あなたはわかりやすい説明は何で決まると思いますか?


例え話を上手に使ってわかりやすい説明ができる人は、モテる上にビジネスでも有利になります。

しかも、自分の知識を深めることにも役に立ちます。

今回は、そんな例え話の極意について、面接での上手なアピール方法についての相談を元に解説させてもらいます。

Q. 未経験で新しい業界に挑戦したいと思っています。面接で自分のやる気と自信をうまく伝える方法を教えてください。


やる気と自信があるのであれば、「そのやる気と自信がどこから来るのか」ということを伝えないと、なかなか伝わらないと思います。

基本的に、面接では人間は自分と似ている人間を選ぶ傾向がありますので、僕の場合であれば、ただただやる気と自信がありますということを言う人は選びません。なぜかと言うと、僕がそういうタイプではないからです。


僕は、やる気頼みにしてはいけないと思っていますし、どんなにやる気のない日であってもできることしかしませんし、できる方法を考えるようにしています。

自分の自信を過信しすぎる人とも仕事はしません。なぜかと言うと、自分とあまりにも違いすぎるからです。


ですから、転職しようと思い相手に理解してもらいたいと思うのであれば、まずは相手を見てください。

相手の考え方や重要視しているものを見て、相手の価値観を見極めて、そこにアプローチすることが一番良い方法だと思います。

エビデンスで語るようにするか、表現力を鍛えるといいのではないでしょうか。


以上がDaiGo師匠のアドバイスでした。




例え話が上手い男はモテる


人は自分が知らない話を聞くのは退屈です。

説明のよほどうまい人の話であれば、みんな喜んで聞いてくれますが、ほとんどの人はそうではありません。

ですから、既に知っている内容や理解している話を聞く方が楽しいし、少なくとも相手が何を言っているのかは理解できるので退屈はしないわけです。

ところが、僕たちは相手を喜ばせようと考えて、相手がその話題に戸惑ってしまうということに目を向けないときがあります。

DaiGo師匠のアドバイスにもあるように、相手を見て相手の考え方や重要視していることを理解しながら、コミュニケーションを取ることが重要です。


人は結局、話し手の説明力の範疇で伝えることができる話の内容でなければ相手は興味を持ちません。

だからこそ例え話が上手い男はモテるわけです。


男性でも、自分がいかにビジネスで成功しているかというような話を一生懸命女性に話している人がいますが、女性が共感を持てないことを興味を持ってもらえるように話すことはかなり難しいです。

重要なのは相手を見て理解すること。

そして、それに合わせて相手に伝えるための力を鍛えることです。

ぜひ気をつけてください。




説得したいなら例え話が9割


極端な意見や自分の考えに強烈に凝り固まっている人に理解してもらいたいのであれば、例え話を多用するようにしてください。

例え話を増やせば増やすほど相手の態度は変わりやすいです。

本当に9割は例え話だと考えてください。


具体的な人物の名前を出したりストーリーを展開してください。

これによって人は自分の考え方を変えやすくなります。

理論やデータを使うよりも、例え話やケーススタディを使った方がはるかに相手の意見は変わりやすいです。




売りたい商品のメリットよりも伝えるべきこと


自分の商品やサービスを売りたい場合にも同じです。

大抵の人は、何か物を売りたいという時にその商品のメリットや、それがどんなにいいものなのかということをアピールすると思いますが、それよりももっと大事なことがあると言われています。


例え話は商品やサービスを売る時にも使えます。

売りたい商品のメリットを伝えるよりも、「相手が既に知っていることと自分の商品を結びつける」ということをする方がはるかに効果が高いです。


「皆が知っていることといかに結びつけるか」

すでにみんなが知っていることと結びつけることによって、商品やサービスが売れるようになるというのがリンキングというテクニックです。


例えば、今では iPhone は誰でも知っている商品ですが、最初に出た iPod はなかなか売れませんでした。

今のように爆発的な売れ行きはなかったはずです。

スティーブ・ジョブズが iPhone を発表する時に、電話とウォークマンとインターネットを使える端末を再発明すると言われ、その既にある3つの機能を兼ね備えた携帯電話だとしました。

これもまさに既に知っていることとの結びつけです。


今までにないまったく新しいスマートフォンだということを言うのではなく、既にみんなが使っている3つの機能が1つにまとめられていたらどんなに便利なのかというようなことをアピールしたわけです。

