各陣営の今回の意気込みを聞いてみた。
DeNA柴田キャプテン「選手は数十名の中から選抜し精鋭が揃いました。なので、特に作戦とかは決めず、個人プレーに任せています。練習もセットを打ったり、フリーに行ったりもしました。あと弊社でリリースしたアプリ『雀神クロニクル』で牌効率のトレーニングをしました。今回負けてしまうとアプリの売り上げにも影響するので、負けられません!」
CA藤田社長「今回は、山手線渋谷駅を東西に挟み同業種でもあるDeNAさんが相手。いわば《渋谷ダービー》なので、前回(対博報堂戦)よりさらに負けられない対戦です。CA麻雀部も130人を超えて、この対抗戦に参加するだけでも一苦労ですが、今回も3月の部活成績上位の選手を選抜してきました」
今大会のシステムは3ステージで勝負する。
第1ステージは順位争い。
各選手のポイントを順番に並べ、各チームの選手の平均順位が上のほうが勝ちとなる。したがって、まずはトップを目指し、可能であれば味方選手をより良い順位にしておくことがカギとなる。
1戦目、A卓のCA側は最強位・藤田社長と麻雀部部長の梅原さんというエース2人が同卓。
ここは梅原さんがリードする展開だったが、ラス前にDeNAの渡辺さんがトップめの梅原さんから純チャンイーペーコーを直撃。熾烈なオーラスとなったが、結果はCAの12フィニッシュで終了した。
だが、B卓・C卓ではDeNAがトップを取り、トータル順位の合計はDeNA38 CA40。平均順位の良い方、ということはすなわち合計着順の数字が小さいほうのチームが勝つということ。順位の合計が差が2ということはほぼ差がない状態で半荘1戦目を終えたということになる。
2戦目、B卓・C卓はともにCAが1着・4着、DeNAが2着・3着のため、大きな順位変動はなさそうな雰囲気。残っているA卓に注目が注がれる。
こちらはDeNA和田さん(手前右)が6万点オーバーで圧勝気配。2着もDeNAの大沼さんがキープし、そのまま逃げ切りを果たした。
A卓をワンツーで決めたということで、一気にDeNAが優勢になる。成績集計後、DeNAが34、CAが44ということで第1ステージを制したのはDeNAとなった。
DeNA柴田リーダー「とりあえず3ステージとも負けということがなくなってホッとしました」
張敏賢プロも「今回はレベルが高いですね」というぐらいであり、前回は圧勝だったCAも苦戦しそうな予感がする。
第2ステージより対抗戦ならではのコンビ戦となる。
まず先鋒・次鋒戦を同時に行う。仮に、両方ともどちらかのチームが勝利した場合、自動的に旗1本獲得できるので副将戦はキャンセルされるというシステムである。
ここでCA側はエース・藤田最強位をあえて副将戦に温存。先鋒・次鋒のどちらかは味方が勝利してくれることを信じ、副将戦で勝つという戦略を取った。さらに次鋒に博報堂戦でMVPだった生沼と麻雀部部長の梅原を投入。手堅く次鋒で勝ち、あわよくば先鋒でのストレート勝ちを狙っていたのだ。
その次鋒戦はCA側の目論見どおり、CA梅原さんがリードする展開で東場が進んだ。途中、DeNA和田さんに詰め寄られるがオーラスを迎えた時点で、和田さんに3700点差をつけてトップ目にいる。
が、ラス親のCA和田さんが2役のテンパイ。
ドラ
出アガリではトップにならないが、ここでチームメイトのDeNA渡辺がをアンカン。これにカンドラが1枚乗り、どこから出てもトップという手に変化。すぐに和田さんがツモアガリを決め、次鋒戦をDeNAが制した。
見事な連携を見せたDeNA和田(手前左)と渡辺(右奥)
こうなると先鋒戦は意地でも落とせないCA。ここを落とすと藤田社長の出番がないまま第2ステージの敗退が決まってしまうのだ。ところが、次鋒戦が終わった時点で先鋒戦はまだ東2局。なぜかというとDeNA・大沼さんが大連荘していたからである。
藤田「やばい~」
結果、先鋒戦もDeNAが制し、第1ステージに続き連勝を果たした。これで第3ステージの大将戦がハンデキャップマッチになることが確定したのである。
