あなたが最近共感したことはどんなことですか?
今回は、友人を慰めたいという方の相談をもとに、共感力について解説させてもらいます。
Q. 友人がケンカをして落ち込んでいます。状況や気持ちを理解することもできないので、変に慰めても白々しい印象を与えるだけなのではないかと考えてしまい、どのようにして慰めればいいのかがわかりません。
興味を持って友人の話を聞いてあげてください。
その時どう思ったのか?
どんな気持ちだったのか?
しっかり聞いてあげてください。
落ち込んでいる人にとっては、自分のその感情を言葉にして出させてあげること自体が癒しになります。
それを聞いてあげることが相手にとっては喜びになります。
共感というのは相手の気持ちに寄り添うことです。
それを理解できなくても構いません。
相手が相談してくるということは話を聞いてほしいということです。
理解できなくても話を聞いてあげるだけでも相手にとってはプラスになると思います。
相手のことを完全に理解するのはメンタリストでも無理です。
自分の感情も自分ではよくわからないものです。
「傾聴」のテクニックを使って相手の話を聞いてあげてください。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
共感は脳の喜び
共感は人間の脳にとって喜びです。
ですから、共感を持てる人と一緒にいることが重要です。
そんな共感力が高い人の方がビジネスはうまくいきます。
自分がビジネスをする上でも、チームで組んでビジネスをする上でも、より良い結果にたどり着くためには共感を大切にしてください。
共感力を引き出す
組織でも会社でも結果を出したいのであれば、チームに属する人の共感力を刺激する必要があります。
例えば、自分が何かの商品を作ろうと思った時に、共感力が低い人が作ると、職人のようにこだわっていいものは作ってくれるかもしれませんが、全く売れないということが起きてしまいます。
これは YouTube でも結構あることで、とても良いものは作っているのに全く再生が回らないということもあります。
その商品自体に目を向けすぎていて、その商品を買って欲しい顧客に対して共感できていないからです。
大事なのは、商品を作る場合でもサービスを作る場合でも、それを買って欲しい顧客にどんな感情を引き出すのかということを全員でまずは考えましょう。
自分たちがターゲットとしている人達はどんなことに悩んでいるのだろうか、どんな問題で困っているのだろうかと考えるべきで、商品ではなく人を見るべきです。
メンバーの共感力を刺激して、自分たちは誰を喜ばせようとしているのかということを常に自問自答させるように誘導しなければいけません。
自分の作った商品は良いものに見える
人はどうしても自分が作っているものは良いものに見えてしまいます。
作ることにこだわり時間をかければかけるほど、それが何よりも良いものだと見えてきます。
そうなれば客観性がなくなってしまいます。
そんなことにならないように、常にプロジェクトに関わる人たちは自問自答しながらターゲットとしている人たちのことを考える癖をつける必要があります。
共感力を高める方法とは?
共感力を高める方法は別にそんなに難しいことではありません。
デンマーク国立病院を対象にした調査を見てみると、ここではまず患者さんたちにインタビューを行い、これから治療を受ける患者さんたちがいかに不安や心細さを感じているのかということをチェックして、そのアンケート結果を医者や治療に関わっているスタッフの人たちに伝えてから仕事に取り組んでもらいました。
その治療を受ける患者さんがどれだけ不安を感じているのかということを理解しておくと、当然ですが患者さん達に対する共感能力が上がります。
この共感能力というのはメンタリストのように人の気持ちを読むということではなく、相手の気持ちを知ろうとする思いです。
どうすれば相手の気持ちを知ることができるのかということを考え、実際にそれができるであろう行動をとって、相手について考えるだけでいいということです。
相手の心を読む能力が必要だということではなく、相手の気持ちを知ろうとする習慣が大切だということです。
このデンマーク国立病院の調査では、患者さん達の不安や心細さを治療に関わる人たちにフィードバックしてあげるだけでも共感力が高くなったということがわかっています。
意外と簡単なことではありますが、多くの人があまりしていないことなのではないでしょうか。
部下を励ましたりインセンティブを与えようとするよりも、自分たちが作っているプロダクトが誰を幸せにしているのかとか、今困っている人たちがいて、その人のたちのために自分たちが今頑張っているということを教えてあげた方が、はるかに部下たちのモチベーションは上がります。
これも人間のモチベーションには共感力が関わっているからです。
「感じるな、考えろ。」
共感能力が必要な場面で大切なのは感じるのではなく考えることです。
相手の表情を見て推測したら、それを仮説として立てて、
そこからどのように相手に表現したらいいのか?
原因はなんなのだろうか?
