あなたは立ち直るのが早い方ですか?それとも遅い方ですか?
今回は、フリーで頑張っていたのに思わぬ逆境に陥ったために就職する必要が出てきたという方の相談をもとに、逆境に強いメンタルの作り方について解説させてもらいます。
過去の忘れられない逆境、いつか立ち向かう必要がある逆境、その逆境の乗り越え方を学んでいただけたらと思います。
Q. フリーで安定していたのに思いがけない逆境に陥り就職する必要がありますが、どうしても踏ん切りがつきません。悔しい気持ちでいっぱいです。何かアドバイスをお願いします。
生活が苦しくなったり自分の大切な人を守れなくなるとなると、人間は創造性が下がってしまいますので、スキルアップだと考えて会社に入ってみるのはいいことだと思います。
その状態で、副業としてフリーランスの仕事を続けてみるとか、何か今までの自分の技術を使ってできることを短い時間でやってみるのがいいのではないでしょうか。
フリーランスを経験した人が会社に戻ったりすると、やはり考え方が違うので、それはそれで面白い事も色々とあると思います。
自分はいつでもフリーに戻ることができると思える自信がつくぐらいスキルアップができれば、その時こそ本当に自由になれると思います。
ぜひ良いチャンスだと考えてください。
会社に入り安定した部分を確保しつつ、時間を圧縮して集中力を高めることを意識し、その時間を新しい可能性につぎ込むのがいい方法だと思います。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
逆境を乗り越え続ける人の習慣
2015年にバージニア大学のティモシー・ウィルソン教授がレジリエンス(折れた心を元に戻すための回復力)に関する文献レビューを行っています。
そこから逆境に強い人が普段から行なっている習慣が見えてきました。
逆境に強い人は常にそれを乗り越えていきます。よくそんなに続けることができるなと思いますが、彼らは僕たちとは違う習慣を身につけています。
人間は運命に翻弄される存在だとよく言われます。
人間が運命を変えることはできませんが、運命を変えることができるものは1つだけ存在し、それは習慣であると色々な哲学者が言っています。
脳内ストーリーテラーを信じない
皆さんの頭の中にあるネガティブなストーリーを勝手に作り出す心理のことを脳内ストーリーテラーと言います。
基本的には人類はネガティブに考えた方が生き残る確率が高かった生き物です。
例えば、目の前に怪しい森があったとして、その中に美味しいものがあるかもと考えて飛び込んでいった人とその中に危険な動物が隠れているかもしれないからと、入らずにいつもどおりにしようと考えた人でどちらが生き残ったかというと、当然怖がっていた人が生き残っているわけです。
僕たちはそのようにネガティブに考えて生き残ってきた人たちの子孫です。ですから基本的にはネガティブにできているわけです。
ですから、想像してみてください 。
何か失敗や辛いことがあった時に、それはずっと続くと感じてしまったり全て終わったと考えたことはありませんか?
人間はネガティブなことが起きるとそれがずっと続くと考えてしまいます。
これは心理学的には感情予測と呼ばれ、人間が未来の自分の感情を予測することで人間が最も苦手なものです。
人間は未来の感情を予測するのがとても苦手で、うまくいっている人は逆に困っている時の感情を予測できないのでその感情がずっと続くと思うし、悩んでいる時にはその悩みや苦しみはずっと続くと思ってしまいます。
去年の今日みなさんは何に悩んでいたか思い出せますか?
