あなたが身につけたいスキルはどんなものですか?


新年度に入り新しいスキルを身につけようとか、新たな挑戦を始めようと考えている人も多いと思います。

今回は、会社からメンターになることを指示された方の相談をもとに、これからの時代に必要なスキルであるソフトスキルについてそれぞれ解説していきます。


Q. 上司からメンターになれと言われていますが、他人に寄り添うことが苦手です。どうすればうまく立ち回れるのか教えてください。


メンターは強制的になるものではありません。

勝手に他の人からメンターになってほしいと言われるものです。

会社がメンター制度を強制すると仕事に悪影響が出るだけです。


ですから、「仕事ができる人」になることを意識してください。

数字にできないようなスキルであるソフトスキルを磨いて、これを上司が身につけると周りの人にもそれが波及するという効果があります。

メンターになることを意識するよりもソフトスキルを磨くことを考えてみてください。


以上がDaiGo師匠からのアドバイスです。


今自分が何をしたいのか今ひとつはっきりしないという場合であっても、これから色々な仕事を経験してキャリアアップしていきたいという場合でも、今からどのようなスキルを伸ばしていけば、どのような仕事に就いても役に立つのか、このようなスキルについて今回は解説させてもらいます。


これは多くの先端的な企業が社内研修などで取り入れている5つのスキルです。

そのスキルを伸ばした会社は収益率が2.5倍にもなったそうです。

収益率が2.5倍にもなるということは、会社としてもこのプログラムにかなり投資してもいいと思いますし、個人としてもどんな業界でもきっと役に立つスキルだと思います。




多くの人がしてしまうスキル習得の間違い


皆さんは今どんなスキルを身につけたいと思っていますか?

人によってはプログラミングを始めたとか、何かの資格を取得しようとか英会話を学ぼうとしている人もいると思います。


ただ、どんな仕事でも必ず必要になって収益にダイレクトに響くスキルというものがあります。

現在の仕事はかなり複雑になってきています。

それによってこれまでのハードスキルでは対応しきれないようになっています。

ハードスキルは何かの資格のような数字やスコアで測ることができるスキルです。

逆に、数字やスコアで測ることができないスキルのことをソフトスキルと言います。


仕事がどんどん複雑になってきたことによって、企業が数値で測ることができるハードスキルだけでは、これからの時代はなお一層立ち行かなくなるのではないかと言われています。




ソフトスキルを身につけると収益2.5倍


インドのバンガロールにある工場で行われたランダム化比較試験(RCT)で、2,700人の女性従業員を対象に、ソフトスキルを身につけるとどれくらい生産性が上がるのかということを調べています。

ソフトスキルについては、The Personal Advancement and Career Enhancement (P.A.C.E.) というプログラムをここでは採用しています。


メリット1 :約7%生産性が高くなった

まず、このトレーニングを受けた人は受けなかった人に比べて約7%も生産性が高くなっていました

これは頭脳労働であれば生産性が2倍にも3倍にもなった可能性もありますが、工場の労働者が7%上がったというのはかなりの効果だと思います。

給料は同じなのに生産性が7%上がっているわけですから、どこの企業も取り入れた方がいいのではないかと思います。


メリット2 :複雑な仕事を任される可能性アップ

これは個人としてのメリットでもありますが、複雑な仕事を任される可能性も上がっています。

ソフトスキルの高い人の方が上司に評価されて、結果的に出世したり給料が上がったりするチャンスが大きくなったということです。


メリット3 :終了から9ヶ月後でもプログラムの良い影響は継続

さらには、ソフトスキルのトレーニングが終了してから9ヶ月後においても、これらの良い影響は継続していたということも確認されています。

このソフトスキルのプログラムを受けると、それによるメリットは長期的に続くようです。


メリット4 :労働意欲の向上

そのプログラムによって従業員等の労働意欲が向上していたということもわかっています。

仕事に対するモチベーションが上がったことによって、欠勤や遅刻などもなくなり、結果的に労働時間としては6日間も長くなっていたということです。


メリット5 :周囲の生産性も高くなる

さらに、ここが特に興味深いポイントでもありますが、ソフトスキルのプログラムを受けた人と一緒に受けていない人を働かせています。

その結果、ソフトスキルのプログラムを受けていない人も、それを受けた人と一緒に働くことによって生産性が高くなっていたということです。


ソフトスキルを学ぶことによって自分の生産性を高めるだけでなく、一緒に働く周りの人たちの生産性まで高めます

本人の生産性もモチベーションも高まって、このメリットはトレーニングが終わった後にも続いて、研修を受けていない他の人たちにもそのメリットは広がっていきます。

こうなると企業が取り入れない理由はないような気がします。


そして、このトレーニングによって、その企業の収益率は9ヶ月後に250%近く高くなっていました

働く人たちのソフトスキルを伸ばすというのは、これからなお一層企業の課題になってくるのではないかと思います。


これは個人で考えても重要です。

それによって自分の収入も上がるでしょうし、チームを組んでプロジェクトを進める場合でも転職をする際にも有利になるはずです。




「The Personal Advancement and Career Enhancement (P.A.C.E.) 」


ここで使われたプログラムはどのようなものだったのか簡単に説明しておきます。


①コミュニケーションスキル

まずはコミュニケーションスキルです。

別の複数の実験でも、コミュニケーションスキルを学ぶことにより、仕事上の社内外とのコミュニケーションが円滑に進められることによる生産性の向上が確認されています。


しかも、これは家庭内やプライベートの問題を解決することにも役に立ったとされています。

以前には自信を持ってコミュニケーションを取ることができなかった参加者たちも、会社の上層部に対しても取引先に対しても、プライベートな関係でも自信をもって接することができるようになったそうです。


