放送で語りきれなかったことについて……というか『ボクらを作ったオモチャたち』について書かせて下さい。


●「しまさんとマクガイヤーの推しNetflix」

6/30の「推しNetflix」では、しまさんと自分とで交互に様々な番組について紹介しあいました。


放送で紹介した番組名を書いておきますね。


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1、ネトフリ紹介編

しま:『クレイジー・エックス・ガールフレンド』

マクガイヤー:『映画監督ジョニー・トー 香港ノワールに生きて』


2、抗争編

しま:『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』

マクガイヤー:『日本暴力団 組長』


3、ネトフリ限定編

しま:『アンブレイカブル・キミー・シュミット』

マクガイヤー:『ボクらを作ったオモチャたち』


4、トークショー編

しま:『今日のゲストは大スター』

マクガイヤー:『ダラケ!』


5、バラエティー編

しま:『クッキング・ハイ』

マクガイヤー:『ビル・ナイが世界を救う』『ビル・ナイ: 科学の伝道師』


6、青春編

しま:『ゲットダウン』

マクガイヤー:『ヤング・ジャスティス』


7、親子編

しま:『チャンピオン』

マクガイヤー:『サイコキネシス -念力-』


8、ユニコーン編

しま:『HAPPY!』

マクガイヤー:『マイリトルポニー: エクエストリア・ガールズ』


9、その他編

しま:『クィア・アイ』

マクガイヤー:『ラガーン』

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「1、ネトフリ紹介編」では、DVDが手に入り難い『映画監督ジョニー・トー 香港ノワールに生きて』を紹介したのですが、なんと放送翌日の7/1にジョニー・トーを題材とした新たなドキュメンタリーが配信されました。


『あくなき挑戦 ジョニー・トーが見た映画の世界』

https://www.netflix.com/jp/title/80996345


香港から中国本土に入って挑戦するさまや、「未だ日本では一般公開されていない『高海抜の恋』のメイキング映像が納められたりしていて、ジョニー・トーファンにとっては『香港ノワールに生きて』以上に面白いのですが、『高海抜の恋』も『単身男女』も早く一般公開……とまでは言わないので、ソフト化か配信して欲しいです。



「9、その他編」……というか最後のパートにて、しまさんが「どうしても紹介したい」と言及した番組の一つ『クィア・アイ』も、さすがエミー賞受賞作品で面白かったですよ!



●ネトフリで何を観るべきか

配信サービスとしてのNetflixは、HuluやAmazonプライムと比較して(有料会員数の多さを背景とした)オリジナル作品や独占配信に力を入れていることに特徴があるといわれています。

ただ、実際観てみると、ネトフリオリジナルや独占配信映画は、(『ブライト』『アナイアレイション』といった少数の例外を除いて)、わりと微妙なものが多いわけですよ。『オクジャ』『最後の追跡』『ピーウィーのビッグ・ホリデー』のような、面白いのだけれど決して一般受けしないジャンル(これこそ配信サービスの真骨頂ですが)に属する作品か、『クローバーフィールド・パラドックス』のような、どの国のどの世代の興味も惹きそうなヒット作シリーズの新作にもかかわらず、微妙な出来の作品が多いわけです。

一方で、ネトフリが製作しているオリジナルドラマは、『ハウス・オブ・カード』といい『ゲットダウン』といい『パニッシャー』といい、面白いものばかり配信されているのですが、「45分×12話を全4シーズン!」とかいわれても観る時間がなかったりするわけです。

じゃ、ネトフリで何を観るべきかというと、自分は「ネトフリでしかみれない」「わりと短い」という2点から、ドキュメンタリーを大いに愉しんでいたりします。



●『ボクらを作ったオモチャたち』とは

中でも、いま最もおすすめしたいドキュメンタリーが『ボクらを作ったオモチャたち』です。

題名どおり、オモチャをテーマとしたドキュメンタリーのシリーズで、1エピソードにつき約45分、全部で8エピソードありますが、どれから先に観ても構わないのですごく観易いです。

特集するオモチャは、シーズン1が「スターウォーズ」、「バービー」、「マスターズ・オブ・ユニバース」、「G.I.ジョー」、シーズン2が「スター・トレック」、「トランスフォーマー」、「レゴ」、「ハローキティ」です。

……はい、もうお分かりですね。いずれも80年代に大ヒットしたオモチャたちです。「レゴ」や「ハローキティ」はずっと売られているようなイメージがあるかもしれませんが、前者は「宇宙シリーズ」や「お城シリーズ」、後者は山口裕子が三代目デザイナーに襲名するという転機が80年代にありました。

そう、「ボクら」というのは、80年代に子供もしくはティーンエイジャーだった現在アラフォー、アラフィフのおれたちのことなんですよ!