これにより新商品に対する抵抗を減らし大きな売上につなげたわけです。


実際に過去の実例やデータを見ても、この既にみんなが知っている何かと結びつけるということはとても重要なことです。



さらに、理解してくれないとか話を聞いてくれない人に対して良い例えの使い方があります。

相手が好きなことや知っていること、世の中で流行っていることを例え話に使うようにします。

自分の興味がないことでも、スマホで検索すると例えに使える内容やエピソードがすぐに出てきますから、例え話に相手の持っている知識を使うようにしてください。


これにより説得力も上がりますし、相手から見た有能さや信頼感も高めてくれます。

更には、自分の興味のないことも調べるようになるのでこれにより新しい知識も手に入れることができます。


DaiGo師匠も例え話を探すのに興味のないことでもいろいろと調べます。

自分の好きな心理学の知識の例として様々なジャンルの知識を得るようにしています。興味のないジャンルは誰でも面白くないですし、なかなか学ぶ気にはなれないものですが、これにより新しい知識も興味を持って学べるようにもなります。


わかりやすい説明のためのおすすめ本


対人のスピーチやプレゼンなど人に何かをアピールするという時に、どのようなしゃべり方や動きが伝える力を高めてくれるのかという点では、こちらの本がおすすめです。

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本当に話が通じなくて困るというような方は、まずはこちらの本から選んでみるのもいいと思います。
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相手の記憶に残って誤解されない話し方、相手が思わず行動を変えたくなる話し方ができるようになりたいという方はこちらの本も役に立つと思います。

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例え話と相手の理解度に合わせた話し方


相手に伝わる解説のためには、自分の解説力を高めることも重要ですが、常に相手の理解度に気を配る必要があります。

相手がどれぐらいの難易度の言葉を受け入れることができるのかわからない状態で解説していては、それでどんどん話が進んでいってしまうと授業で内容についていけないのと同じような状態になってしまいます。

相手がまだ足し算や引き算がわかっていない状態で、いきなり微分積分の話を始めてしまうと誰でもついて行くことができません。


ですが、何かを伝えないといけないと思うと自分が話すことばかりに一生懸命になってしまう人が多いです。

相手がどれくらい理解できていて、どこまで伝わっているのかということを理解していません。


これをわかっていないと、変な誤解を生んでしまったり、何度も説明しているのになぜわかってくれないのかと考えてしまいます。

相手に伝わらない理由は「どこまでわかっているのか」ということを話し手の側がわかっていないからです。

相手の理解がついてきていない状態で、どんなに正しくても難しい概念や内容を解説しても伝わるはずがありません。


そんな相手に伝わる解説力のための誰でも例え話が上手くなる方法と、相手の理解度に合わせて話し方を変える方法を紹介させてもらいます。

例え話が上手になって相手の理解度も把握しながら喋ることができるようになれば、解説力も普段の会話の伝える力も高くなります。



例え話が上手くなるメタファートレーニング

まずは例え話が上手になるトレーニングについてです。

複雑な概念や難しいことを相手に上手に解説するためにはメタファー(Metaphor:隠喩)が欠かせないと言われています。


ジョージア大学のメーガン・モーガン博士が提唱しているトレーニングを紹介させてもらいます。

全部で4つのステップで構成されています。

1. テーマブレスト

2. 自由連想

3. 自由結合

4. 表現化

この4つのステップを経ていくと、誰でもわかりやすい例えや面白い例えができるようになります。


ステップ1 :テーマブレスト

まず何かしらのテーマを決めてください。

皆さんが例えたいテーマについて、その特性や特徴、役割やメリット、そこからどのようなことを感じるのかということを考えて1人でブレーンストーミングを行ってください。

要するに、皆さんが例えたり誰かに伝えたいと思っている概念について、そのメタファー(隠喩)になる言葉を書き出していきます。


例えば、「時間」という概念について考えてみてください。

時間について考えるのであれば、「遅い」「早い」「流れる」「相対性理論」「伸縮」「変化」「進歩」「人工」「タイムアウト」「タイマー」「スピード」「レース」「アラーム」・・・

