おはようございます。マクガイヤーです。
ゴールデンウィークなのですが、緊急事態宣言が発令されているので、都内に行きづらいです。
家で映画を観たり、今夜のニコ生の準備をしたりしつつ、のんびりしているのですが、のんびりしすぎたせいか、常に眠たい状態です。ま、こんな生活も良いですよね。
マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。
〇5月5日(水)19時~「こんな時だからみたい旅行映画たち」
新型コロナ過の中、気軽に旅行に行けない状況が続いています。国内旅行は可能でしょうが、海外旅行は少なくともあと一年は無理そうです。
そんな中、気分だけでも旅行に行ったような感覚を味わえる映画を特集します。ロードムービーに限らず、全く別の土地や風景、旅行そのものの魅力を味わえるような映画は数多くあり、そんな映画たちについて語れればと思います。
ゲストとして編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)をお迎えしてお送り致します。
〇5月30日(日)19時~「黒富野と白富野のあいだの『閃光のハサウェイ』」(日時が変更になりました、ご注意下さい)
5月7日より映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が公開されます。1989~90年にかけて発表された富野由悠季による同名小説を、3作かけて映像化する、その第1作目になるそうです。なんでも、ガンダムにとっての「正伝」である宇宙世紀作品を各種メディアで展開するプロジェクト『UC NexT 0100』の第2弾として制作されるそうです。
『閃光のハサウェイ』が、いまこのタイミングで映像化されることに、驚きと納得の両方を感じてしまいます。発表当時、『閃光のハサウェイ』はイノセンスの象徴として過去作に登場したハサウェイ・ノアを抑圧された宇宙植民地の側に立つテロリストのリーダーとし、テロを繰り返す側の視点で描くガンダムシリーズとしては異端の物語だったからです。
しかし、アメリカ同時多発テロ事件から20年が経ち、いまもまだ「テロとの戦争」の最中にあります。テロリストの視点から語る物語は珍しくなくなりました。
富野由悠季の作風は『閃ハサ』以後どんどん「黒さ」を増しつつも、『ブレンパワード』を境に反転を迎えることとなります。一方で、「ガンダム」というコンテンツはサンライズの身売り以降、『SEED』や『UC』でしっかりとブランド化しましたが、富野自身が『閃ハサ』のアニメ化に関わらないことにも、驚きと納得の両方を感じてしまいます。
そこで、映画化に合わせて、『閃光のハサウェイ』を中心に富野由悠季とその作品群・作風について解説するニコ生を行います。
ゲストとしてお友達の虹野ういろうさん(https://twitter.com/Willow2nd)をお迎えしてお送り致します。
〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています
当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。
https://macgyer.base.shop/items/19751109
また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。
https://macgyer.base.shop/items/25929849
合わせてお楽しみ下さい。
さて、今回のブロマガですが、またもや『進撃の巨人』について書かせて下さい。
●ジャンプと『進撃の巨人』
マガジンデビューというサイトで持ち込み版の『進撃の巨人』が公開されています。
https://debut.shonenmagazine.com/comic/2265
『進撃の巨人』の読み切り版で、諫山創が「19歳の時に描いた作品」です。
諫山創は「週刊少年ジャンプ」編集部にもこの作品(もしくはこれに類する作品)を持ち込み、「ボロクソ」な評価をもらったことは有名な話です。
http://blog.livedoor.jp/isayamahazime/archives/1922630.html
この時のことを諫山創はブログに書いているのですが、
「しかし適切な指摘ですごく勉強になったし、見返したいって気持ちになりました」の他に、
・「僕の力不足以外の欠点に「漫画」じゃなくて「ジャンプ」を持って来いって言われた」
・「子供のころから読んでるジャンプに固執せずマガジンを目指した」
……ということを書いています。
ただ、ここでちょっと疑問に感じることがあります。
件の持ち込み版『進撃の巨人』って、『進撃の巨人』が完結した今となっては、かなりジャンプっぽく感じられませんか?
具体的に書けば、
1、つばきという若者(女性)が主人公に弟子入りを志願する導入部
2、「前衛兵」「05部隊」等、敵ではなく「味方」側に様々な組織内組織が登場する
3、「戦う意思」が父親から主人公に継承され、主人公から弟子に継承される
ここら辺が、すごくジャンプっぽいです。
1、3、についてですが、
どんなに幼くても師匠(メンター)と弟子の関係性を重視する価値観は、『ドラゴンボール』以前からあったジャンプ流ビルドゥングス・ロマンの伝統です。師匠から受け継いだなにごとかを、主人公が弟子や子供のようなキャラクターに継承させるのも同様ですね。
2、についてですが、
人気があれば長期連載作にならざるをえないジャンプには、「かつての強敵(ライバル)が味方になる」という王道の展開が、『男一匹ガキ大将』の昔からあります。この展開を、『リングにかけろ』や『ドラゴンボール』のように連載を無理に続けたが故のインフレと読者に思わせることなく可能とする構造が、敵ではなく「味方」側に様々な組織があり、主人公が属する組織と競合したり、丁々発止のやりとりを繰り広げたりする……というものです。
編集者を含む作り手がこの構造に気づき、自覚しながら使ったのが、『NARUTO』の「学校(アカデミー)」という仕組みでしょう。アカデミーに通いながら授業を受けつつ、場合によっては先生といっしょに「任務」をこなすというフォーマットは、その後のジャンプにしっかりと受け継がれています。
もっといえば、たとえ「強敵」であった二年生や三年生が仲間になっても、江田島平八以外の教員が物語に絡めなかった『男塾』ではフォーマットとして未完成だったわけです(『男塾』はギャグ漫画でもありますが、それまでのジャンプ漫画を『HUNTER×HUNTER』の10年以上前に脱構築しようとした作品でもあります)。
そう考えると、何故『進撃の巨人』がジャンプで連載されなかったのか、不思議でなりません。本人が書いているように、諌山には「子供のころから読んでる」ジャンプへの志向がはっきりとあり、作品にも表れているからです。
「何かに合わせて漫画を描くってのは、僕が思う漫画を描く意味ってのが損なわれてしまう!」「そもそも自分には週刊連載なんて不可能です、週刊でやってる先生方は例外なく超人です」と書きつつも、実力派アシスタントを揃えて週刊連載への体制をジャンプ編集者が整えてくれていたら、諌山はしっかり編集者のアドバイスを取り入れた上でしっかりジャンプ版『進撃の巨人』を描き、しっかりヒットさせていたのではないでしょうか。
●エクストラポレーションで考えるジャンプ版『進撃の巨人』
ならば、ジャンプ版『進撃の巨人』はいったいどんなものであったのでしょうか?
これは、『NARUTO』『僕のヒーローアカデミア』『鬼滅の刃』『呪術廻戦』……といったテン年代のジャンプ人気作で使われた手法が、ジャンプ版『進撃の巨人』でも当然使われたであろうという仮定――SFでいうところのエクストラポレーションを使って推測することができるでしょう。
コメント
コメントを書くマクガイヤーゼミ、進撃の巨人回、とても面白かったです、
ドクターの言葉を借りて言うなら、
放送を見て正に「成仏」できた気分です、
諫山先生が、元ネトウヨとは、放送を見て初めて知りました、
それと共に、磯山先生と町山氏との出会いが無ければ、
もしかしたら進撃の巨人という作品も、
現在とは全く違う物になっていたか、そもそも誕生すらしなかったのでは無いかとさえ思え、
ドクターのおっしゃる「ジークのキャッチボール好き描写は、町山氏へのラブレターである」と言う推察にも、
非常に納得感が有ります、
駄文感想失礼しました~