あなたは10年後、どのようにありたいですか?
今回は、死後の世界についての質問をもとに、人生を切り拓くための未来志向について解説させてもらいます。
「DaiGoさんは、死後の世界についてどうお考えですか?」
はっきり言って、死後の世界については考える意味はないと思っています。
人間の死について考えることは実は非常に意味がある行為で、それにより長期的な展望を持つことができるようになります。
人は未来について考えると、目の前のことにとらわれなくなります。
今日どうしようかということを考えている人は目の前のことにとらわれやすくなり、今日乗り越えることができればいいと短絡的に考え、無駄なことにお金を使ったり人生において必要のないことをしてしまったりします。
何十年も先のことを考えると、当然今適当なことをするよりも、その未来の自分にとって役に立つことに対して目が向くようになります。
そんな人間が最も長期的な思考を持つことができる未来のことは死について考えることです。
これは死の恐怖について考えるのではなく、自分が死ぬ時にどのように死んでいくのか、自分が死ぬ時にみんなが自分のことをどんな人間だと思うのか、あるいは、自分が死ぬ時に自分の人生を振り返ってどう考えながらその時を迎えたいのか、このようなことを考えるだけで自制心が高まり、死後の世界がどうのこうのということではなく今の人生が豊かになります。
ですから、死後の世界について考えるよりも、自分がどのように死ぬのかということを考えた方が今の自分の人生にとって役に立ちます。
あるかどうかも分からない死後の世界について考えるよりも、今の世界を充実させる方がはるかに重要です。
そのために死を利用していく方が良いというのが、僕だけでなく多くの科学者が持っている考え方だと思います。
そのためにはこちらの本が役に立つと思います。
「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版
少しややこしい本ではありますが、オーディオブック版もありますので音で聞いた方がわかりやすいとは思います。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
未来志向 :目先の欲求を避ける
最近Dラボで解説している「適応力」のシリーズの中でもありましたが、目先の欲求を避けるための「未来志向」は、人が環境に適応するためにも重要なポイントでした。
人間というものは誰しも目の前の欲求にとらわれやすい性質があります。
目の前の欲求にとらわれてしまうと未来志向を持てなくなります。
例えば、誰でも今から一生懸命カロリー制限して毎日運動をすれば、夏には割れた腹筋や綺麗なくびれを作ることができるということは理解できると思います。
ところが、ほとんどの人はそれをしません。
これは、今目の前にある美味しいものを食べたい、だらだらとのんびりしたい、そんな目先の欲求に負けているからです。
ですから、まずはその目先の欲求を避ける癖をつける必要があります。
そうなると未来志向になりお金を稼ぐことも出来ますし、今目の前にあるしんどいことにも耐えることができるようになります。
今はしんどくても未来の自分のためになる行動をとれるようになります。
セルフレギュレーション(自己調整)
人は今目の前にある欲求を未来の価値よりも高く見積もってしまいます。
ですから、その人間が持っている本能的な特性に気づいて、それを調整できる能力を高めておく必要があります。
これができないと、人がどんどん目の前の欲求に弱くなり、結果的に後悔する選択ばかりを繰り返してしまいます。
タバコを吸うのをやめれば人生の満足度も収入も上がるしいいことしかないと言われていても、なかなか禁煙できない人もいます。
それが未来の自分にどんなダメージがあるのかわかっていてもやめられないわけです。
これは未来の価値に気づくだけでは調整できません。
「未来の自分」から見た時に「今の自分の行動」を逆算して考える癖をつけてください。
例えば、禁煙ができないという場合であれば、未来の肺がんになった自分を想像してみてください。
その未来に肺がんで苦しんでいる自分は、今の自分の行動を見てどう思うか考えてみてください。
あるいは、収入が上がらないまま老後に自由もお金もなく、旅行も行くことができないような未来の自分は、今の自分のその行動をどう思うでしょうか?
