おはようございます。マクガイヤーです。
前回の放送「『タクティクスオウガ』とゲームクリエイター松野泰己」は如何だってでしょうか?
『タクティクスオウガ』の魅力から、クリエイターとして理想と現実に引き裂かれ続ける松野泰己まで、きっちりと話すことができ、満足しております。
それぞれの立場から『タクティクスオウガ』について語って頂いたナオトさんとひとみさんにも感謝です。
マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。
〇12月12日(月)19時~「一体いつからオサレ漫画じゃないと錯覚していた?『千年血戦篇』アニメ化記念『BLEACH』特集」
10月よりアニメ『BLEACH 千年血戦篇』が放送されています。『千年血戦篇』は『BLEACH』の最終エピソードなわけですが、2022年のいま映像化されることに、驚きを禁じえません。
『BLEACH』は週刊少年ジャンプで2001~2016年に連載されていたわけですが、連載終了から8年、アニメ終了から10年経ったいま、しっかりと完結編がアニメ化されたわけです。
それだけ人気も影響力もある作品だということを証明した形になっているわけですが、実際、ジャンプの大看板作品である『ONE PIECE』よりも『BLEACH』の方が真似しやすい……影響力の高い作品なのではないかと思います。
そこで、『BLEACH』について解説しつつ魅力を紹介するような放送を行います。
ゲストとして自分よりも『BLEACH』に詳しい舞台女優の桜木ゆいさん(https://twitter.com/sakuramauyoru)と、メカデザイナー回も好評だったお友達の虹野ういろうさん(https://twitter.com/Willow2nd)をお迎えしてお送り致します。
〇12月25日(日)19時~「『マッドゴッド』とストップモーションアニメ特集」
12月2日より映画『マッドゴッド』が公開されます。フィル・ティペットが約30年を経て完成させたストップモーションアニメ映画で、ティペットの狂気と執念がつぎ込まれた作品であることは想像に難くないです。
振り返れば、『JUNK HEAD』『PUI PUI モルカー』『ウェンデルとワイルド』と、ここ数年でストップモーションアニメの大作・話題作が次々と発表されています。3DCGの登場でストップモーションアニメが絶滅するといわれていた頃が嘘のようです。
そこでストップモーションアニメの歴史と魅力、個々の推し作品について解説するような放送を行います。
ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)と編集者のキリグラフこと瀬川卓司さん(https://twitter.com/killigraph)をお迎えしてお迎えしてお送り致します。
〇1月9日(月)19時~「Dr.マクガイヤーのオタ新年会2023」
例年お楽しみ頂いている「オタ忘年会」。
2022年は番組編成の都合上開催無しとなりましたが、代わりに新年会を行います。
例年の忘年会と同じく、2022年に語り残したオタク的トピックスやアイテムについて独断と偏見で語りまくる予定です。
ゲストとして編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)をお迎えしてお送り致します。
ちなみに過去の忘年会動画はこちらになります。
2021年
2020年
2019年
〇1月22日(日)19時~「『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』と『仮面ライダーBLACK SUN』:東映特撮の新しい夜明け、あるいは黄昏」
2022年は特撮がアツい年でした。
中でも、東映特撮の暴れっぷりは目覚ましく、「スーパー戦隊」というジャンルを破壊し再生しようという勢いの『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』は『シン・ウルトラマン』と同じく特撮の歴史に残るのではないでしょうか。
もう一つ、賛否両論ですが『仮面ライダーBLACK SUN』もネット配信でしかできないことをやりきり、特撮の歴史に残るのだと思います。
歴史の節目にいる、というかこんなお祭りに居合わせることなんて、めったにありません。
そこで、『ドンブラザーズ』と『BLACK SUN』の魅力について語るような放送を行います。
ゲストとしてお友達のナオトさん(https://twitter.com/Triumph_march)をお迎えしてお送り致します。
〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています
当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。
https://macgyer.base.shop/items/19751109
また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。
https://macgyer.base.shop/items/25929849
合わせてお楽しみ下さい。
さて本日のブロマガですが、『タクティクスオウガ』と松野泰己について、改めて文章でまとめさせて下さい。
●――駆り立てるのは野心と欲望、横たわるのは犬と豚――『タクティクスオウガ』の何が凄かったのか
『タクティクスオウガ』は今から27年前、1995年の10月に発売されました。
『ファイナルファンタジーVI』は前年である94年4月、『ドラゴンクエストVI 幻の大地』は2ヶ月後の95年12月に発売されたわけですが、今となっては『タクティクスオウガ』をプレイした記憶の方が強く印象に残っています。あまりにも印象的すぎて、というかショックを受けて、以後しばらくの間、松野泰己が参加したゲームを追い続ける「松野信者」になってしまいました。
それだけ完成度の高いゲームだったということなのですが、具体的に書けば、当時のスーパーファミコンのゲームとしては、システムとストーリーの作り込みが圧倒的だったのですよ。
まずシステムですが、
・1ユニットをタコ殴りできるターン制ではなく、一手の重みが響くウェイト制
・レゴにも通じるクオータービューで共通パーツを置くことで作り込んだグラフィックの魅力
・RPGとして面白味のあるクラス(職業)とクラスチェンジによるキャラメイク
・洗練されたインターフェイスとチュートリアル
……と、当時のシミュレーションRPG(SRPG)としては異様に高い完成度でした。完成度が高すぎて、以後、まるで『タクティクスオウガ』のようなゲームを「タクティクスRPG」と呼び、1ジャンルとしてしまうほどの影響力がありました。シリーズ化されたものとしては『サモンナイト』や日本一ソフトウェアのSRPG、近作では『GOD WARS』や『トライアングルストラテジー』などが明らかに影響を受けている作品たちといえるでしょう。
ストーリーは、ガッツリ民族紛争をテーマとしています。当時、テレビではユーゴスラビア紛争が盛んに報道されており、世界観のモデルというかモチーフの一つである――ということは松野自身がインタビューで言及しています(https://dengekionline.com/elem/000/000/336/336146/index-2.html)。富野が『Vガンダム』を作ったように、当時「戦争」を題材にする人間はユーゴスラビア紛争を無視できなかったわけです。「民族浄化」は当時のボスニア政府とPR契約を結んでいたアメリカの広告代理店が、「ホロコースト」の代わりに使い出した言葉であることは『ドキュメント 戦争広告代理店』で有名になりました。
一方で、直接的なモデルではなくあくまでモチーフの一つ(動画などで)と松野が強調したくなる気持ちも分かります。より普遍的な「戦争」について描こうという努力に満ちているからです。
以下ネタバレ