おそらく覚えていないと思います。人間はどうしてもネガティブな感情に振り回されがちになるもので、しかも、それがずっと続くと思い違いをしてしまいます。これが脳内ストーリーテラーです。
逆境を乗り越え続ける人たちは、この脳内ストーリーテラーがあてにならないということを知っています。
感情の予測というものはあてにならないとわかっているわけです。
良い予測も意外と思っているほどはうまくいかないし、悪い予測も思っているほど解決不可能なレベルになることはないということを常に意識しています。
これにより脳内ストーリーテラーに振り回されることなく逆境にも立ち向かっていけるし成功しても調子に乗りすぎないということができるわけです。
感情予測が当てにならないということを知っているかどうかが逆境に強い人たちの特徴です。
逆境を乗り越え進む人の考え方
2012年にイエール大学のスティーブン・サウスウィック博士という方が過去20年間に行われたレジリエンスの研究をリサーチし逆境に強い人の特徴を10個まとめています。
かなり信憑性の高い内容だと考えられますから、この中からいくつか見つけるだけでもかなり人生は変わるのではないかと思います。
「モラルコンパス」
そんな逆境に強い人の特徴のひとつにモラルコンパスというものがあります。
レジリエンスが高く逆境に強い人は善悪に関する強い感覚を持っています。簡単にいうと、しんどい時でも自分の信念を貫ける人です。
ツラい時や強いストレスを感じている時に信念を貫くのはとても難しいことです。
ですが、レジリエンスが高く逆境に強い人は、逆境の時こそモラルの感覚が高まりやすくなります。
自分の信念を守ることができる余裕がある時は、もちろんそれを守りますが、追い詰められた時でもちゃんと自分の信念を守ることができるわけです。
これが逆境に強い人の特徴です。
心が強い人はしんどい時でも信念を貫けるというのは当たり前だと思う人もいるかもしれませんが、実際にはモラルの感覚というものがとても重要になります。
人は、逆境に陥った時に手軽なことに手を出したり安易な方法に逃げてしまいがちです。
本来その逆境を乗り越えるために必要になるしんどい行動を取れなくなってしまいます。
例えば、体が太ってきたというのであれば、それを改善するためには当然運動が必要です。ですが、その運動をするのがしんどいので、手軽で安易なダイエット方法に逃げてしまい余計に深みにはまってしまいます。
逆境にはまっても貫くことができる人は、それによりいつかは逆境から抜け出すことができるということです。
とはいえ、これでは結局メンタルが強い人でないと逆境から抜け出せないということになってしまいます。
実はこのモラルコンパスを持ち逆境に強い人は、ストレスが増せば増すほどなぜか他人に対して親切になるという傾向が確認されています。
普通の人は、ストレスがない時ほど他人に対しても優しくなり親切になります。
ストレスがかかったり余裕がなくなってくるとそれができなくなります。多くの人にとってこれが普通ですが、逆境に強い人たちは、むしろ、ストレスがかかっている時ほど他人に対して親切にするわけです。
人間というものは、余裕がなくなってきたり焦ってくるとパフォーマンスが落ちてしまいます。
ですから、普段のパフォーマンス能力を発揮することができれば、乗り越えることができるようなことであっても、それに躓いてしまい逆境の深みに陥ってしまいます。
ひとつつまずいてそこから回復することができないと能力が下がっているので、そこから抜け出すことができず次につまづいた時にまた深みにはまってしまいます。そうして逆境に陥るわけです。
その流れを止めるためには心に余裕を持つことが大切です。とはいえ、心に余裕を持とうと思ってもなかなか簡単にできることではありません。
そのために最も正しい方法が他人に対して親切にすることです。
他人への親切
人間というものは自分に余裕がある時にしかなかなか他人に親切にできないのです。
逆に、自分が本当にしんどい時に、ほんの短時間でも良いので他人への親切をすることによって、脳に錯覚が起こります。余裕がないように感じていたけれど、他人に親切にできるということは実際には余裕があるのではないかと脳が錯覚し、その結果パフォーマンスが元に戻るわけです。
そうなると、目の前の逆境に対して自分の能力を最大限発揮しそれを乗り越えることができたりします。
プレッシャーがかかっている時には、視野が狭くなっているので普段であれば見つけられる解決策も見つけられなくなったりもします。そのようなことを防いでくれることにも繋がるわけです。