時間と関連するキーワードをひたすら考えるという感じです。


慣れたら頭の中で出来るようになると思いますが、それまでは紙に書き出すようにしてください。

この段階では、あまり難しく考えず役に立ちそうにない言葉でも自由にどんどん考えてください。

たくさんの数を書き出すのがポイントです。

目安としては20個から30個ぐらいは必要だと思います。


ステップ2 :自由連想

ステップ1で書き出した特徴や特性について、それを眺めながら連想できるものを付け加えていきます。

それぞれのキーワードに対して、さらに離れた概念や言葉を考えていきます。


例えば、「時間」に対して「伸縮」というキーワードを思いついていたとしたら、「伸縮」から「輪ゴム」という言葉も思いつくと思います。

ステップ1で書き出した関わりの深い概念や言葉を見ながら、それぞれについて連想できる言葉をつなげていきます。


ここまで出来たら、皆さんが伝えたい概念とその周辺の概念や言葉、そこから派生するあまり関係のないキーワードも書き出すことができました。

ここまではあまり難しく考えずひたすら書き出すだけです。

これも20個から30個くらい考えていただけると面白い広がりになります。


ステップ3 :自由結合

伝えたい概念の周辺にある言葉とそこから派生したキーワードを眺めながら、ここまで来てはじめて「例えとして使えそうなものはないか」ということを考えます。


例えば、「時間」→「伸縮」→「輪ゴム」と連想していたとしたら、「時間とは輪ゴムのようなものだ」と例えることもできます。


物理の世界には、超弦理論というものがあります。

世の中にはプランク長と呼ばれるそれ以上短くできない長さがあります。その長さの紐が輪ゴム状になっていて、それが様々な方向に振動します。その振動する方向によって物質ができているという概念です。

僕たちの世の中は3次元に対して時があり4次元があると言われていますが、実際に宇宙に存在する現象を全て説明しようとすると11次元ないとダメだと言われています。

この11次元のうち縦横の長さと時間以外の部分が見えないぐらいのレベルまで縮んでしまい、今の世界でできていると説明する理論です。

ざっくりとした説明ですが、その11次元を作る時にプランク長の輪ゴムが基本単位として物質が存在すると想定して、その輪ゴムが伸び縮みする方向によってそれぞれの次元ができているという考え方です。

こうなると「時間とは輪ゴムのようなものだ」ということもあながち間違いではないとも言えたり話も広がります。


上手な例え話を作ろうとするのではなく、普段からこのような連想によるトレーニングを行っておいてください。

そうすると、必要な時に良い例えが思いつくようになります。

当然ですが、最初はスベることもあります。

ですが、それも練習だと思って続けていると、相手によって刺さる例え話がわかるようになります。


自由連想と自由結合では面白い連想をしようと思わなくていいです。

自分で面白い例え話が出来たと思ってもスベる場合もありますし、自分ではイマイチかと思っても意外と相手に刺さる場合もあります。


人前で話してうまくいったものは意識しなくても記憶に残ります。

重要なのはたくさんのメタファーを自分の中でトレーニングして作っておくことです。

ここでは自由に遊んでください。

先ほどの「時間とは輪ゴムのようなものだ」のようにあるキーワードから自由に結びつけて遊んでください。


ステップ4 :表現化

思いついた表現をひとつのセンテンスとしてまとめていきます。

先ほどの例であれば、「時間とは輪ゴムのようなものだ」と言われてもピンとこないので、そこに説明を追加してもいいと思います。

例えば、「時間とは輪ゴムのようなものだ。輪ゴムの様に時に長くなることもあれば短くなることもある。」と表現することもできます。


人間はそもそも様々な概念を結び付けて覚えるようにできています。

子供の頃には、物事をそのまま記憶することができますが、大人になって以降はそのまま覚えるのではなく既存の知識や経験と結びつけて覚えていきます。

人は物事の共通点や類似点にかなり注目する性質があります


ですから、このメタファーを使って例え話をされると人はそこに注目しやすくなります。

それによって記憶にも残りやすいですし、わかりやすい説明にもなるわけです。

人間は物事の共通点にもともと興味を持っているので、そこに注目した説明や例え話をすることで面白いと思ってくれます。


物事の共通点や法則をまとめて作られたのが科学です。

全ては共通点や違いを認識する人間の本能があったからです。

ですから、このメタファートレーニングは一生ものです。


パラフレージング(Paraphrasing:言い換え)

解説が上手だったり話をまとめることが上手な人は言い換えが上手な人です。

相手の話していることに対して「つまり、それは◯◯ということですね」と上手に言い換えることができて、相手になるほどと思わせることができます。


DaiGo師匠もここを意識して論文に書いてある内容を皆さんにできるだけわかりやすく伝えたいと思っています。

これは相手によってどのように表現すればわかりやすくなるのかということを考える必要があります。



ここからは既にある考えを自分の言葉に言い換えるためのトレーニングについて紹介させてもらいます。

これによって、相手が使いやすくすることも面白くすることも、逆に、わざと難しくすることもできます。

そんなトレーニング方法については続きで紹介していきます。ぜひそちらもチェックしてみてください。