●アメリカン・ドキュメンタリー

アメリカ製のドキュメンタリーには、大きく分けて二つの潮流があります。

一つはフレデリック・ワイズマンが作る、「ナレーション」、「テロップ」、「音楽」、「インタビュー」を排した素うどんのようなドキュメンタリーです。「四無主義」ともいわれますが、分かりやすく情報を伝える手段を4つも排しているので、観客は次第に映像の中に入り込むこととなります。撮ってきた映像を編集し、どの順序で配置するかが唯一にして最も重要な演出になります。日本で同じ作り方をしているのが想田和弘です。


もう一つは、フレデリック・ワイズマンが排した「ナレーション」、「テロップ」、「音楽」、「インタビュー」をふんだんに用い、その他にもアニメーション、再現ドラマ、既存映像のシャッフリングやマッシュアップ……観客に伝えたいテーマを伝えるためにありとあらゆる手法を用いて、最終的にナレーションでまとめ、テンポよく仕上げるタイプのドキュメンタリーがあります。2、3分に一回はシニカルなギャグやジョークを交え、客を飽きさせないことも忘れません。

この代表例はマイケル・ムーアになりますが、現在、アメリカでエンターテイメントとして愉しまれている(かつ勉強にもなる)ドキュメンタリーのほとんどはこれです。

もっといえば、「2、3分に一回のシニカルなギャグ」を除けば『NHKスペシャル』も当て嵌まったりします。更に「(テーマソングを除いた説明的な)音楽」を除けば、『ザ・ノンフィクション』も当て嵌まるのです。


前者――ワイズマン式ドキュメンタリーが「観客の理解力を信頼している真面目な作品」、後者――マイケル・ムーア式ドキュメンタリーを「カウチポテトしながらでも理解できるエンターテイメント」と理解するのは早計です。

何故なら、『ボクらを作ったオモチャたち』は明らかに後者に属するドキュメンタリーなのですが、オモチャに知識があればあるほど楽しめる作りになっているのですから。



●『ボクらを作ったオモチャたち』の魅力

『ボクらを作ったオモチャたち』は、「テンポの良すぎる編集」「2、3分に一回のシニカルなギャグ」を除けば、わりとしっかりした作りのドキュメンタリーです。

どのエピソードもまず再現ドラマで観客の心をつかみ、そのオモチャがどのような歴史(玩具史)的背景から誕生したのか、どのようにヒットしたのか、なぜ重要なのか、現在どうなっているのか……等々を45分でしっかり解説してくれます。そのオモチャを産み出したキーマンとなる人物には必ずインタビューし、同業他社や子供時代にそのオモチャで遊んだ人物の評価もインタビューとしてしっかり入れます(まとめ撮りなので毎回服が同じなのですが)。

そして、ここが重要なのですが、最後は必ず受け手と作り手の織り成す人間的な感動でまとめます。取材に協力したにも関わらずシニカルすぎるナレーションで一刀両断されたインタビュイーたちも、このまとめ方なら怒らないでしょう。

しっかりした解説と多面的な視点とシニカルでジョークたっぷりなナレーション……手堅い!

テーマとなるオモチャをよく知らない人にとっては、実に勉強になる番組です。一方で、知識のある人にとっては「そこをもっと深く解説してくれ」という箇所もあるのですが、「最低限これには触れてほしい」という話題はほぼ押さえており、更にシニカルなナレーションやMAD動画みたいな既存映像のインサートに爆笑してしまうでしょう。最初に「どこから観てもOK」なんて書きましたが、シーズン1、2と順番どおりに視聴すると。オイルショックやベトナム戦争や3.75インチフィギュアやタイアップによる物語性など、シリーズ全作を繋ぐキーワードがみえてくる構成も上手いです。