特に最近では傾聴力と言われる聞く力が重要です。

この「聞く力」がある人ほど、周りの人を巻き込む力が強くて、相手を説得したり相手にものを売る能力も高くなると言われています。


マインドフル・リスニングという瞑想のようなスタイルで相手の話に集中するという方法があり、それについて学ぶのであればこちらの本がとても参考になります。


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ハーバード・ビジネス・レビュー[EIシリーズ] マインドフル・リスニング (ハーバード・ビジネス・レビュー EIシリーズ)


②問題解決スキル

これにはいろいろな考え方があると思いますが、クリティカル・シンキングが重要だと考えられます。

今実際に仕事の場面である問題というものはかなり複雑で、ひとつの原因だけで起きるものではありません。

たくさんのことが原因で問題が起きているわけなので、それを紐解いて考えることができたり、ひとつの物事を複数の視点で見方を考えながら解決していく力が必要になります


この力をクリティカル・シンキングと言います。

これについては、とても参考になる本がありますので、こちらを今回のおすすめの本として紹介しておきます。

この2冊が入門編と実践編として非常に勉強になると思います。

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クリティカルシンキング 入門篇: あなたの思考をガイドする40の原則

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クリティカルシンキング 実践篇: あなたの思考をガイドするプラス50の原則


③タスクの実行力

これは簡単に言うと「手をつける力」です。


特に現代人は、マルチタスクになり同時に色々なことに注意を向けていることによって、ひとつの物事に集中して取り組む事が出来なくなってきています。

本当は、たったひとつのことを集中して徹底的に行うだけで成果は出るのに、「あれもしないと、これもしないと」と迷ってしまい結果的に手をつけることもできなくなってしまいます

見切り発車でもいいのでとりあえず行動できる力を身につけておく必要があります。


その仕事の意味や目的を考えたり、いつまでにそれを終わらせるかという目標を考えるよりも、細かな手順を考えて書き出した方が、仕事に手を付けるスピードも仕事を終わらせるスピードも速くなります。

手順を書き出して、ゲームのようにひとつずつこなしていくというのがおすすめになります。


大体僕たちがやるべきことから目を背けてしまい、スマホをいじったり余計なゲームをしてしまう時というのは、この手順が明確になっていない時です。

次に何をすればよかったのかなと思って悩んでいる瞬間に、もっと強い誘惑に目がいってしまうわけです。


ですから、できるだけ具体的に手順を書き出すことで、モチベーションを上げて手をつけやすくして、手をつけながら簡略化していくことができないかということを意識してください。

そうするとより行動しやすくなり仕事も勉強も早く片付くと思います。


これについては、物事をシンプルにすることを意識して欲しいのでこちらの本がおすすめです。

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SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える


④時間管理

自分でスケジュールを管理したりすることも重要ですが、それよりも現代人には時間に対する余裕が全くないという問題が大きいです。


これは時間汚染という考え方で、「時間がない」と考えることで人間のパフォーマンスは下がります。

それによって、本来であれば出来るはずの仕事が出来なくなったり、無駄にダラダラと時間ばかりが過ぎてしまうということが起こります。


誰でも持っている時間は同じ24時間ですが、無駄な焦りをなくして余裕を持つことで、自分の時間に対する視点が変わり時間を上手に使うことができるようになります。


時間を増やすと同時に時間に対する余裕を増やすことが重要です。

例えば、仕事もせず何事にも向き合わない人は時間は山のようにあっても、明日に対する不安で余裕は全くありません。

時間はあるのに精神的な余裕がないから時間を無駄に使ってしまうわけです。

ですから、時間と精神的な余裕はセットで手に入れる必要があります。


時間を増やし時間に対する余裕を持つためには今この瞬間に集中することが大切です。

そのためにはマインドフルネスが効果的です。マインドフルネスは今この瞬間に集中するためのトレーニングです。

人間の注意力をコントロールするためのトレーニング方法です。これによってマルチタスクが無くなり時間を無駄にすることがなくなります。

時間汚染対策としてマインドフルネスを勉強してみるのもいいと思います。

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マインドフルネス・ストレス低減法ワークブック


⑤フィナンシャル・リテラシー

これは日本人には特に不足しているスキルだと思います。


これは別に投資に限らずお金の使い方全般です。

例えば、どのようにすればお金を生き金として使うことができて、どのような使い方をするとお金が無駄になってしまうのか、このようなことを普段からしっかり考えておくことが重要です。


人はお金に振り回されてしまうものです。

お金に振り回されることなく、お金を上手に使って生きるためにはどうすればいいのかということを教えてくれる本として、こちらの本もおすすめです。

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MIND OVER MONEY―――193の心理研究でわかったお金に支配されない13の真実



ここから先は、ここまで紹介させていただいた5つのスキルをそれぞれ高めていくためのトレーニングについて解説していきます。

もちろん、それぞれ紹介したおすすめの本でじっくり学んでいただいてもいいですが、全てのスキルについてポイントを押さえて学びたいという方は続きをチェックしてみてください。