おはようございます。
先日の放送「人間が心底思ってるのは金とセックスのことだけ――今こそ読み直したいジョージ秋山――」は如何だったでしょうか?
大好きなジョージ秋山について勝手気ままに喋ったのですが、ゲストで出演して頂いた山田玲司先生のおかげで、上手くまとまった気がします。
マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。
○8月17日(月)19時~「湯浅政明と『日本沈没2020』(仮)」
7/9よりNetflixで湯浅政明監督によるアニメ『日本沈没2020』が配信されています。
小松左京のSF小説『日本沈没』は「日本人とはなにか」をSFというフィールドで描いた名作ですが、これまで映画化・テレビドラマ化・マンガ化と、様々なメディアで語りなおされてきました。いずれの作品もその時々の「いまの日本」を描こうとしていました。
湯浅政明監督による『日本沈没2020』もこの系譜に則りつつ、『マインドゲーム』、『夜明け告げるルーのうた』、『DEVILMAN crybaby』などで披露した作家性が詰まった作品でもあります。
そこで湯浅政明のフィルモグラフィーと共にSFとしての『日本沈没2020』について解説するようなニコ生を行います。
ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)をお迎えしてお送り致します。
○8月31日(月)19時~「最近のマクガイヤー 2020年8月号」
詳細未定。
いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
○藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています
当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。
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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。
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合わせてお楽しみ下さい。
さて、今回のブロマガですが、ニコ生に続いてジョージ秋山の魅力について語らせて下さい。
●おれとジョージ秋山
自分がジョージ秋山作品を読むようになったのは90年代後半くらいからです。
当時、いわゆる「悪趣味ブーム」とか「秘宝系ブーム」とか呼ばれることになる、80年代には失われてしまった70年代以前の反体制・反社会・ニューシネマ的要素を持ったサブカルチャーをみなおそうというようなムーブメントがありました。
クイックジャパン ウェブの追悼記事(https://qjweb.jp/column/23682/)がその時の状況をよく記していると思うのですが、まさに自分もクイックジャパンや漫画地獄変のジョージ秋山インタビューを興味深く読んだことを覚えています。
90年代の「悪趣味ブーム」においてジョージ秋山が特徴的だったのは、70年代に大ヒットを飛ばした漫画家でありつつ、その後も数年おきに問題作を描き、90年代当時も『捨てがたき人々』や『博愛の人』といった問題作を描いていたことです。過去に活躍したレジェンド漫画家でありつつ、当時も現役バリバリの漫画家だったわけですが、この時期を契機に過去作の復刊やまとまっていなかった作品の単行本化が始まり、作品の読み捨てではない、作家としてのジョージ秋山の再評価に繋がっていきました。
●ジョージ秋山作品の魅力の一つはポエム
ジョージ秋山作品の魅力とは何でしょうか。
社会の良識に挑戦するような寓意性たっぷりの物語、行き当たりばったりにみえてその時々の時代性を反映しながら目が離せなくなる急展開、ジョージ秋山にしか描けないシュールレアリスム的作画……色々と挙げられるでしょうが、自分の考える最大のそれは、1ページや2ページ、時には4ページ以上延々と続く登場人物の演説だったりします。その間、他のキャラクターが口を挟むことは稀で、ある意味でジョージ秋山によるポエムといっても良いかもしれません。
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