これを限界まで具体的に想像してみてください。
未来の自分のその瞬間の絶望感をできる限りリアルに想像してみてください。
過去の自分の行動(今の自分の行動)をどれだけ悔やんでいるか? 想像してみてください。
そこまで行うと、未来に自分が手に入れることができるものの価値がとんでもなく大きく見えてきます。
それが本当の価値であり、今目の前にある小さな価値に騙されなくなります。
例えば、スマホのアプリで自分の老け顔を作ることができるものがあります。
そういったアプリを使って具体的に想像するのもいいと思います。
いずれにしても未来の価値を軽く見ないということが重要です。
自分がどれだけ未来の価値を小さく見ているのかということを知っておいてください。
これを忘れるといつのまにかまた目の前の小さな価値が大きく見えてしまいます。
これは毎日結構簡単にできます。
例えば、毎日運動しているのであれば、続けるのが億劫になったとしたら「これをサボったら自分にどんな未来があるのか?」と考えてみてください。
「将来のだらしない体になった自分は今弱音を吐きそうな自分を見てどう思うだろうか?」
ポイントとしては、これを考えてから取り組むというのではなく、考えながらやるべきことを始めてみてください。
運動の場合であれば、それを考えながら運動を始めてください。
禁煙の場合であれば、肺がんで苦しんでいる自分を想像しながらタバコを捨ててください。
大富豪へ続く道 :未来志向
普通の人が来週のこと来年のことを考えるのが精一杯でも、ミリオネアの94%は定期的に数十年先のことについて考える習慣を持っています。
つまり、大富豪は数十年単位で未来を定期的に考えるようにしています。
定期的に数十年先の未来を考えることで、それが具体的に形になるということではありません。
定期的に未来のことを考えることによって、余計な支出や出費が少なくなります。
未来志向を持つことにより衝動を抑制することができます。
最も自制心が高くなるのは「自分でどう死ぬか?」ということを考える時です。
未来志向を持つことにより自分をコントロールする能力が高くなり、実際に衝動買いが減ります。
大富豪たちは、定期的に数十年先の未来を考えることにより実際に衝動買いが非常に少なく、目の前の欲望に流されにくいということが確認されています。
目の前の株価の変動に右往左往することなく、長期投資にも向いているわけです。
目の前の欲求に流されてつまみ食いをすることもありませんし、数十年先の未来を考えて定期的な運動も心がけています。
数十年先の自分のために、定期的に読書をしたり新しいことを学ぶことも忘れません。
自分の自制心を高めるために数十年先の未来を考える習慣を持っているわけです。
それによって強い自己コントロール能力を保っています。
これも考えれば当たり前のことです。
ですが、その当たり前のことをコツコツと続けているのが本当のお金持ちだということです。
お金と名誉を手に入れる人の3つの特徴
人生の成功がどのように決まるのかという研究は色々とありますが、その中でも自分をコントロールする能力がいかに大事かということは多くの研究で示されています。
例えば、1258人のアメリカ人を対象にしたユニオンカレッジの研究を見てみると、お金や名誉を手に入れやすい人には3つの特徴が確認されています。
それによると、IQ が高いということと親の教育レベルが高いということ、そして、セルフコントロール能力が高い、この3つの特徴が将来の成功を左右していました。
①IQが高い
②親の教育レベルが高い
③セルフコントロール能力が高い
結局のところ、未来志向でどれだけ将来の自分のための行動をとることができるかということが結果的にも大きな影響を及ぼしているわけです。
IQ に関しては鍛えるのがなかなか難しいところがありますし、親の教育レベルについてもどうにもできません。
ということは、僕たちは経済的に成功したいのであればセルフコントロール能力を鍛えるしかないということが、この研究では示唆されているわけです。
僕たちは社会的な名誉やお金を手に入れたとしても、結局幸せになれなければ意味はありません。この幸せになるということに大きく影響しているのが、未来志向を持つことによる自己コントロール能力です。
未来志向で子供は将来の成功と健康を手に入れる
子供たちにも未来志向を伝えていくことは大事なことのようです。
例えば、自分をコントロールする能力が高い子供は、「成功」と「健康」の2つを同時に手にすることができるということが示されている研究もあります。
ペンシルベニア大学などが行った研究で、966人の未就学児を対象に子供たちの両親にインタビューを行い子供たちの集中力や衝動性の高さ、性格や知性といった項目を調べました。
さらに、その後その子供たちが高校1年生になった時点で、全員の成績と体型、リスク許容度などをチェックしました。
つまり、未就学の頃の親から見た子供の印象から高校生になった時点の将来を予測することができるのかということを調べたわけです。
その結果、未就学の時点でセルフコントロール能力が高いと判断されていた子供たちは、高校生になった時点の学力テストの成績が良くGPA(Grade Point Average)のスコアも高く、BMI も低く健康的な体型だったということです。
要するに、頭も良くて健康だったわけです。
さらに、未就学の時点で親から見た時に知性が高いと判断されていた子供も高校の成績はよかったということですが、BMI は少し高い傾向があったということです。
ですから、子供の頃に頭がいいと思われていた学生はもちろん成績は良かったけれど、健康に関してはそれほどでもなかったということです。
実は、GPA(Grade Point Average)のスコアというものは大人になった時の成功と結構相関しているということも言われています。
子供の頃に衝動を抑制する自分をコントロールする能力が高いと判断されていた場合には、高校生になった時点での GPA のスコアが高くなり将来の成功を掴む可能性も高くなるということです。
ですから、親が子供の将来の為に出来る事としては、下手な英才教育をさせるぐらいであればセルフコントロール能力を鍛えることに注力した方がいいということになります。
そのためには、普段から大人が未来志向を持って物事を考えることを癖にして、それを日常の中で伝えていくことが大切なのではないでしょうか。
もちろん、この能力はもちろん大人になってから鍛えても遅いものではありません。
ここから先は、さらに未来志向で自然と未来の自分のためになる行動を取れるようになる方法について解説していきます。
ぜひ続きもチェックしてみてください。