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マクガイヤーチャンネル 第318号 2021/4/7
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おはようございます。マクガイヤーです。

先日の放送「最近のマクガイヤー 2021年4月号」は如何だったでしょうか?

『JUNK HEAD』『シン・仮面ライダー』など、最近観たたくさんの映画についてしっかり話せて満足しております。



マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



〇4月19日(月)18時~「テン年代の『進撃の巨人』」

『進撃の巨人』最終回が4月9日発売の別冊少年マガジンに掲載されるそうです。

2009年に連載が始まった『進撃の巨人』、当初は絵が下手すぎるという声もありましたが、衝撃的な展開や考え抜かれた世界観で人気作となり、今や完全に2010年代を代表する漫画となりました。戦争はもとより、民族紛争やテロリズム、果ては震災をも象徴するような「巨人」が登場する本作が、約10年を経て完結することに感慨を禁じえません。

そこで、『進撃の巨人』を解説するニコ生を行います。


ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)をお迎えしてお送り致します。



〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています

当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。

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合わせてお楽しみ下さい。




さて、今回のブロマガですが、先日亡くなった田中邦衛について書かせて下さい。


●田中邦衛の訃報

先週末、田中邦衛が3月24日に老衰で死去していたことが発表されました。享年は88歳でした。

驚き……は、実のところありません。かなり前から俳優を休業し、表舞台に出てなかったからです。最後に公の場に姿をみせたのは2012年の地井武男の「お別れの会」で、その後施設への入所や、「俳優は引退した」という妻の言葉を紹介する取材記事が週刊誌に載ったりしたからです。2014年に亡くなった高倉健は、亡くなる直前まで身体の調子を悪くした田中邦衛のことを心配していたという報道もありました。「いつか、この日が来ることを心のどこかで覚悟しておりました」という吉岡秀隆のコメント(https://hochi.news/articles/20210402-OHT1T50282.html)は、近しい者のそれとして納得ものなのではないかと思います。4/3の夜にフジテレビで放送予定だった『ジオストーム』が追悼特別番組として急遽『北の国から'87初恋』に変更となりましたが、もしかすると放送変更は既定路線で、なかなか発表できないからとりあえず『ジオストーム』をラテ欄に載せたのではないかと邪推してしまうほどです。


●黒岩五郎の狂気

自分は『北の国から』の良い視聴者ではありませんでしたが、いまとなっては田中邦衛の代表作であり、朴訥としていてどことなくおかしみのある黒岩五郎が田中邦衛のパブリックイメージであるというのは、よく分かります。

しかし、『北の国から』がヒットして国民的な番組となるまでは、そうではなかったのです。朴訥とした喋り方と濃厚を通り越しておかしみのある演技は同じでしたが、その奥に小狡さや卑怯さ、もしくは虚無や狂気を称えたキャラクターを演じていたのです。

いや、正確に言えば、田中邦衛の演技力が落ちたり、演技が変わったりしたわけではありません。『北の国から』は、もともと都会が嫌になった五郎が子供を連れて田舎に帰り、電気も水道もない大自然の中で暮らす話でした。子供からみれば、便利で安全な都会生活を捨てる父親はある意味狂っていますし、母が家を出て行ったのも五郎の中にある家父長制や有毒な男らしさが相混じった狂気が原因だったのかもしれません(これは、ほぼ同じシチュエーションの『大草原の小さな家』『ミナリ』にも共通しています)。

……そんなことを考えてしまうくらい、『北の国から』の前に田中邦衛が演じていたチンピラやヤクザ役には狂気がありました。


●田中邦衛のチンピラ、ヤクザ役

1932年生まれ、大学卒業後に代用教員を務めるも、子供を叱れなかったことから役者を目指した田中邦衛は3度の受験の末になんとか俳優座養成所に入所します。最初の当たり役は『若大将』シリーズの青大将役で、濃い顔とコミカルな演技で憎めない悪役を好演し、たちまち人気を得ました。数年後、『網走番外地』シリーズでは主演の高倉健を慕う舎弟役として出演しますが、青大将とほとんど同じキャラクターです。二つのプログラム・ピクチャー・シリーズでNo.2的ポジションを務めたわけで、まるで一時期のオーウェン・ウィルソンのような「相棒」具合です。


転機となったのは、やはり『仁義なき戦い』シリーズの槇原政吉でしょう。