あなたは「自分らしさ」と言われてどんなことを想像しますか?
今回は、人間関係で自分を偽ることに悩む相談をもとに、「自分らしさ」について理解するための心理学を解説させてもらいます。
Q. 愛想よく人に優しくするようになってから友達との関係も仕事もうまくいくようになりましたが、どんどん本来の自分から離れていき自己肯定感が下がっています。
今更無愛想で自己中に戻る勇気もありません。どうすればいいでしょうか?
別に人に優しくするのが自分らしくないということはないと思います。
人に優しくしてはいけないということはないし、それは別に性格というわけではありません。
キャラを偽らなければいけない時には、その目的を明確にしてください。
人に優しく接することで友達との関係も仕事もうまくいったのであれば、お金も稼げるようになるし自分の時間も増やすことができるはずです。
その生まれた時間で好き放題にするために愛想よく人に優しくしていると考えれば意味があることです。
その目的をちゃんと頭に入れた上でキャラを偽る場合にはメンタルへのダメージが少ないです。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
「自分らしさ」と言われても色々とあります。
自分の人生や仕事に満足できていないという意味での「自分らしさ」の欠如、
自分の強みがわからないことによる「自分らしさ」の欠如、
他人の目や他人とに比較癖による「自分らしさ」の欠如、
ネガティブな人間関係やストレスによる「自分らしさ」の欠如、
年齢や自分の状況を理由にした「自分らしさ」の欠如、
組織やグループの中で自分の素を出せないことによる「自分らしさ」の欠如、
自分らしさは別に欠如しているわけではなく、多くの場合それに気づいていないだけです。
自分らしさを改めて理解するための心理学を解説させてもらいます。
「自分の人生や仕事に満足できていない」
あなたは自分らしく生きることができていますか?
あるいは、自分の人生を生きている感覚はありますか?
こんな感覚を持って人生を生きていくために重要なのは、セルフコンパッションと成長マインドセットです。
カリフォルニア大学の研究で、セルフコンパッションを使って自分の弱点に対して優しい言葉をかけた参加者は、それによって成長マインドセットを感じさせるような表現が30%増えて、「自分の弱点は努力によって変えられる」「今は弱点があるけれど、それは努力によって変えられる」と考える人が多くなっていたそうです。
「今はできなくてもこれから頑張っていけばいいだけだ」と行動に繋がる前向きな表現が増えていました。
つまり、セルフコンパッションがあれば失敗したとしても、行動に繋がる前向きな気持ちを持つことができます。
失敗や挫折をしても、努力によって変えていくことができると考えられるので、未来の見通しを立てることができるようになります。
セルフコンパッションを高めることにより、自分の人生や行動を変える意欲が湧いてきます。
自分の人生を変えていくためのモチベーションが生まれます。
セルフコンパッションが高い人は、失敗してもそれを受け入れて前に進む方法を知っています。
自分の失敗やダメなところも全て受け入れることができているので、自分に嘘をつく必要がありません。
調子が悪かったり失敗することは誰でもあります。
そんな時にセルフコンパッションがあれば、自分を偽ることなく前に向かってゆっくりとでも確実に進んでいくことができます。
自分の失敗も含めて受け入れて前に進んでいる人が、最も自分らしく生きることができている人です。
そんなセルフコンパッションについて学ぶのであれば、こちらの本が役に立つと思います。
自分に優しくするワーク
特に苦しい状況に陥っている時には、人は自分を信じる気持ちよりも自分に対しての思いやりや優しさを持つ方が効果的です。
ダライ・ラマは、次のように言っています。
思いやりの対象は自分自身であるべきです。まず自分です。そして、もっと進化した形でその気持ちが他者に広がっていくのです。
自分に優しくするためのワークとして、次のそれぞれの文章に続く言葉を思うままに書き出してみてください。
自分をあと5%だけ愛したら、私は…
自尊心を高めるためには…
自分に対してあと5%優しくするためには…
周りの人にあと5%優しくするためには…