皆さんもモラルコンパスを活かすのであれば、ストレスがかかっている時や余裕がない時こそ、短時間でも良いので他人に対して親切にしてみましょう。
それだけでもかなり変わってきます。
煮詰まった時には、他人にちょっとした親切をしてみたり相談に乗ってみるというのがいいのではないでしょうか。
「現実的オプティミスト」
オプティミストとは楽観主義者のような意味ですから、物事を現実的に見ることができる楽観主義者がレジリエンスが強い人です。
現実的なだけでも駄目ですし楽観的なだけでもダメです。
物事を現実的に見ることができるけれど、それを見た上で前向きな可能性を見出していくことが癖になっているということです。
実際に、逆境に強い人はいわゆる悲観主義者のようにネガティブな情報に意識が向きやすいということがわかっています。
ネガティブな部分には目を向けずどんどん進んでいるように見えますが実際には悲観主義者と同様そのようなことに気づきやすい人たちです。
ネガティブな情報に目を向けやすいですが、同時にネガティブにはフォーカスし過ぎません。
逆境に強い現実的オプティミストの人たちは、ネガティブな人たちと同じようにネガティブなものに目を向けます。
目を向けるのは現実的に解決策を見出したり対策をするためです。
そのネガティブなものに目を向けた後には2つのパターンが考えられます。
解決可能な場合と解決不可能な場合です。
その問題が解決可能だと思った場合には徹底的に目を向けていち早く解決をします。解決不可能な問題の場合は自分の力ではどうしようもないということですから速やかに目をそらします。
ここで楽観主義な特徴が現れるわけです。
楽観主義の人は全てから目を背けてしまいます。
解決不可能な問題は解決できないのですからどうしてもないものです。
彼らは解決不可能な問題から目を背けますが、解決不可能な問題にあれこれと悩む時間を解決可能な問題だけに使います。だから逆境を突破することができるわけです。
多くの人は、逆境を突破する時には全ての問題を解決する必要があると思いがちですが、実は一点の突破可能な所だけを突破すればいいわけです。
大きな壁が目の前にあったとしてもその壁を全て取り壊す必要はありません。壁の中でも弱いところやきっかけを見つけて壁の向こう側に行く方法を考えればいいだけです。
ところが、ネガティブな人や完璧主義の人は全てを解決しないとうまくいかないと思いがちなわけです。
何かあった時に立ち直るというのは難しいことではあります。
誰でも嫌なことがあると引きずったり落ち込むこともあります。
それでも、この引きずりながらも前に進むということが重要です。
ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレンのクラウドのセリフで、「過去はそれを引きずっても前に進むしかない。引きずりすぎたらすり減って軽くなる。」というようなセリフがあったと思います。
イメージとして、このような感覚を持って前に進んでいくということを意識するようにしてください。
常に前に進むためのおすすめ
そんな感覚を身につけるためにはこちらの本が役に立つと思います。
やり抜く力を手に入れるための方法を実践的に解説してくれている本です。
人間関係において嫌なことがあった場合には、それは自分の外側で起きた問題なのでその対象である他人を変えようとしてしまいがちです。
ですが、このような時は他人を変えようとするよりも自分を変える方が楽です。
それについてはこちらの本が役に立ちます。
これは本当に生きるのが楽になる素晴らしい本です。
人間関係に起きる問題で立ち直りが遅いという場合には、こちらの本を読んでみるとかなり変わると思います。
相手は変えられない ならば自分が変わればいい: マインドフルネスと心理療法ACTでひらく人間関係 (単行本)
人生の中では逆境もあるでしょうし、決して完璧とは言えない状況も多いと思います。
そんな中でどのようにして前に進んでいく道を選んでいけばいいのかということについて教えてくれる本です。
人生というものは常に計画通りに行くものではなく、オプション B を選ぶ必要も出てきます。
自分が突き進んできた道が計画通りにいかず、オプション B の道を行くしかないのかなとなることもあると思います、
こちらの本は、そこで理想の人生を見つけるための方法について教えてくれる内容になっています。
OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び
逆境に強くなりたいなら、そして今、乗り越えるべき逆境に直面しているなら…続きをどうぞ。
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