おはようございます。マクガイヤーです。
まだ新型コロナウイルスのワクチンは打っていませんが、『シン・エヴァンゲリオン』は観てきましたので安心してSNSを使っております。
先日の放送「スーパー戦隊と東映不良性感度」は如何だったでしょうか?
ちょっと準備しすぎた感もありましたが、大好きなスーパー戦隊について話せて満足しております。
マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。
〇3月22日(月)19時~「私小説としての『シン・エヴァンゲリオン』 発動編」
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開日が3月8日となることが発表されました。二度の延期を経ての公開日決定ですが、今度こそ本当に公開されそうです。
95年の10月にTVシリーズの『新世紀エヴァンゲリオン』が放送開始されたので、26年を経ての最終作となるわけですが、果して本当に最後の『エヴァ』になるのでしょうか? 「さらば、全てのエヴァンゲリオン」などという宣伝コピーを使いつつ、『エヴァよ永遠に』とか『エヴァ完結編』みたいな続編が作られる可能性はゼロではないのでしょうか?
……そんなことを考えてしまうのは、『エヴァ』が庵野秀明(総)監督にとっての私小説ともいえる作品で、庵野が生きている限り新作がされ続けるものと考えてしまうからです。
そこで、先月行った「私小説としての『エヴァンゲリオン』と『ヱヴァンゲリヲン』 接触編」に引き続き、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を解説するニコ生を行います。
ゲストとして編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)を再度お迎えしてお送り致します。
予定していた「こんな時だからみたい旅行映画たち」は5月以降にお送り致します。
〇4月4日(日)19時~「最近のマクガイヤー 2021年4月号」
詳細未定
いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
〇4月19日(月)18時~「テン年代の『進撃の巨人』(仮)」
『進撃の巨人』最終回が4月9日発売の別冊少年マガジンに掲載されるそうです。
2009年に連載が始まった『進撃の巨人』、当初は絵が下手すぎるという声もありましたが、衝撃的な展開や考え抜かれた世界観で人気作となり、今や完全に2010年代を代表する漫画となりました。戦争はもとより、民族紛争やテロリズム、果ては震災をも象徴するような「巨人」が登場する本作が、約10年を経て完結することに感慨を禁じえません。
そこで、『進撃の巨人』を解説するニコ生を行います。
ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)をお迎えしてお送り致します。
〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています
当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。
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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。
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合わせてお楽しみ下さい。
さて、今回のブロマガですが『キラメイジャー』と『ゼンカイジャー』について書かせて下さい。
●『キラメイジャー』のリーダー論
先日、スーパー戦隊シリーズ第45作『機界戦隊ゼンカイジャー』が始まりました。
スーパー戦隊は25、35周年と記念作を製作しており、『ゼンカイジャー』も記念作として様々な仕掛けが施されていますが、そもそも直前の第44作『魔進戦隊キラメイジャー』が、スーパー戦隊の王道にしてアップデートも果たされた記念作のようなものだったと思うのですよ。
『キラメイジャー』は、当初はっきりと「現代のリーダー論」をテーマとしてうちだしていました。
レッドが体力もスキルもない単なる高校生なのに対し、他の四人はeスポーツプレイヤー、陸上選手、時代劇俳優、医者……と、全員年上でなにがしかのスキルを持つ社会人です。そんな集団のリーダーが単なる高校生に務まるわけがないと思うのですが、レッドは「リーダーとして大切な類まれなる想像力」を持っており、それこそが「いま」のリーダーにとって一番大切なものなのだ――という話が展開されます。
たとえば第2話「リーダーの証明」では、陸上の予選と悪者との闘い、どちらを優先すべきかという問題を抱えるキラメイグリーンに対し、想像力(という名の超パワー)で「代役ン」なるコピーロボット的道具を産み出し、「代役」に戦闘を任せます。
「大事な闘いを代役に任せるなんて!」と怒るイエローに対し、レッドは「輝いてるからこそキラメイジャー。だからやりたい事はやらなくちゃ!」と説明します。
チームのためにメンバーの生活が犠牲になるのではなく、それぞれのメンバーが充実した人生を送るためにチームがある――という現代的なチーム論のように思えますが、それだけではありません。
単純な仕事がAIに置き換えられようとしている現在、有能な人材は引く手あまたです。そんな中、どこからも必要とされる人間を、上手く交渉し、時間を調整し、お互いに納得した上で、自分のチームで部分的にでも働いてもらう――これこそが「いま」の組織のリーダーとして大事な仕事である、というわけです。
第26話「アローな武器にしてくれ」も「いま」を象徴する回でした。
弓をモチーフとして武器が登場するパワーアップ回なのですが、かつて弓勝負をした王様が限界を越えて弦を引き、弓を壊してしまったというエピソードから、制限時間付きでパワーアップ形態に変身します。
「限界は超えないためにある」というレッドの台詞が、「いま」のリーダーとして実に頼もしいです。
きちんと働いている人なら分かると思うのですが、周囲をみれば、限界を越えてしまうことで鬱病になったり、身体を壊してしまう人がどこにでもいます。このコロナ禍では、現場が限界を越えてしまうことで、医療崩壊が起きてしまうわけです。現場が限界を越えないよう、上手くルールやシステムを作ることがリーダーとしてとても大事な仕事というわけです。部下を使い捨てる敵の幹部ヨドンナが対比として描かれたり、制限時間が切れてピンチに陥ったところを仲間がカバーしてくれる展開を入れたりするところが実に上手く、『キラメイジャー』を象徴するような回でした。
●『キラメイジャー』の現場論
『キラメイジャー』はリーダー論が一段落ついてからも、見逃せない回が続出しました。
子供が玩具で遊ぶ意味と魅力に迫りつつ、『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』の天本英世のようなおじさんが登場する第31話「おもちゃ」や、いつも明るくて前向きなグリーンが心の中に少しだけ持つ後ろ向きな心が実は大切だったという第37話「せな1/5」などは、スーパー戦隊史に残る名作でしょう。どちらも、生身の役者の魅力と、説明的な台詞ではなくロケ地やシチュエーション込みでメッセージを訴える、映像作品としては泥臭いけれども、確かな効果を産み出す演出が光っていました。
自分がどうしても注目してしまうのは、作り手のメタ的な事情を反映したと考えてしまうような展開です。
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