わかり始めてきたことがあります。それは…
「自分の強みがわからない」
自分の強みを理解することと、それを活かすことについては、過去にまとめさせてもらっています。
一問一答「あなたの強みは何ですか?」【強みを理解する心理学】
一問一答「あなたが自分の強みを活かして成し遂げたいことは何ですか?」【強みを活かす心理学】
強みを理解して活かすことができれば自分らしく生きる事も出来て、仕事でも日常生活の中でも、それを意識することで成功しやすくなります。
米ペンシルベニア大学のマーティン・セリグマン博士を中心に開発された人の強みを見つけるVIAというテストがあります。
このテストを使って、親が子供と一緒になって自分のいくつかある強みを見つけて、その中でも一番の強みを伸ばしていくと同時に、それを学校や家庭や習い事など日常の中で使うことができるようにしていくことができます。
これについては、先ほどの記事でも解説していますが、本で学びたい方はこちらを使ってみてください。
大人も子供も自分の強みの使い方も理解することができるので、自信を持って行動することもできるようになるとても素晴らしい本です。
あなたにも強みは必ずあります。
皆さんの身近な人にも必ずあります。
特に、人は他人の成功に対して、そこに至るまでの過程でどれだけ労力を費やしたのか、その努力や使ったリソースを軽視してしまう特性があります。
全ての成功にはそこに至る過程があります。
試行錯誤や工夫を続けた結果そこにたどり着いています。
それは自分には無理なことで特別な人だけができることではありません。
そのプロセスにじっくり注目すると、自分も同じ順番で同じ段階を踏んでいけばできるような気がしてくるはずです。
自分の強みとその活かし方を理解してください。
自分の可能性を信じるワーク
次の文章に沿って思いつくことを紙に書き出してみてください。
あなた自身が今まで達成してきたことは何ですか?
それを成し遂げるまでにどんな苦労がありましたか?
あなたが達成したい目標は何ですか?
その目標に向かってどのようにしてたどり着きますか?
この目標を考える際には、もちろんWOOPの法則を使ってください。
「他人の目や他人との比較癖」
多くの人は人間関係の中で期待やプレッシャーに苛まれています。
そのせいで自分を保てなくなり自分らしさも失っていきます。
人からのプレッシャーから解放されることによって実際に作業効率も上がるそうです。
リモートワークになったことによって集中力が上がったという人も多いと思いますが、これも他人の目や他人のプレッシャーを気にすることなく仕事ができるからです。
特に、比較癖というものは本当に危険なもので、当然ですが人間はより自分らしくなることはできても他人になることはできません。
他の人になろうとすることはその先に常に失敗しかありません。
前例がある以上その人よりも上に行くことは当然難しいわけです。
多くの人が他人が手に入れた結果だけを比べてしまいます。
自分よりあの人の方がお金を持っているとかたくさんの人に認められてフォロワーが多いというようなところで比べてしまいます。
これもありのままの自分を認めることができていないからです。
これについては先ほどのセルフコンパッションを学んでみてください。
余計な期待とプレッシャーを振り払うワーク
ここでは他人からの期待やプレッシャーに苛まれて自分らしさを失わないためのワークを紹介しておきます。
心理学者のリチャード・ハックマンによると、人間のやる気が最大となるのは成功する可能性が五分五分の場合だとされています。
過去の自分の目標や挫折について振り返ってみましょう。
過去に立てた目標を思い出してください。
それは現実的なものでしたか?それとも、非現実的なことでしたか?
自分のやる気が最大化された目標はどんなものでしたか?
逆に、やる気が出なかった目標はどんなものでしたか?
ここから先は、後半の「ネガティブな人間関係」や「ストレスと年齢や自分の状況」、そして、「組織やグループの中で素の自分を出せない」、それぞれの問題の乗り越え方と自分らしく生きるためのワークを解説していきます。
今苦しい状況にある方も、それを乗り越えて本当に自分らしい人生をつかむために役立ててもらいたいと思います。
ぜひ続きもチェックしてみてください。