と考えていきます。
相手の感情を正しく理解する能力は、ビジネスにおいてもプライベートにおいても成功するために必要な能力だということがわかっています。
ハーバード大学の研究で、900人以上の男女を対象に写真の表情から相手の感情を推測するという実験を行っています。
感情を推測する時に、直感に従った場合と論理的に考えた場合のどちらの方が精度が高いのかということを調べたものです。
多くの人は相手の気持ちを推測する時には直感の方が正しいと考えがちですが、実際には、論理的に考えた場合の方が、感情を正しく読み取れたということがわかっています。
人間は自分が思っている以上に他人の感情をわかっていると思い込んでしまっているので、直感で考えた方が正しく読み取れると思ってしまうわけです。
直感で考えるタイプの人が直感で推測したとしても、それが必ずしも正しいわけではないと考え、状況や周りの人の意見などもじっくり聞いて考えてから、正しい答えを出すようにしようとしたら、相手の感情を読み取るのが上手くなります。
つまり、人間は、相手の感情を直感で読むのではなく、相手の感情を推測し、さらに、相手の周りの状況や周りの人、その人が置かれている状況などの情報を踏まえた上で、判断を下すようにしないと判断を間違えてしまいます。
これが大前提になります。
他にも様々な研究が行われてはいますが、論理的に考えるタイプの人の方が相手の感情を読み取る能力が高いとされています。
誰でも自分は直感で理解できる能力があると思い込みたいものです。
この直感というものはバイアスに左右されやすいものですから、 よほど親しい相手以外の場合は、客観的にしっかり考えた方が良いです。
共感力を高めるためのおすすめ
相手の考えていることが理解できず、うまく会話ができないという人もいると思います。
悪気はないのに相手を傷つけたり怒らせてしまうことがあるという人は、共感能力を高めた方がいいと思いますので、こちらの本も読んでみてください。
このハーバード・ビジネス・レビューは、論文をガッツリ読むのは面倒だという人でも、さまざまな研究を理解することができますし、和訳も結構しっかりしていますので、ポイントをかいつまんで理解することもできるのでおすすめです。
共感力 (ハーバード・ビジネス・レビュー [EIシリーズ])
ネガティブな情報にも共感
オハイオ州立大学の実験で、他人のことを積極的に褒めるような噂話を流す人ほど親密感を持たれる傾向があるとわかっています。
逆に、第三者のネガティブな情報を流す人ほど嫌われました。
皆さんが噂話をする時に他人の悪口やよくない噂話を不用意にしてしまうと、被害を被るのは噂話をされた人ではなく、その噂話をした人本人になりますので気をつけてください。
他のところでは自分の悪口も言っているのではないかと思われてポジティブな関係が築けなくなってしまうということです。
褒める人は好かれます。
上司や同僚や取引先から誰かの悪口や陰口を言われる場合もあるかと思います。
その発言を否定する必要はありませんが相手の感情に共感してあげてください。
ここでも共感することが重要です。
相手の悪い噂話に乗っかり自分も一緒にその噂話をした場合も自分の好感度は下がります。
相手がそのような話をするということは何かしらの被害を被っているか嫌な思いをしたということですから、悪い噂話に共感するのではなく、相手の苦労に共感してください。
批判される人にも良いところもあるはずなのですが、誰かのことを批判したり愚痴を言っている相手に対して、その人も色々考えてそうしているのではと言っても相手は嫌な気持ちになるはずです。
それは共感されていないと感じるからです。
悪口に乗っかり一緒に言ってくれなかったからではなく、自分が言っていることを理解してくれていないと感じるからです。
相手が求めているのは共感
これは、男女の場合にもよくあることで、女性が会社の不満や上司の不満を話している時に、男性はアドバイスをしたがりますが、男性のアドバイスが残念なのはそこに共感が入っていないからです。
相手がつらかったり大変だったから不満や愚痴を言っているわけですから、その感情に共感するところからまずは始めましょう。
ちなみに、女性が普段仲良くしている友達なのに、嫌なことがあってその友達に対する愚痴を男性が言われたとします。
それに対してその友達を批判するようなことを言うと、なぜ私の友達を悪く言うのというようなリアクションをする女性がいます。
このような時も基本的に女性は自分が嫌な思いをしたという感情に対して共感してもらいたいわけです。
そういった時も悪口や愚痴にのっかり一緒に批判してしまうと自分の印象が悪くなってしまいます。
相手の話している内容に同意するのではなく、相手の感情に共感しましょう。
自分発信の場合にはポジティブな噂話を流しましょう。
普段から人のポジティブな面を見つけるようにすると、ポジティブゴシッピングもしやすくなりますので、誰かを褒めたり持ち上げるのと同時に自分の評価も上がるようになります。
逆に、ネガティブな噂話をされた時には、それに同意するのではなくその感情に共感するようにしましょう。
共感能力を高めると選択能力が上がる
イェール大学の研究で、何も準備していない状態で人前でスピーチをしてもらうという実験を行っています。
誰でも緊張して不安になってしまう状況の中で物事の選択を行ってもらっています。
健康に気をつけるために運動をしますか?など、物事の判断を調べるために以下のような質問をしています。
この場合、共感能力が高い人は、プレッシャーがかかっている状況でも66%の人が正しい判断ができました。
ところが、共感能力が低い人は、プレッシャーがかかっている状況では7%の人だけでした。
不安やプレッシャーを感じている状況では物事の判断を間違ってしまいがちですが、このような結果から、共感能力が高い人はそんな状況下でも正しい判断ができるのではないかと言われています。
ということは、本番に強い人は共感能力が高い人と言えるのかもしれません。
おそらくは、プレッシャーや不安を感じても、これは誰でも感じる感情だと理解することができるので、それによって物事の選択能力が下がることが少ないのではないかと考えられます。
共感能力が高くニーズを読み取れるHSP
そもそもHSP 気質があり大勢の人前が苦手だという人もいると思います。
HSP の人は認識能力が高く共感能力が高い人です。
しかも、頭の回転はとても速くて計画性が高く、それらの能力の高さにより他人のニーズをすばやく理解することに長けていると言われています。
ただし、これらの能力が高いせいで、 HSP の人は他人の気分や感情に呑み込まれてしまいやすくなります。
そのため大人数での会話を行うと消耗しやすいです。
だから、HSP の人は一対一のやり取りであれば、その持ち前の認識能力の高さと共感能力の高さ、そして、頭の回転の速さと計画性の高さで、他人のニーズに対して次々と答えていくことができます。
これができれば、人の心をつかむのも仕事をつかむのもできるようになります。
HSP 気質がある方は、これらの素晴らしい能力を活かして結果や成果を手に入れるためには、その状況や環境をコントロールすることを意識してください。
ここから先は、さらに共感力を発揮して相手の心を読めるようになるトレーニング方法からコミュニケーションが楽しくなる方法まで解説していきます。
ぜひ続きもチェックしてみてください。
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