大将戦は1卓2対2のペア戦。ただし、DeNA側に100pのハンデが加算、さらにラス親の権利が与えられる。もし途中でCAに逆転されても、ラス親で粘ることも可能というシステムである。CAは藤田最強位、さらにCA麻雀部の最強位・橘さんという最強タッグで臨んだが、このハンデを覆すのは正直厳しいのではないだろうか? もちろんCAが1着2着を占めればあとは素点で2万点差をつければよいが、ワンツーフィニッシュならほぼ達成可能な点差である。ところが1着3着になるといきなり6万点差をつける必要が生じる。これはコンビの合計9万点(この対局はオカなし・順位馬10-30)を目指せばよいのだが、これがなかなか容易ではない。味方からの直撃、味方が親番のときのツモアガリが実質あまり意味がないからである。
ところがいきなり奇跡の逆転を予感をさせるアガリが出た。
東1局1本場 西家・CA藤田最強位の手牌
ドラ
親が味方の橘さんなので、ツモってもあまり嬉しくない。ということでヤミに構えた藤田最強位。すると、直後に橘さんからが出た。が、ここは見逃しをかける藤田最強位。そして、静かに、そしてややツモ切りが目立つように捨てた。すると、直後、北家の柴田さんも切り。
藤田「ロン」
このひとアガリで1・2着という並びができ、得点もあと200点差というところまで迫った。さらに藤田最強位は、バラバラの配牌からドラ色のホンイツ狙いに出る。仕掛けてからのツモがすさまじく、あっという間にハネ満のテンパイ。
ドラ
一方、親の大沼さんは5巡目からマンズのメンホンイーシャンテンだったが、これがなかなかテンパらない。そうこうするうち、藤田に先を越されてしまった。その後、大沼さんの手もテンパイしたがダブとのシャンポン。しかもは場に2枚目が出たばかりとやや間の悪い感じがする。その悪い予感はすぐ的中。大沼さんがを掴んだ。ノーテンならオリる所だが、不自由とはいえ親満テンパイが入っている。ここで前に出て藤田最強位のハネ満に御用となってしまった。
2局続けての直撃成功で一気に盛り上がるCA陣営。だが、そこから点差がなかなか広がらない。点差だけではなく、現在2着目の橘さんが3着以下に落ちた瞬間、DeNAに逆転されてしまうのである。
僅差の展開で迎えたオーラス。DeNAが逆転するには、現在4着の親・柴田さんが連荘するか、あるいは3着の大沼さんが5200点以上をアガればよい。だが、ここで藤田最強位が韋駄天振りを発揮。あっという間に3フーロでテンパイ。
ドラ
ここまでくるとさすがに勝負あったという感じ。自力でツモれなくても、味方の橘さんがあっという間に差し込んでゲームセットとなる…あれ?
橘さんの手にはがあったはず。だが、これがなかなか出てこない。実は橘さんも自分の手がイーシャンテンだったので、自力でアガることも考え、メンツやターツを崩さなかったのだ。だが、さっさと待ちが出るものと思っていた藤田さんとしては気が気でない。やや焦りの表情がみえたところで、
藤田「ツモ」
ということでをツモって決着。圧倒的不利な条件から見事逆転勝利を飾ったのである。
藤田「DeNAさんは東大卒の方が多いせいか、頭の良い麻雀を打たれて苦労しました」
と勝利の弁を語った。これで前回の博報堂戦に続いて2連勝である。次回は三越伊勢丹HDとの対戦が控えているそうである。
この企業対抗戦を主催・運営するのが、第19期最強位で株式会社RTD代表取締役でもある張敏賢プロである。
張「5月6月の対戦相手も続々決まっていますし、さらに新たなオファーも来ています。現在は、CAの藤田さんが最強位を獲り、積極的に麻雀活動されていることもあって、今はCA対どこかの企業、みたいな図式が続いていますが、将来的には色々なメディアに採りあげてもらうことで、たとえば各企業に麻雀部ができたり、ゴルフの世界にあるような年に1回の大きな企業対抗戦という形を目指しています。今は1対1の形式ですが、やはり麻雀ですし4社対抗戦とになるといいですね。正式な試合でなくても、練習試合のような形も広がって麻雀ブームが訪れてほしいです」
果たして今度どんな企業が挑戦状を叩きつけてくるか!? こうご期待!!